出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 研究所へと、難なく入り込んだカルラは、男が収容された個別牢へと足を向ける。

 途中、研究所員と遭遇したとしても、その記憶を改竄し、誰とも会わなかった、もしくはここの所員と遭遇したと思わせながら。

 その個別牢には防音が施されていた。中に入れば男が一人、暴れれば身動きが取れなくなる機械を両手足に付けられ、それでも扉の中に一人で入ってきたカルラを睨み付ける。まるで、殺せるものならその視線で射殺すように、殺気を纏わせひたすら目線を外さない。


「……そんなに憎い?殺したいと思う程に」

「当然だ!俺のたった一人の家族を、妹を目の前で殺しておきながら、よくもそんな事が言えるな。てめえ等に絶対復讐してやる!簡単に殺してなんかやるか、俺がされた事をやり返してやる!薬浸けにして、生きたまま腹をかっ捌いて、俺を売ったあの所員にも同じ目に合わせてやる!!」

「そう。なら手伝うわ」

「ーーはぁあ?!?」


 カルラは、カルラの知る研究所員の女の姿で、研究員の服を着ていたのだが、本来の姿へと男の前で戻る。


「お前……?」

「私は別の場所で囚われてたモルモットよ。あなたと同様、投薬され捲ったお陰で、化物染みた能力が開花したの。私の目的も研究所に対する復讐よ。私は故郷の村を、家族を失った。あいつ等が他の能力者に見せしめと実験を兼ねて、適当に選んだ村を文字通り地図上から消したの。私が生死の境を彷徨ってる時、笑いながら話していたわ。私の故郷とも知らずにね」


 淡々と話すカルラの瞳に、憎悪と決意の炎が静かに、消える事なく燃え続けている。仄めくそれは、同じ思いを味わった者なら気付けるだろう。

「……ここから出してくれるのか?」

「牢からは出してあげる。けど、この研究所から出るのは止めなさい。ここのモルモットは解放して、研究所員は皆あなたのモルモットにしてあげる。あなたはここで、彼等に好きなだけ復讐すれば良いわ。私の最終目的地は本部の壊滅。もし、万一私が途中で息絶えたなら、あなたに任せてあげる。まぁそんなヘマはしないでしょうけどね」

「お前は……薬が無くても平気なのか?」

「薬は必要よ。でも、道中研究所関連の場所を襲って強奪してるもの。ここもそう。だからここにいるのよ。あの薬は普通に生きていたら手に入らない。そのまま逃げて死ぬぐらいなら、本部を道連れにして死んだ方がマシよ。あなたはどうする?化物と手を組んで、ここであいつ等に復讐し続けるか、逃げてどこかで野垂れ死にするか。いずれにしても、私の記憶はあやふやにするけど、決めるのはあなたよ?」
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