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「豊田さん!おはよお!!」
私が教室に一歩入るなり、教室の中央から声が響いた。
目線を向けると昨日の男が、今日は朝日に照らされていた。
似合わないーー。
一瞬そう思った。
あなたは秋でしょう。
そうも思った。
私は一人首を傾げながら、スルーした。
「え!?ちょ、豊田さん…」
「やめろって!」
隣にいた男子が男の口に手を当てる。
そして何やらコソコソと私を見ながら話していた。
あぁ、手間を省いてくれてありがとう。
私は冷たい目線を切りながら、自席に着いた。
といっても、隣には男がいるのだが。
「んもう!やめろってば!豊田さん、おはよお」
友達の腕を振りほどいて、めげずに私に話しかける男。
何がそんなに…あぁ、所詮顔か。
それにしても、彼は私の噂を知らないのだろうか。
「おはよお!」
しつこいな。
関わらないのが一番なの。
あなたにとっても、私にとっても。
「豊田さーん」
私の机に手を乗っけて、顔を近づけてくる。
きもい。
「おは」
「…しつこいなぁ」
「あ、やっと喋った」
私はしまったと、顔を背けた。
「ねぇねぇー」
「席につけ~!!」
ちょうど、先生が教室に入ってきた。
ナイス。
彼はふてくされたように、頬を膨らませると大人しく自分の席に座った。
…にしても、
さっきから私ばっか見つめやがって。
それも私は完全スルー。
…
朝だけかと思いきや、休み時間に入るたびに彼は私に話しかけてくる。
話す人、いるくせに。
私は完全スルーだけど。
6時間目に差し掛かった時、耐えきれなくなって彼を睨みつけた。
「もう、いい加減しつこ…」
「しー」
彼は妖しく微笑むと、私の唇に人差し指をつけた。
私はその手を跳ね除けて、体を一瞬椅子から離した。
「だから何って…」
コンコン。
彼が自分のノートの端を小突いた。
彼がボサボサの髪の毛の奥で微笑んだ。
私は彼を睨みつけながら、ノートの端に視線をズラした。
そこには女の子?の絵が描かれていた。
私がその絵を睨みつけていると、彼が困ったように下手くそな字を付け足し始めた。
(とよださん)
その女の子らしき絵は私らしい。
私は馬鹿馬鹿しく思って、そっぽを向いた。
下手くそかって。
そこからは授業に集中するようになったのか、
私の方は見てこなかった。
助かった。
放課後、授業が終わり教室からは人がだんだんといなくなっていく。
そして、この前の様に夕日が教室を包み始めた。
やだ、なんか。
教室には相変わらず、私と彼の二人が残った。
「ねぇ、豊田さん」
急いで帰る準備をする私に声を掛けてくる彼。
「なに」
「あ、返してくれた。ねぇねぇ」
「だから、何って」
「そんなに俺のこと嫌い?」
私はカバンを握り締めて、彼に向き直った。
「っ、嫌い、とかそういう問題じゃなくて」
「…じゃなくて?」
「だから」
嘘つきーー。
期待して損したーー。
その言葉が私の脳裏をよぎった。
黙り込んだ私を見つめて、おもむろに私に近づく男。
「やめてっ!近づくな!男…」
「俺、男って名前じゃないよ」
「名前なんてどうでもいい!私に構うな!関わるな!」
「だから!どうしてって!」
「私といたら」
「おーい、そろそろ帰れよ~」
巡回していた先生が教室に顔を出した。
「あ…すいません」
私は頭を下げて、カバンを持ち直した。
「なんだ、豊田か。珍しいな…東崎か?お前、あとで職員室よれよー。渡すもんあるから」
「あ、はい」
先生が教室を出て行く。
私は言葉を失い、ただ東崎という男を見た。
「…帰らないの?」
心なしか元気がなさそうに俯いた東崎。
「ううん、帰る」
私はその姿を見なかったことにした。
見ない方が都合いいでしょ。
私が教室に一歩入るなり、教室の中央から声が響いた。
目線を向けると昨日の男が、今日は朝日に照らされていた。
似合わないーー。
一瞬そう思った。
あなたは秋でしょう。
そうも思った。
私は一人首を傾げながら、スルーした。
「え!?ちょ、豊田さん…」
「やめろって!」
隣にいた男子が男の口に手を当てる。
そして何やらコソコソと私を見ながら話していた。
あぁ、手間を省いてくれてありがとう。
私は冷たい目線を切りながら、自席に着いた。
といっても、隣には男がいるのだが。
「んもう!やめろってば!豊田さん、おはよお」
友達の腕を振りほどいて、めげずに私に話しかける男。
何がそんなに…あぁ、所詮顔か。
それにしても、彼は私の噂を知らないのだろうか。
「おはよお!」
しつこいな。
関わらないのが一番なの。
あなたにとっても、私にとっても。
「豊田さーん」
私の机に手を乗っけて、顔を近づけてくる。
きもい。
「おは」
「…しつこいなぁ」
「あ、やっと喋った」
私はしまったと、顔を背けた。
「ねぇねぇー」
「席につけ~!!」
ちょうど、先生が教室に入ってきた。
ナイス。
彼はふてくされたように、頬を膨らませると大人しく自分の席に座った。
…にしても、
さっきから私ばっか見つめやがって。
それも私は完全スルー。
…
朝だけかと思いきや、休み時間に入るたびに彼は私に話しかけてくる。
話す人、いるくせに。
私は完全スルーだけど。
6時間目に差し掛かった時、耐えきれなくなって彼を睨みつけた。
「もう、いい加減しつこ…」
「しー」
彼は妖しく微笑むと、私の唇に人差し指をつけた。
私はその手を跳ね除けて、体を一瞬椅子から離した。
「だから何って…」
コンコン。
彼が自分のノートの端を小突いた。
彼がボサボサの髪の毛の奥で微笑んだ。
私は彼を睨みつけながら、ノートの端に視線をズラした。
そこには女の子?の絵が描かれていた。
私がその絵を睨みつけていると、彼が困ったように下手くそな字を付け足し始めた。
(とよださん)
その女の子らしき絵は私らしい。
私は馬鹿馬鹿しく思って、そっぽを向いた。
下手くそかって。
そこからは授業に集中するようになったのか、
私の方は見てこなかった。
助かった。
放課後、授業が終わり教室からは人がだんだんといなくなっていく。
そして、この前の様に夕日が教室を包み始めた。
やだ、なんか。
教室には相変わらず、私と彼の二人が残った。
「ねぇ、豊田さん」
急いで帰る準備をする私に声を掛けてくる彼。
「なに」
「あ、返してくれた。ねぇねぇ」
「だから、何って」
「そんなに俺のこと嫌い?」
私はカバンを握り締めて、彼に向き直った。
「っ、嫌い、とかそういう問題じゃなくて」
「…じゃなくて?」
「だから」
嘘つきーー。
期待して損したーー。
その言葉が私の脳裏をよぎった。
黙り込んだ私を見つめて、おもむろに私に近づく男。
「やめてっ!近づくな!男…」
「俺、男って名前じゃないよ」
「名前なんてどうでもいい!私に構うな!関わるな!」
「だから!どうしてって!」
「私といたら」
「おーい、そろそろ帰れよ~」
巡回していた先生が教室に顔を出した。
「あ…すいません」
私は頭を下げて、カバンを持ち直した。
「なんだ、豊田か。珍しいな…東崎か?お前、あとで職員室よれよー。渡すもんあるから」
「あ、はい」
先生が教室を出て行く。
私は言葉を失い、ただ東崎という男を見た。
「…帰らないの?」
心なしか元気がなさそうに俯いた東崎。
「ううん、帰る」
私はその姿を見なかったことにした。
見ない方が都合いいでしょ。
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