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第2章~守るために強くなると誓いました~
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しおりを挟むアルバに手伝って貰って――というより聞けばあっさりと必要な資料を揃えて来たアルバの功績によって集められた情報をリヒトが報告する。
「まぁ、アルバが持ってきた日記の通り本物のラヴァンシーの縁者にうちが恨まれる謂れはない。
―――だけど、『ノエル』とラヴァンシーには繋がりがある」
「どういうことだ?」
ぐっと眉間に皺を刻んだのはジオだけではなくノクトもだった。
「ジャン・ノエル・ラヴァンシー。」
「そこから『ノエル』っつー組織名が付けられたってか?」
「……」
「あくまでラヴァンシーは利用されてるに過ぎないだろうけどね。
あと……その為にラヴァンシー狩りがあったみたい。
ちょうど23~4年前。
目的はたぶん、アルバが持ってきたディアナへの愚…じゃなくって細君の日記だと思う。それがラヴァンシーの後継である証だから」
「おいおい、曖昧な言葉な割に随分ハッキリ言うじゃねぇか」
ヒクリと頬を引き攣らせたジオは上座で黙ってリヒトの報告を聞いているノクトを見た。
即座に目をそらす。ヤバイ。これはヤバイ。オーラが!禍々しいオーラが!!
「リヒト、ラヴァンシーの後継の証といったな」
「うん。偽物も随分と出回っている見たいだけどね」
「……そうか。それで矛先がうちにも向くという訳か。」
「あの時は全然わからなかったけど、こういう意味だったんだね。『世代交代』って」
「俺の領域を荒らした上に俺の女にも手を出すなんていい度胸じゃねぇか。
徹底的に叩き潰す」
「「仰せのままに」」
「了解!」
「オイ、誰がテメェを出してやるつった。テメェは留守番だ留守番。
ニナの手伝いしてろ」
「はぁ!?何言ってるの!?私が何のためにココにいると思ってんのよ!!」
「文句は俺の出したノルマを完全にこなせるようになってから言いやがれクソガキ」
「リヒト」
「やだよ。不器用な親子のスキンシップじゃん」
「……じゃあ、俺ももう帰っていいよな?」
相変わらずレベルの低い親子喧嘩を繰り広げるノクトとセイラを放置してリヒトとジオはそれぞれの部屋に帰って行った。
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