【完結】女王陛下、クビだけはご勘弁を 〜「できちゃった。責任とって」って、ソイツはヤリチン王子。できるはずがありません!!〜

アムロナオ

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【03】駆け引き ① ー気になるアイツー

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 シャワーを浴びて口紅をひき、ストッキングを紐で結ぶ。
 肩が出た薄めのジャンパースカートの上から革のコルセットで腰を絞り、胸とくびれを強調する。
 ネックレスを外し、踵が高いハイヒールを履いたら、戦闘開始。

 ダニエルはいつものバーへと繰り出した。
「よぉ、ディー。今日もいつものかい?」
「えぇ、お願い」

 毎日顔を出してれば、顔馴染みにもなる。
 ダニエルは”ディー”という愛称で、店主や村の人々から認識を得つつあった。

「はいよ」
 差し出されたグラスにはサクランボの匂いが漂うブランデー。
「ありがと」

 ダニエルは金貨をカウンターへ置いた。
 酒を口に含むと芳醇な香りが鼻へと抜ける。
 嚥下えんげすれば、喉をカッと熱さが通り抜けていった。

 ーーアイツは来てるかな
 店の奥に視線を彷徨さまよわせ、いた!とダニエルは目を輝かす。

 四人掛けの卓でポーカーしてるアイツ。
 女を侍らせ、ワガママそうな、いかにも遊び人って感じのオトコ。
 飄々ひょうひょうとして、いつも自信満々ね。
 一筋縄ではいかないであろう、手強い相手ターゲット

 でもね、まずね、顔がすごく良い。
 削げた男らしい頬、長い睫毛、彫り深い目元、スッとした鼻筋。
 我の強そうな太い眉、分厚い下唇。
 何もかもが、あたしのどストライク!

 僅かに垂れた目元がゴールデンレトリバーみたいで、可愛い。
 小麦を連想させる髪は肩にかかる長さで、ざっくばらん。
 それなのに不潔感はない。
 逆にワイルドに見える、イケメンフィルターおそろし。

 太い首、広い肩、服の上からでもわかる鍛えられた肉体。
 おまけに焼きたてもパンみたいに、こんがりやけた肌!
 この街の多くの男達と同じく、毎日漁へ出て日焼けしてるんだろうなぁ。
 あぁ!実に美味しそう、食べちゃいたい。

「っ!!」
 店の入り口と店の奥。
 お互い遠くにいるのに、時々視線が合う。

 これって脈あり?
 男は勝負を挑むような、ギラついた目をしてる。
 木の陰から獲物を狙うライオンみたい。

 しかし彼の膝の上に若い娘が腰掛け、ベタベタと男の胸に触れはじめた。
 顔が真っ赤で、酔ってるみたい。
 甘えるように首に腕を回し、しなだれかかる。
 男は娘を退かすでもなく、笑顔でカードをきった。

 ふんだ!なにさ!今夜は相手がいますって?
 女には不自由してませんって!?

 見せつけれた気がして、ダニエルはブランデーの入ったグラスを空にして店を出た。
 自然と口がタコのようにとがる。

 あのオトコが欲しい。
 でも彼の周りで騒ぐバカな女にはなりたくない。
 チヤホヤして抱いてもらうなんて、絶対にいやだ。
 遊びだからこそ、口説かれる高級な女になりたいの。
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