出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 ザアイの魅了能力の効果は、大体一~二時間程度。籠める魔力によって、差が有るようだが、元々の美声を媒介にするのだから、周りには気付かれ難い。

 そして、この能力の厄介な所は、殺しを命じれば、易々と言う事を聞くと言う所。そのままでは、誰が命じたのかが分かってしまうが、命令した後に、『この事は全て忘れろ』と、こう付け加えれば、殺人を実行した者も何故そうしたのかすら忘れてしまうのだ。

 魅了と言えば聞こえは良いかも知れないが、ようは一種の洗脳なのだ。

 ザアイの場合はお願いで通しているし、能力者には効かないと言う物だから、カルラが書き換えを行わなくても、カルラ自身に被害は無いので問題無い。

 先程ザアイは魅了の能力を使用したが、あの言い方だと、カルラが能力者で無くても、『この二人』の枠に入っていた為、目視出来た魔力は、カルラとティファには向かわず、他の二人、エンヤとヒューリーには向かったが、身体に浸透する事無く、消えた。

 能力者でない女性達の身体には浸透し、その身体を中心に、光りの帯がクルクル回っているようにカルラには見えるのだ。

 そして、その魔力効果が消えれば、カルラの視界からはその光りの帯自体が消える。

 魔力が働いているのかどうかが一目で解る、便利な能力ではあるが、だからこそ、魔力研究所がこの能力を欲しがり、最初に捕まったこの能力者は、目玉を抉られ、強姦され、死んだ後もバラバラに切断されて、移植だの体内研究だのと色々されたが、解明する事も全く出来なかった為、二人目以降は慎重になったと、カルラを研究していた鬼畜美形が言っていた。

 カルラがこの前出会った、同じ能力を持つ、魔力順応能力者にも目玉を移植したらしいが、移植した途端に移植された魔力順応能力者が、もがき苦しみ死んだらしく、移植自体が無理だと理解されただけだ。

 そもそも、循環型の魔力能力者と放出型の魔力能力者では、数値の出方も全然違うのだから、一緒にする方がおかしい。


「それで?どうするの?バラバラに別れて泊まらせて貰うの?」

「お嬢、それは絶対しないから。全員が泊まれそうな納屋は無いのかな?バラバラになるのは困るんだ」

「そっ、それなら、ヘルドさんの所が良いですよ。あそこが一番大きい農家だし!」

「そう、それならそこを案内してくれるかな?」

「「「それならあたしが!!」」」

「あたしが頼まれたんだからあたしが案内するに決まってるでしょ?!」

「「何言ってんのよ、抜け駆けしないでよね?!」」


 カルラは女達の言い争いに、頭痛がしてきた。
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