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「ちょっと待って。そのままじゃ、折角綺麗な髪が汚れちゃう」
直に座ろうとした美少女を止め、カルラは自分が着ていたゆったりめの上着を脱いで、自分の隣に広げて彼女の髪が汚れないように敷く。
ここは部屋といっても地下にあり、床は剥き出しの土なのだ。
「この上に座って。後、その髪少し弄っても良いかな?下ろしたままだと汚れちゃうから」
美少女は無表情のまま、ただ静かに頷きカルラの上着の上へと座る。
(この子、多分神子気質だ。今まで神子気質の人に会った事ないから断言は出来ないけど、何となくそんな気がする。だけど、そんな子が、どうしてこんな所に?)
神子は普通、外に出ない。建物内で一生を過ごす事も珍しくない程だ。外へ出る時は必ず守護者と呼ばれる護衛が付き纏う筈なのだが。
時折、真眼を持ちながらも気付かれずに一般人として過ごす者もいる。
カルラは真眼ではないものの、それに近い特殊魔力の能力を持っている。だからこそ、少女の神子気質に気付けたのだ。
本来真眼は、同じ神子同士でなければ気付く事すら出来ないものだ。カルラの特殊能力はとんでもなく高く、同じ能力を持つ魔力持ちでもカルラ程の能力者は一人としていない。
(他人の髪を弄るのなんて何年振りだろ)
「せめて荷物があればなぁ……」
カルラの荷物は、ここに連れてこられる時に没収された。大した物は入ってないが、それでも旅には欠かせない物ばかりだ。その中にクシもゴムも入ってる。それがあれば、もう少し綺麗に仕上げれただろうに。
カルラは自分の髪を纏めている幅の広いリボンとゴムを取り、少女の髪を真ん中から分けて左右をきっちり編み上げていく。
手持ちのゴムは一つしかないので、左右に編み上げた髪を下方で一つに纏める。
ただ髪をそのまま下ろしているよりは、編み込んだ分、髪が短くなる。
それに、これなら地面に付いても払いやすい。
「よし、出来た。下ろした状態も可愛いけど、こっちも可愛い」
少女に笑い掛けると、今まで無表情だった少女がにっこりと笑い返してきた。
その笑顔はまさに花。そう思っていると、カルラの外見年齢と同じぐらいの少女が声を荒立ててきた。
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ここは部屋といっても地下にあり、床は剥き出しの土なのだ。
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美少女は無表情のまま、ただ静かに頷きカルラの上着の上へと座る。
(この子、多分神子気質だ。今まで神子気質の人に会った事ないから断言は出来ないけど、何となくそんな気がする。だけど、そんな子が、どうしてこんな所に?)
神子は普通、外に出ない。建物内で一生を過ごす事も珍しくない程だ。外へ出る時は必ず守護者と呼ばれる護衛が付き纏う筈なのだが。
時折、真眼を持ちながらも気付かれずに一般人として過ごす者もいる。
カルラは真眼ではないものの、それに近い特殊魔力の能力を持っている。だからこそ、少女の神子気質に気付けたのだ。
本来真眼は、同じ神子同士でなければ気付く事すら出来ないものだ。カルラの特殊能力はとんでもなく高く、同じ能力を持つ魔力持ちでもカルラ程の能力者は一人としていない。
(他人の髪を弄るのなんて何年振りだろ)
「せめて荷物があればなぁ……」
カルラの荷物は、ここに連れてこられる時に没収された。大した物は入ってないが、それでも旅には欠かせない物ばかりだ。その中にクシもゴムも入ってる。それがあれば、もう少し綺麗に仕上げれただろうに。
カルラは自分の髪を纏めている幅の広いリボンとゴムを取り、少女の髪を真ん中から分けて左右をきっちり編み上げていく。
手持ちのゴムは一つしかないので、左右に編み上げた髪を下方で一つに纏める。
ただ髪をそのまま下ろしているよりは、編み込んだ分、髪が短くなる。
それに、これなら地面に付いても払いやすい。
「よし、出来た。下ろした状態も可愛いけど、こっちも可愛い」
少女に笑い掛けると、今まで無表情だった少女がにっこりと笑い返してきた。
その笑顔はまさに花。そう思っていると、カルラの外見年齢と同じぐらいの少女が声を荒立ててきた。
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