27 / 116
26
しおりを挟む
皮肉にも、囚われていた魔力研究所のカルラ担当者は、カルラの鬼門とする男の美形だった。
カルラは宿屋の娘で、よく家の手伝いをしていたのだが、ヴィート以外の顔の良い男客に、散々な目に合わされまくっていた為、ヴィート以外は信用出来ない、関わりたくないと思っていたのに、よりにもよって魔力研究所まで美形が関わってきたのだから、カルラがとことん美形を嫌うのは仕方ない事なのだ。
「ティファには好意的だから、僕はお嬢と仲良くしたいんだけどな」
「ティファには好意を抱けるけど、あなた達は無理よ。絶対面倒な事になるんだから」
カルラは顔の良い男客に言い寄る女性達にも、散々敵意を向けられ、嫌な思いしかしていない。ティファがその手の女の子なら彼等と再会した時点でカルラを引き止めたりしなかっただろう。しかし、ティファは思いの外カルラになついてきた。
カルラとしては、保護者に引き渡した後、そのまま別れて一人旅を続けるつもりだったのだ。
男の美形の近くにいるつもりはない。必ずと言っていい程、女達のやっかみを受けてしまうからだ。
(何となく、ティファがこの三人の被害を被っていそうな気がするんだけど?とはいえ、私がこのままずっと同行する訳じゃないし、寧ろ、極力他人と関わりたくないのよね。魔力研究所を一つ一つ潰し続けている事を知られたくはないし、邪魔されたくないのよね)
カルラは、囚われていた魔力研究所を莫大なる魔力で破壊し、手に入れたデータベースを使って同施設の数々を一人で潰し続けている最中だ。
仲間なんていないし必要ない。カルラにとっての天敵は魔力無効保持者だが、それは魔力研究所側にとっても天敵だからだ。
研究所側は誰一人思わないだろう。たった一人の能力者の逆鱗により、研究所自体が壊滅状態に追いやられる事を。その一人の能力者が既にあちこちの研究所に侵入し、データ改竄及び証人となる研究員またはモルモットの解放、施設内の魔力汚染等々手の施し様が無い事態を作り出している事を。そして何より、自分達がその能力者を作り出していた事を。
(あいつ等を許す気はない。絶対死んだ方がマシだって目に合わせてやるわ)
事実、カルラは研究員達に、自分達が魔力汚染され、同じ立場の研究員達のモルモットとなり、実験を繰り返され逃亡した、という記憶を脳に植え付け、魔力や機械に触れる度に研究員達に見付かるという強迫観念に囚われるよう記憶改竄をしたのだ。
ただし、カルラが囚われていた場所の研究員達は、それに加えて雌の家畜として飼われてる動物の姿に変え解放したから、人間と気付かれず家畜として捕らえられたか、捕食者もしくは捕食動物に狩られたか、未だに逃げ惑っているかのどれかだろう。
この能力は、元々カルラが使えた能力ではない。それこそ研究所側が作り出した能力だと言っていいものだった。
カルラは宿屋の娘で、よく家の手伝いをしていたのだが、ヴィート以外の顔の良い男客に、散々な目に合わされまくっていた為、ヴィート以外は信用出来ない、関わりたくないと思っていたのに、よりにもよって魔力研究所まで美形が関わってきたのだから、カルラがとことん美形を嫌うのは仕方ない事なのだ。
「ティファには好意的だから、僕はお嬢と仲良くしたいんだけどな」
「ティファには好意を抱けるけど、あなた達は無理よ。絶対面倒な事になるんだから」
カルラは顔の良い男客に言い寄る女性達にも、散々敵意を向けられ、嫌な思いしかしていない。ティファがその手の女の子なら彼等と再会した時点でカルラを引き止めたりしなかっただろう。しかし、ティファは思いの外カルラになついてきた。
カルラとしては、保護者に引き渡した後、そのまま別れて一人旅を続けるつもりだったのだ。
男の美形の近くにいるつもりはない。必ずと言っていい程、女達のやっかみを受けてしまうからだ。
(何となく、ティファがこの三人の被害を被っていそうな気がするんだけど?とはいえ、私がこのままずっと同行する訳じゃないし、寧ろ、極力他人と関わりたくないのよね。魔力研究所を一つ一つ潰し続けている事を知られたくはないし、邪魔されたくないのよね)
カルラは、囚われていた魔力研究所を莫大なる魔力で破壊し、手に入れたデータベースを使って同施設の数々を一人で潰し続けている最中だ。
仲間なんていないし必要ない。カルラにとっての天敵は魔力無効保持者だが、それは魔力研究所側にとっても天敵だからだ。
研究所側は誰一人思わないだろう。たった一人の能力者の逆鱗により、研究所自体が壊滅状態に追いやられる事を。その一人の能力者が既にあちこちの研究所に侵入し、データ改竄及び証人となる研究員またはモルモットの解放、施設内の魔力汚染等々手の施し様が無い事態を作り出している事を。そして何より、自分達がその能力者を作り出していた事を。
(あいつ等を許す気はない。絶対死んだ方がマシだって目に合わせてやるわ)
事実、カルラは研究員達に、自分達が魔力汚染され、同じ立場の研究員達のモルモットとなり、実験を繰り返され逃亡した、という記憶を脳に植え付け、魔力や機械に触れる度に研究員達に見付かるという強迫観念に囚われるよう記憶改竄をしたのだ。
ただし、カルラが囚われていた場所の研究員達は、それに加えて雌の家畜として飼われてる動物の姿に変え解放したから、人間と気付かれず家畜として捕らえられたか、捕食者もしくは捕食動物に狩られたか、未だに逃げ惑っているかのどれかだろう。
この能力は、元々カルラが使えた能力ではない。それこそ研究所側が作り出した能力だと言っていいものだった。
0
あなたにおすすめの小説
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】純白のウェディングドレスは二度赤く染まる
春野オカリナ
恋愛
初夏の日差しが強くなる頃、王都の書店では、ある一冊の本がずらりと並んでいた。
それは、半年前の雪の降る寒い季節に死刑となった一人の囚人の手記を本にまとめたものだった。
囚人の名は『イエニー・フラウ』
彼女は稀代の悪女として知らぬ者のいない程、有名になっていた。
その彼女の手記とあって、本は飛ぶように売れたのだ。
しかし、その内容はとても悪女のものではなかった。
人々は彼女に同情し、彼女が鉄槌を下した夫とその愛人こそが裁きを受けるべきだったと憤りを感じていた。
その手記の内容とは…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる