幸福論

のどか

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~後日談・番外編~

白昼夢

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モノクロでつまらないこの世界でようやく見つけた光だった。
欲に塗れたどす黒い世界で真っ白な彼女が無邪気に微笑む。
あたりを取り巻く権謀や嫉妬なんて彼女には関係なかった。
はじめて見たその瞬間からずっと光を纏う彼女が欲しかった。
あの笑顔を見る為だけに興味もない夜会に片っ端から参加して、その笑顔の先に居る男を見るたびに憎悪を募らせた。
あんな男より、あんな男なんかより絶対に僕の方が彼女を幸せにできる。
彼女を深く愛せる。彼女を―――――…。



だから僕は考えたんだ。
すごく、人生で初めてじゃないかってくらいに、ぐつぐつ煮詰まって考えて考えて考えたんだ。
そして僕はついに考えついたんだ彼女を手に入れる方法を。
だから、君はもう必要ない。
彼女と僕の世界に“君”の居場所はないんだよ。

「じゃあね。侯爵サマ」

狙いを定めて腹に一発。
この日のためにわざわざ用意した毒薬。
苦しみもがきながら別れを告げるがいい。
この世界と、これから僕のものになる彼女と、永久の別れを。


「さぁ、世代交代のはじまりだ。」


痛みに眉根を寄せてみじろぐ彼女の頬をそっと撫でる。
彼女の過去からもあの男を消す為とはいえ、傷をつけてしまったことに後悔せずにはいられない。
やっぱり攫ってきてから飲ませるべきだっただろうか。
それでも彼女の体に僕がつけた傷が残るのだと思うと悪い気はしない。
彼女が痛がるのは悲しいけど、僕のものだという証になるのなら気分が良い。
愛しい愛しい僕のお姫様。
君はいつ目覚めるのかな?
彼女の為だけに用意した部屋で彼女の為だけに要した寝台で彼女の為に用意したワンピース姿で眠っている僕のお姫様。

「かわいい」

どうしてあの男の隣にいたのかわからないくらいに純粋で可愛い君。

ねぇ、早く目を覚まして。
早く、早く、その穢れのない瞳に僕を映して。
可愛い唇で、鈴のような声で僕に愛を囀って。
でも、そうだな。第一声はやっぱり。

「あの、どちらさまですか?」

紡がれた声には怯えも警戒もなにもない。
ただ純粋な疑問しか含まれていない。

あぁ、なんてすばらしいんだろう!!
これから君は僕の愛だけを受けて生きて行くんだ。僕の妻として。
嘘も貫き通せば真になる、そうだろ?愛しい人。



世代交代=お宝の継承だろ?
(ふふっ、手に入れた!)
(このままゆっくりゆっくりこのどくを廻らせてあげる)
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