転生したらオークたん♪だった件

役目は勇者ではない。

　その日、第三高官国の南に広がる、エロール王国へとつながる大平原に、魔王城が出現した。



　その理由はいくつかあるが、一番の理由は、勇者が確定したのである。



　世界は魔力が周期的に不安定になり、それに伴うように、魔王城の出現場所辺りから歪が生じ、魔物が沸いてくる。それを終わらせ、世界の魔力を安定させるには、復活した魔王を倒す必要がある。聖女が出現し、勇者を見つけ出し、神器の適正者が揃い、魔王に対をなす勢力が揃うと、それが引き金になって魔王も城と共に復活する。かと言って、歪をそのままにすれば、無限に魔物はわき続け、次第に手に負えなくなり、魔力バランスの崩壊と供に、世界は魔界とかしてしまう。



　しかし世界にはいびつが現実がある。



　勇者が活躍しなくとも、神器の適正者がいれば魔王を退けることが出来るのである。



　勇者や聖女の一番の役目とは、神器の適正者を発見する事であり、それを成し得れば、世界は安定して助かるの仕組みになっていた。



　もちろん勇者と聖女がいれば魔王を倒すことはできる。しかし、被害を極限まで減らすには、勇者と聖女よりも、神器の適正者の方が上なのである。



　それでも勇者や聖女が持てはやされるのには、それなりの理由があるのだが、とりあえずは、魔王城復活の経緯をお話ししよう。聖女付きのメイド、アルマ＝ツゲーネが…



　先日、勇者と推定される王族が特定され、聖女マリア様と引き合わされた。その名はアルケ＝ツヴァイ、第三高官国の王子、十三の国の中で、エロール人の解放に、最も尽力した人間の一人だった。



　本人を見たマリア様は、完全に放心状態で、流されるままに、ツヴァイ王子とベッドイン、ロストヴァージンとなった。



　問題となったのは、ツヴァイ王子は童貞ではなく、相手となったエロール人は、第五高官国に売られ、そこから更に売られて、何処に行ったのか知れなくなっていた。



　第三高官国は、魔王城に続く平原の入り口でもあるが、その向こう側にある、エロール王国にも続いていたため、亜人の産地としても有名な国で、十三の国に流通するエロール人奴隷は、国内繁殖以外は、全てこの国から売り出されていた。無論、非合法なものも多く、ツヴァイ王子が童貞を捧げたエロール人も、非合法な売買の中で、その流れが分らなくなってしまった…のではあるが、条件がそろってしまった。



　魔王城周辺の空間は歪みはひどく、勇者・聖女・神器の適正者に、それぞれが出会ってしまった。



　結果、聖女はロストバージンの朝に、その怒りを魔王城にぶつけることになった。



　魔王城復活の知らせは、すぐにロコックの耳にも入った。



「是非も無しか…」



　今回は、聖女・勇者・メテオスターで対処しなくてはならない。



　勇者が黎明の書の適正者と先に関係を持った場合、本来ならば、黎明の書の適正者と勇者がコンビとなり戦うが、今回は、その黎明の書の適正者が消息不明…魔王城が復活したとは言え、死亡の可能性も十分にあることから、苦戦が想定されている。



「しかし、残人刀の適正者も行方をくらますし…実質、私一人のようなものだ…」



　ロコックは憂い、空の小瓶を眺めている。







　オークたん達は、第一高官国を脱出し、第五高官国を目指していた。



　クロエルに運転を任せ、ヨトタのハイラインの中で、人型に変身した残人刀と、オークたんで撮影をしながら、最善の撮影プランを練っていた。



「あのさ～、もっと普通に感じることできないです？」



　着物の前をはだけ、オークたんのチンコが入っているが、まったく汁や汗はもちろん、まったく濡れていなかった。



「う～ん、そうじゃのう、そもそも物に気持ちイイとかないじゃろ？」



　ローションも使っていたが、オークたんもなんだか釈然としないようす。



「クロエ、媚薬とかでも全然濡れないんだけど？」



「当たり前じゃろ、媚薬が聞く刀があるか？」



　オークたんが一旦引き抜くと、精液がぼたぼたと溢れている。



「あの汁な～んだ（汁系アイテム生成スキル）…ダメだな…愛液が含まれないから、強壮剤にしかならない…」



　オークたんの目には、その汁から何のアイテムが作れるか表示されている。



「濡れないのは案外困りものです。」



　そう、道具であるオナホは濡れない、クロエとオークたんは腕を組んで悩み込んでしまった。



「次回までにいい案を考えて置くです。」



　一旦置いておくことにした。