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6th
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おはようーーーおはよう。
ばいばいーーーじゃあね。
遊ぼうよーーーいいね。
おやすみーーーおやすみ。
楽しかったねーーーまた遊ぼう。
そんなやりとりに憧れていた。
こんな感情、隠してきたはずなのに。
私はどうしたらいいんだろう。
変わりたいーーー。
そう思っていた。
朝。
いつもよりも早く着いた教室には数人の人達がいた。
挨拶、しなきゃ。
「っ、おは、」
一人の女の子が私を見た。
「おはよう!」
私はこれでもかってぐらいの大声でおはようを叫んだ。
女の子は呆気にとられたように、口を開けていた。
教室にいた何人かも私を見る。
あぁ、やってしまった。
女の子はパッと目をそらすと、準備に戻ってしまった。
私は落胆しつつ、自席に着いた。
「はぁ…」
「豊田さん」
「えっ」
顔を上げると、そこにはさっきの女の子がいた。
「おはよう、豊田さんって声、綺麗なんだね」
「っえ、そんな…こと」
私に興味を持ち始めたのか、数人の人たちもそれとなく私の周りに集まってきた。
「私、ずっと豊田さんと話してみたかったんだけど、豊田さん、話さない人だとおもってたから」
「そのえっと…話すのとか、苦手で…」
「私、緒方 夏子!よろしくね」
「っ…」
「あの、俺も…いい?」
近くにいた男が手を軽くあげた。
「俺もずっと、話してみたいと思ってて…湯浅 浩介です!」
そして、次々と自己紹介をしてくる周りの人達。
おはようって言えただけで、こんなにも変わるものなのかな。
どうやら私は夏子ちゃんと気があうみたいで、ずっと喋り続けた。
教室のドアが開き、知らない人が立っていた。
いや、違う。
東崎だ。
「おはよう!!」
「おはよう」
私は微笑んで、彼に手を振る。
クラスの注目の的になったのは私と彼だった。
「うっそ、あれ東崎ー!?」
「え、結構可愛い顔してんじゃん」
そんな声が響いた。
「豊田さん…!?」
「東崎くん」
「え、なんでそんなに」
彼がなにかを言いかけたところで、チャイムがなった。
あの日から何ヶ月たっただろう。
私には友達ができた。
そして、親友も。
噂の件については、一軍グループが流したと判明。
私の周りの友達は、そんな噂なんて気にしなかった。
東崎は、服装に気をつけるようになり友達もできたようだ。
そうなってくると、お互い、話す人ができた。
だから、いつの間にやら話さなくなっていた。
ーー放課後。
私が下駄箱に行くと、東崎の姿があった。
「あれ…東崎くん?ばいばい」
「豊田さん、一緒に帰ろ?」
私は呆気にとられて、頷いていた。
…
「そんでさ、そんでさ、そのボールキャッチしたとこで転んで」
「いや、もったいないよ!!」
私は笑いながら、東崎の話を聞いていた。
彼はバスケ部に入り、私はバレー部に入った。
高校二年生から入るものだから、なかなか場の雰囲気にはなれなかったけれど、お互い楽しくやっているみたい。
「あ、そういえばさ、大分前だけど、東崎くんが私を見て、何でそんなに…って言ったよね。あの続き、なんだったの?」
「すごい前だね。えっとねーー忘れちゃったよー」
「えーー、嘘だー。顔がにやけてる!」
「そっちこそ」
フワッと香った。
秋の匂い。
「あ、いま秋の匂いがした」
「俺も思った」
季節は秋。
夕日が照らす中、東崎は私の髪に手を伸ばした。
そして、少しだけすくって
「何でそんなに」
「えっ」
「綺麗なの」
ー完ー
ばいばいーーーじゃあね。
遊ぼうよーーーいいね。
おやすみーーーおやすみ。
楽しかったねーーーまた遊ぼう。
そんなやりとりに憧れていた。
こんな感情、隠してきたはずなのに。
私はどうしたらいいんだろう。
変わりたいーーー。
そう思っていた。
朝。
いつもよりも早く着いた教室には数人の人達がいた。
挨拶、しなきゃ。
「っ、おは、」
一人の女の子が私を見た。
「おはよう!」
私はこれでもかってぐらいの大声でおはようを叫んだ。
女の子は呆気にとられたように、口を開けていた。
教室にいた何人かも私を見る。
あぁ、やってしまった。
女の子はパッと目をそらすと、準備に戻ってしまった。
私は落胆しつつ、自席に着いた。
「はぁ…」
「豊田さん」
「えっ」
顔を上げると、そこにはさっきの女の子がいた。
「おはよう、豊田さんって声、綺麗なんだね」
「っえ、そんな…こと」
私に興味を持ち始めたのか、数人の人たちもそれとなく私の周りに集まってきた。
「私、ずっと豊田さんと話してみたかったんだけど、豊田さん、話さない人だとおもってたから」
「そのえっと…話すのとか、苦手で…」
「私、緒方 夏子!よろしくね」
「っ…」
「あの、俺も…いい?」
近くにいた男が手を軽くあげた。
「俺もずっと、話してみたいと思ってて…湯浅 浩介です!」
そして、次々と自己紹介をしてくる周りの人達。
おはようって言えただけで、こんなにも変わるものなのかな。
どうやら私は夏子ちゃんと気があうみたいで、ずっと喋り続けた。
教室のドアが開き、知らない人が立っていた。
いや、違う。
東崎だ。
「おはよう!!」
「おはよう」
私は微笑んで、彼に手を振る。
クラスの注目の的になったのは私と彼だった。
「うっそ、あれ東崎ー!?」
「え、結構可愛い顔してんじゃん」
そんな声が響いた。
「豊田さん…!?」
「東崎くん」
「え、なんでそんなに」
彼がなにかを言いかけたところで、チャイムがなった。
あの日から何ヶ月たっただろう。
私には友達ができた。
そして、親友も。
噂の件については、一軍グループが流したと判明。
私の周りの友達は、そんな噂なんて気にしなかった。
東崎は、服装に気をつけるようになり友達もできたようだ。
そうなってくると、お互い、話す人ができた。
だから、いつの間にやら話さなくなっていた。
ーー放課後。
私が下駄箱に行くと、東崎の姿があった。
「あれ…東崎くん?ばいばい」
「豊田さん、一緒に帰ろ?」
私は呆気にとられて、頷いていた。
…
「そんでさ、そんでさ、そのボールキャッチしたとこで転んで」
「いや、もったいないよ!!」
私は笑いながら、東崎の話を聞いていた。
彼はバスケ部に入り、私はバレー部に入った。
高校二年生から入るものだから、なかなか場の雰囲気にはなれなかったけれど、お互い楽しくやっているみたい。
「あ、そういえばさ、大分前だけど、東崎くんが私を見て、何でそんなに…って言ったよね。あの続き、なんだったの?」
「すごい前だね。えっとねーー忘れちゃったよー」
「えーー、嘘だー。顔がにやけてる!」
「そっちこそ」
フワッと香った。
秋の匂い。
「あ、いま秋の匂いがした」
「俺も思った」
季節は秋。
夕日が照らす中、東崎は私の髪に手を伸ばした。
そして、少しだけすくって
「何でそんなに」
「えっ」
「綺麗なの」
ー完ー
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