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世界はロコックの手の中に

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「タン様ってそういうタイプでしたっけ?」



「絶対に違うです。」



「いいえ、タン様は世界を征服するに相応しいと思います。」



 笑顔で答えるノルン=オルガーノの意見に、困惑のクロエル・否定のクロエだったが、♂エルフには、腑に落ちるところがあった。



「俺も、それだけの力はあると思う。クロエル様やオルガーノ様に魔力を供給するだけでなく、我々100を超えるダークエルフを、何の問題もなく抱えることのできる。魔王並みの途方もない力だ」



「です~…」



 首をかしげるクロエの横で、自身のエルフ人生を振り返り、確かにスゴイ力が沸いていることを思い出した。



「どちらにしろ、タン様がいないことには、どうにもならないな…」



 アルケ=ツヴァイまで、タン様と言い出したことに、異常事態だと感じたが・・・



 話合いの結果として、ノルン=オルガーノに魔王城の入り口まで行かせて、ロコックの元に帰る前に、今後どうするかの話合いをさせることにした。そしてオークたんへの忠誠の証として、ノルン=オルガーノ付きのダークエルフ100名を、クロエルに譲渡することを誓い飛び去った。



「問題はこれからです…」



 ノルン=オルガーノが飛び去った後、指定された貴族の家にいくと、残りのダークエルフ達が待っていた。



「これ…全部私が上書きするの?」



「仕方ないです。ノルン=オルガーノ話では、上書きは直接の眷属じゃないと無理だって」



「うぉぉぉぉおお・・・マンコもたねってぇぇぇの!!」



 クロエルの絶叫の横で、呆然とダークエルフ達の集団を見ながら、回復魔法を光らせていた。



「仕方ないです~…サポートするです~」



 撮影もするです~



 この上書きの撮影がキッカケとなり、後にドSのクロエル・ドМのアナ=リヤーナと呼ばれるようになり、国を二分することになる。









 魔王城の前、戦いを済ませて出てくるオークたん一行は、何事もないように佇むノルン=オルガーノに出くわした。



「あら?残念だけど、魔王は倒させて貰ったわ、それとも、私と決着でもつけたいの?」



 マリアが圧をかけていたが、オークたんは別の事を考えていた。



 ん~、なんか見たことあるな~…



「魔王?そんな些末な存在など、どうでも良いのです。私が世界を捧げるべきと思うのは、そこのタン=クーオ様のみです。」



 マリアは、こっちの世界の色々な知識を思い出し、ある結論に至った。



「このオークに堕落されたの?」



 視線がオークたんに集まる。



「エエェェぇぇぇぇぇッッッ!!!!」



 おっおっおっ、オラ知らねぇオラ知らねぇだ~~。



 それはそうだろう、オークたん自身は、そんなことになっているとは、実際に知らないのだから。



「う~ん、私大分変わりました?」



 変わりましたの言葉に、この世界で出会った女を振り返ると…



「ひょっとして、タイエ村の人妻?」



「そうで御座います。」



「どうやってサキュバス?になったのかな~」



「はい!」



 ノルン=オルガーノは、ここまでの経緯を説明した。



「おいクソオーク、これゲキヤバじゃんよ」



 うわ~どうしよう。



「これはタンさん、同郷の身ではあるけど、フォローのしようが……」



 あっこれは…



「おい御剣、俺をシュワシュワさせるな、発音が炭酸になってんだよ」



 うわ~どうしよう。



「それでは世界征服と言うこ・と・で♪」



 ないわ~、それはないわ~



 偶数高官国で王族や貴族たちを殺しまくったサキュバス、ノルン=オルガーノは俺がキッカケで堕落した元人間の人妻、多分覚醒後すぐに行動したか、すれ違ってたまたまあってなかったのか?どのみち、同郷の御剣とマリアは、なんとかなりそうだし、クロエとクロエルも大丈夫だろう、しかしロコックはマズイ…



「っで?どうするの?」



 どうするもこうするも、一回集まってどうなるか見てみるしかない気がする。



「オルガーノ、クロエ達に、明日の朝、ロコックのもとに帰るように指示してくれ。」



 オークたんはそう言いながらも、ノルン=オルガーノに近づくと、胸を丸出しにして持ち上げ、ほぼ下着のような服の股部分を、ズラしてブチ込んだ。



「アッ!!いきなり深い!!」



 もちろんサキュバスである以上、個人的にも、望んでいた行為である。



「死んじゃうかもだから、俺の妖刀黒塗も唸らせておかないとな……」



「なッにが!妖刀黒塗よ!いんちき如意棒関の山でしょ!!」



 聖なるナイフが光って唸った。
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