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狂夜御剣はいつでも初体験

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 サキュバス部屋では、オークたんによる容赦のないファーストプレーが行われていた。



「うっわ…あれ大丈夫なの?」



 アルマのドン引きは正常な反応と言える。座位でのけ反るサキュバスのヘソの下あたりが、かなり盛り上がっている。



「大丈夫よ、サキュバスは相手の快感を引き出すために、かなり無茶なプレーが出来るように出来てるの…でも、アレは……」



 周りで見ているサキュバスの一人、その表情は、初めて見たものに、のめり込むような、不思議な面持ちであった、そうなったのは、オークたんが、最初にこう宣言したからだった。



「いいか!オレは今からこのサキュバスに、全力で性技スキルを使う!その威力!シッカリと目に焼き付けろ!!」



「大体オスって、威勢の良いやつほどショボいのよね~~、こっちがイくよりも先に、へばるんじゃないの~?」



 一番手を買って出たサキュバスは、気づいていなかった。自分の発言が、これからヤラれる雑魚そのものであることに……そして…



「なにこれ!ッッッッ!スッゴいキテるのにッッッ…全然イケない!!」



「これは俺が持つ中でも最も危険なスキル『絶頂不可』!貴様は決してイクことはできない!」



 鬼ピストンが始まると同時に、サキュバスが今までにない声を放つ。



「アァぁア゛アァッアッアゥウッウッゥッウッヴヴッヴッヴッヴッグッヴッヴッヴッヴッッッ……」



「さあ…懇願せよ、イカせてくださいと!」



 強気に言ったものの、オークたんは自分にも絶頂不可を使っていた。なぜなら、先ほどのサキュバスの発言が、引っかかっていたからである。



「ぅ゛ヴヴゥゥ゛…だっ誰が懇願するッッか…」



 え?すぐすると思ってたのに?イッちゃうよ?イッちゃうよ?俺が先にイッちゃうよ?



 マリアは戸惑う御剣に、とりあえず覗いて見ない?っと提案し、扉を開いた。



 そこには、イカせてくださいと懇願するサキュバスが、オークたんの射精でオナペットボトルロケットになっているのが目に入り、この前の自分を思い出し、そっと…そっと無言に扉を閉めると、御剣の方を振り返り、見なかったことにした。



「この先の回廊に、隠し部屋があるからそこにいこ♪」



 それはそれは満面の笑みだった。



 回廊に入ってすぐの所にある隠し部屋に、御剣と二人っきりになった。



「しよっか♪」



 マリアに操られるかのように、ベッドの上で裸にむかれる御剣、緊張のあまり勃起しないというアクシデントが発生するが、マリアには性技スキルがある。勃起制御・感度上昇・サイズ制御・絶対絶倫、サキュバスすら凌駕するえげつない能力のオンパレードの前に、童貞になす術など無かった。



「さあ、私にしっかりと顔を見せて…」



 仰向けに寝る御剣にまたがり、先端をあてがう、熱く脈打つそれを、幾度か入り口に擦り当てる、それだけでもうイッてしまいそうなところに、ゆっくりと腰を沈めていく、その一連の動きに対する御剣の表情の変化を、マリアは何よりも楽しんでいた。



「ッッう、、、」



 入れると同時に、一度目の絶頂を迎えた。



「御剣、私がいくまでは何度でも頑張ってよね♪」



 御剣の童貞喪失の瞬間を楽しんだマリアは、自分が楽しむために腰を振り始めた。また一度射精したことにより、御剣の心理的タガが低くなり、勃起制御無しでもガッチガチに固くなっていた。



 そして三回ほどしたあたりで、マリアも絶頂を迎えた。



 問題は、ピロートークにあった。



「マリア…俺の向こうの名前は御剣剣也みつるぎけんや、それがこっちでは、御剣以上名乗れないばかりか、狂夜爆誕で狂夜御剣になっちまった。」



 マリアは、御剣の右の大胸筋を枕にしている。



「だからマリアだけには、剣也って呼んで欲しい。」



 いま御剣の中を、謎の自信が渦巻いていた。そして、マリアは自分のもので一生一緒という、謎の独占欲が沸き起こっていた。



「剣也くん、それとも剣也?」



 御剣は左手で目を覆った。



 どっちもいいいぃぃぃぃい!!どっちかなんて選べなぁぁぁぁぃい!!



「あっ・・・そうだ、マリアの向こうでの名前…聞いていいかな?」



「う~ん…名前…」



 オークたんがいれば、御剣が聞いてしまう前に、止めたのだろうけどココにはいない。



「私って、多分名前が無いんだよね」



 前世では虐待されて育ったマリアは、名前も戸籍もなく、『おい』とか『おまえ』とか呼ばれていた。母と母の男を殺した後、警察の手を逃れ家を飛び出し、色々あって拾われた男の斡旋で、ウリを始めることになったマリアは、「あっこの娘は、今日から始めたばっかりの~…今日子ちゃん!」っと言う感じで、呼び名は、源氏名の『今日子』しかなかった。



「うっうっ…うん」



 童貞を喪失したばかりの男には、引くほどに重かった。
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