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推定勇者

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第十二高官国、聖女達は面倒な立場になっていた。



 偶数国の王族や貴族たちがかられまくり、自身もダークエルフに襲われる。



 加えて、首謀者であるノルン=オルガーノは姿をくらましていた。



「はあ~…最近出来たジカイ?自由解放協会だっけ?ロコック様には正直憧れるけど…」



 もぬけの殻になった王宮の王座に座って、虚空を眺めている。



「そうですねマリア様、ジカイはこちら側とは言えないでしょうね」



 アルマは、聖女の横に立ち、その眼前に広がる惨劇の後を眺めていた。



「ノルン=オルガーノ、正直面倒過ぎる。ダークエルフって、まあまあ強いじゃない?」



「まあまあ強いって言えるってことは、マリア様の方が、かなりお強いってことですよ?」



「そうだけど~、洗脳系が効かない奴ばっかなの面倒すぎる~」



 真顔のまま、なぜか甘えた声で不満を漏らした。



「ですがマリア様、良いこともあります。」



「ナニ?」



「はい、もう映像で見ちゃいましょう。」



「どういうこと?」



「記録水晶で各国の王子を見て、そこに行っちゃいましょう。」



「それ出来るなら、最初からしたかったんだけど?」



「形式に逆らう理由が無いうちは、形式が優先ですので…」



 アルマの取り出した記録水晶の映像が、宙に映し出され、テンポよくパッパッパッっと、次々に各国の候補者が映し出される。



「あっ!今の人ッッ!ちょっと戻して!」



 やはりこの人でしたか…この方は、メテオスターの適正者、ロコック様の発見者でもある…しかし…



「私は最初から、この方が勇者だと思っていましたが、もし神の加護を超える存在がいた場合、それが他の国の王族出身だと、いさかいのもとになるのです。」



 映像を、その王子のところに戻した。



「聖女マリア様…ん?」



 メチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいいメチャいい…



「マリア~…」



 なにこのイケメン、私の理想を超えてるんですけど?上の口どころか下の口からもよだれが垂れよるわい!!



「お~い、こっちの世界に帰ってらっしゃ~い……ダメだな」



 一旦諦めることにした。







 その頃オークたんは、撮影中に転げまわっていた。



「ぎゃぁぁぁああ!!チンコ落ちたぁぁぁぁぁぁあ!!!!」



 ヨトタのハイラインで、残人刀が変化した女と撮影していたのだが…



「どうやら、歯が刃の切れ味のようじゃのう、ハッハッハッww」



 ちょっと歯が当たったら、伝説の切れ味でチンコが落ちてしまった。



 口が血まみれの残人刀が笑いながら転がるオークたんを見ている。



「暴れるなです!クーオ様!回復魔法でチンコ引っ付けるから仰向けになるです!!」



「うぅぅう~痛いよ~う」



 クロエは汚物をつまむ感覚で、皮手袋越しにチンコをつまみ拾っている。



「キモイです~、コレ単体で落ちてると、異様に気持ち悪いですぅぅぅう…」



 嫌悪と吐き気の合わさった表情で、転がるオークたんに歩み寄る。



「フル勃起してないチンコはダメなナマコですぅぅ…」



 そしてチンコはなんとか付いた。
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