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【58】宮殿参内 ー不幸の始まり……とかー
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それから花風呂に入り、勧められるまま香油マッサージまで堪能した。
単純なダニエルは初めてのマッサージに感動し、ルンルン気分で用意してもらった馬車に乗り込んだ。
「いやぁ、やっぱり一流のホテルサービスはすんばらしいぃね!やぁーん、お肌ツルツル」
自身の肌を撫でては、にやけてしまう。
香油マッサージがあんなに気持ちがいいものだなんて、知らなかった!
最初はダニエルもお金がないからと断ったのだ。
だがサニーがマッサージ代まで支払ってくれたらしい。
物で懐柔されたりしないと思ったのに、施術してくれたオネエちゃん達のゴットハンドに、ダニエルはまんまとハマってしまった。
四肢をマッサージされ、顔には泥パック。
サービスで背中の産毛も剃ってもらい、風呂を上がればボサボサの髪の毛に椿油を塗り込めてくれた。
おかげでいつもじゃじゃ馬なダニエルの頭が、今日はどこぞのお嬢様のようだ。
ピカピカに磨かれるってこういうことなのね!
しかしアリの部屋に着くと、様相が一変した。
「ダニー!もう、この不良娘!!」
出迎えてくれたアリに、開口一番、罵られる。
「今すぐ宮殿に戻るわよ」
アリはダニエルの腕をとり、用意していた馬車に押し込んだ。
「着替えは……」
「そんなの馬車の中で!」
ただならぬ雰囲気に、自然とダニエルの表情も引き締まる。
宮殿で何かあった!?
もしかして、クーデター!?
ダニエルが産まれる前、女王陛下の弟妹殿下がクーデターを起こした。
しかも影で糸をひいていたのが、女王陛下の夫。
三人は処刑され関わった者達も全員断罪されて幕を閉じたが、それ以来、内乱罪は最も重い罪として問答無用で一家全員処刑されることになった。
女王陛下からの公示が出た時は、あまりの罰の厳しさに、ダニエルも眉を顰めたものだ。
いっけん独裁者の横暴にも思えるが、女王陛下は施政者としては慈悲深く寛容な御方。
そんな女王を国民も慕っており、ダニエル世代の子ども達には平和がもたらされていた。
その功績からか、内乱罪に関して不平を言う者はおらず、ダニエルも仕方がない事と認識していた。
「どうしたの?なにかあった?」
馬車の中で着替えをすませ、ダニエルは訊ねる。
「宮殿参内要請がきたのよ!!」
アリは目を輝かせ、興奮気味にダニエルの腕を掴んだ。
宮殿参内とは、職務として宮殿に呼ばれることだ。
職務履歴に残り、良くも悪くもキャリアアップに影響を及ぼす。
「だ、誰から?」
「女王陛下!、さま!!、よっ!!!」
ダニエルは「うそぉぉぉ!」と大声をあげた。
アリが「本当よ!女王陛下から呼ばれたのよ!!」とはしゃぐ。
二人の興奮した黄色い声が車外に響き、通行人達は何事かと振り返る。
しかし嬉しすぎて、それどころじゃなかった。
「あたしが!?な、なんでっ」
「わからないけど!すごいじゃないダニー!!どうやって陛下に気に入ってもらえたのよ、このラッキー者っ」
ダニエルは喜びで顔が熱くなった。
なんで女王陛下に呼び出されたのか、自分でもわからない。
でも憧れの女王陛下に会えるなんて!!
「念のために聞くけど……あんた呼び出されるような軍規違反、職務怠慢はないわね?」
一瞬、ダニエルは不安になる。
思い当たることはないが、これが不幸の始まり……とか、そんなオチないよね!?
「ないと思うけど……」
「ちょっと!はっきりしなさいよ」
「ない!……うん、ない!!」
「それなら良いことで呼ばれたに違いないわね」
ダニエルはこくこくと頷いた。
「誰の推薦だろう?ダニー心当たりある?」
「たぶんクライン執務官だと思う。ハルボーン中佐から紹介してもらってる掃除バイトの時に、たまに顔を会わすの。仕事頑張ってるねって褒めてもらったし……」
「間違いないよ!きっとその人が陛下に口添えしたのよ」
ダニエルはウンウンと頷いた。
掃除のバイトを頑張って本当に良かったぁぁぁ!
宝くじに当たった気分だ。
まさに棚からぼた餅!!!
あれ?ダニエルは違和感に首を捻った。
つい最近も、似たようなことを感じた気がする……。
どこで、だったっけ?
単純なダニエルは初めてのマッサージに感動し、ルンルン気分で用意してもらった馬車に乗り込んだ。
「いやぁ、やっぱり一流のホテルサービスはすんばらしいぃね!やぁーん、お肌ツルツル」
自身の肌を撫でては、にやけてしまう。
香油マッサージがあんなに気持ちがいいものだなんて、知らなかった!
最初はダニエルもお金がないからと断ったのだ。
だがサニーがマッサージ代まで支払ってくれたらしい。
物で懐柔されたりしないと思ったのに、施術してくれたオネエちゃん達のゴットハンドに、ダニエルはまんまとハマってしまった。
四肢をマッサージされ、顔には泥パック。
サービスで背中の産毛も剃ってもらい、風呂を上がればボサボサの髪の毛に椿油を塗り込めてくれた。
おかげでいつもじゃじゃ馬なダニエルの頭が、今日はどこぞのお嬢様のようだ。
ピカピカに磨かれるってこういうことなのね!
しかしアリの部屋に着くと、様相が一変した。
「ダニー!もう、この不良娘!!」
出迎えてくれたアリに、開口一番、罵られる。
「今すぐ宮殿に戻るわよ」
アリはダニエルの腕をとり、用意していた馬車に押し込んだ。
「着替えは……」
「そんなの馬車の中で!」
ただならぬ雰囲気に、自然とダニエルの表情も引き締まる。
宮殿で何かあった!?
もしかして、クーデター!?
ダニエルが産まれる前、女王陛下の弟妹殿下がクーデターを起こした。
しかも影で糸をひいていたのが、女王陛下の夫。
三人は処刑され関わった者達も全員断罪されて幕を閉じたが、それ以来、内乱罪は最も重い罪として問答無用で一家全員処刑されることになった。
女王陛下からの公示が出た時は、あまりの罰の厳しさに、ダニエルも眉を顰めたものだ。
いっけん独裁者の横暴にも思えるが、女王陛下は施政者としては慈悲深く寛容な御方。
そんな女王を国民も慕っており、ダニエル世代の子ども達には平和がもたらされていた。
その功績からか、内乱罪に関して不平を言う者はおらず、ダニエルも仕方がない事と認識していた。
「どうしたの?なにかあった?」
馬車の中で着替えをすませ、ダニエルは訊ねる。
「宮殿参内要請がきたのよ!!」
アリは目を輝かせ、興奮気味にダニエルの腕を掴んだ。
宮殿参内とは、職務として宮殿に呼ばれることだ。
職務履歴に残り、良くも悪くもキャリアアップに影響を及ぼす。
「だ、誰から?」
「女王陛下!、さま!!、よっ!!!」
ダニエルは「うそぉぉぉ!」と大声をあげた。
アリが「本当よ!女王陛下から呼ばれたのよ!!」とはしゃぐ。
二人の興奮した黄色い声が車外に響き、通行人達は何事かと振り返る。
しかし嬉しすぎて、それどころじゃなかった。
「あたしが!?な、なんでっ」
「わからないけど!すごいじゃないダニー!!どうやって陛下に気に入ってもらえたのよ、このラッキー者っ」
ダニエルは喜びで顔が熱くなった。
なんで女王陛下に呼び出されたのか、自分でもわからない。
でも憧れの女王陛下に会えるなんて!!
「念のために聞くけど……あんた呼び出されるような軍規違反、職務怠慢はないわね?」
一瞬、ダニエルは不安になる。
思い当たることはないが、これが不幸の始まり……とか、そんなオチないよね!?
「ないと思うけど……」
「ちょっと!はっきりしなさいよ」
「ない!……うん、ない!!」
「それなら良いことで呼ばれたに違いないわね」
ダニエルはこくこくと頷いた。
「誰の推薦だろう?ダニー心当たりある?」
「たぶんクライン執務官だと思う。ハルボーン中佐から紹介してもらってる掃除バイトの時に、たまに顔を会わすの。仕事頑張ってるねって褒めてもらったし……」
「間違いないよ!きっとその人が陛下に口添えしたのよ」
ダニエルはウンウンと頷いた。
掃除のバイトを頑張って本当に良かったぁぁぁ!
宝くじに当たった気分だ。
まさに棚からぼた餅!!!
あれ?ダニエルは違和感に首を捻った。
つい最近も、似たようなことを感じた気がする……。
どこで、だったっけ?
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