出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 カルラが笑顔で言い切れば、女は引き吊りながらも一口だけ食べたが、カルラがもっと沢山食べなよと言えば、明らかに顔色が悪くなるばかりだ。

 そして、それを見た三人も、カルラの言葉が正しかった事を思い知る。


「旅人に毒盛るなんて、良い度胸ね?」

「どっ……毒じゃないわよ!ただ、彼女はちょっと、気分が悪かっただけなんだから!」

「じゃあこれ、食べてくれる?毒じゃないって言い切れるなら、貴女達も勿論食べられる筈よね?」


 カルラの追撃に黙り込む女性達。

 実際、毒では無いのだろう。作った本人は、一口だろうと食べたのだから。

 でも、毒では無かろうと、旅に支障を与える物には違いないのだから、害で有る事には間違いは無い。

 (そこまでして、彼等に残って欲しいと思える程の価値を、彼等は持ってないと思うんだけどなぁ。腕は立つかも知れないけれど、女性トラブルとかの厄介事が舞い込む段階で、マイナスにしかならないし、世間知らずのボンボンだから、一々常識教えなきゃなんないもの。ティファと言う癒しが無ければ、私はとっくに発狂して、能力全開で地べたに伸して、二度と関わらないように、逆順路を無意識に目指すよう、記憶改竄してやるわ)

 カルラの鬼門である美形には、これぐらいしてもバチは当たらないと、カルラの美形に対する認識は、最底辺を彷徨さまよっているのだ。

 過去が過去だし、大好きなヴィート以外は質の悪い者達だったので、仕方の無い事では有るのだが。


「さぁ、食べて。どれに何が入ってるかなんて、あたしは知らないから、持ってきた物は全部、貴女達が責任持って確りと食べて頂戴。あたしは料理をする側だから、食材を無駄にされる事の方にムカつきを感じるわ。これに懲りたら、二度と旅人の差し入れに、異物を混ぜ込まない事ね。それとも、次の街以降で噂を流されたい?旅人に毒を食べさせようとした女達のいる村、なんて噂を流せば、旅人はこの村を避けるでしょうねぇ。多くの旅人が寄らない場所だとしても、旅人の恩恵が有るのと無いのとでは違って来るのよ?ああ、何ならここの村長さんにでも相談しようか?今からここに有る差し入れを全部持って行って、ここの村の女性達に貰った物ですが、害の有る物が混ぜられてたらしく、食べた一人は体調を崩してます。嘘だと思うのなら食べて下さいってね。どうする?貴女達に出来る事は、ここに有る物を全部、証拠隠滅の為に食べるか、村長さんに、思いっ切り怒られるかよ?」


 カルラは自業自得だとばかりに言い切った。
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