女王陛下、誤解です〜ヤリチン王子が一穴主義になったのはアタシのせいじゃありません!!〜

アムロナオ

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【115】夜這い③ 〜特権と歓び〜

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サニーの様子を伺うと、彼は表面上笑顔のままだが、瞳は欲望にたぎっており、キマッているとうか、狂気に突き動かされているというか……かなり切羽詰まっているように見える。

怒っているわけじゃなさそう、ダニエルはホッと安堵した。


思い返せば、サニーと最後にエッチしたのは二ヶ月くらい前。

サニーが一穴主義を守っているなら、二ヶ月もセックスしてない事になる。


とすると今のサニーは発情した獣、いや、性獣なわけで……そんなサニーに求められたら、ダニエルも我慢できずに乱れまくってしまうかも。

初めてセックスした時も大変だったと、ダニエルは遠い目になる。

一晩中されて性器は擦り過ぎて腫れるわ、身体中筋肉痛になるわ、疲労で熱が出るわで、「しばらく男はいらない」と公言するほど充分にヤリ溜めしたのは、記憶にまだ新しい。


それにふと冷静になってみると、此処でエッチするのは非ッ常にマズイ事に気づく。

隣の部屋は普段使用人達が待機してる部屋で夜は無人だが、廊下を挟んだダニエルの自室には父と付き添いのベラ・ウェインがいる。


可能性は低いが、万が一この場を見られたら……ミニッツ・アグロン伯爵として潜入しているのに、初対面の二人が親しげに愛称を呼んでエッチしてたら関係を怪しまれるだろう。

ただでさえ急に帰省したダニエルを不審がっているのに、潜入捜査が危うくなるのでは。



「ダメ」

「無理だヨ。もう我慢できない」

サニーが苦しそうに胸を掻き毟る。


「でもこの階には父上とベラがいるのよ。声が聞こえたら……」

「ん、だからお嬢様が頑張って。声出しちゃだめダヨ」

ニヤリと笑うサニーはアグロン伯爵というより、すっかり何時もの彼だ。


「ここじゃ狭いから、ちょっと失礼」

サニーはダニエルとマットレスをベンチから降ろし、火鉢を引き寄せいそいそと準備ベッドメイキングを始める。

部屋を変えたほうが早いのだが、仕方ないと諦める。


この数ヶ月の禁欲はサニーにとって耐え難き苦痛の日々だったのかもしれない。

一週間前にボロンゴ領に迎えに来てくれた時、生理中でセックスできなかったけど、本当はあの頃から限界だったのかも。


サニーはその大きな身体と心で余裕綽々よゆうしゃくしゃくとダニエルの我儘や過去を全部受け止めてしまう。

弱い姿は見せないし、いつだってカッコつけたがる。

だから彼が我慢の限界を迎えてる事に気づけなかった。

サニーの欲望を受け止めるのはダニエルの特権で、彼を甘やかすはダニエルだけの歓びなのだ。
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