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第17話 トマトとモッツァレラのサラダうどんとお嬢と私
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部屋のフローリングに溢れてきた光を追いかけるように窓を開ける。照りつける太陽の光が冷えた肌をゆっくり温め、ぬるい風が頬を撫でた。眩しいほどの青空が街に覆い被さっている。
今年も夏がやってきた。
夏は嫌いじゃない。夏休みはいつもお父様の別荘でバカンスをしたり、お母様とお船で出かけたり、お手伝いさんたちと一緒にBBQをしたり、思い出がたくさん。多少の暑さなんて日傘をさして新しいサンダルを履けば気にならない。レディだから。
夏バテなんて言葉もありますけれど、規則正しい生活リズム、栄養バランスの取れた食事、質の良い睡眠を心がけていれば心配ありません。
窓を閉じて足元に目をやると、同居人のしおりさんが転がっている。髪も整えず寝巻きのままで芋虫のように転がっている彼女は夏バテの最中。
私と共にする夕飯はきちんと摂っていても、日中に食べたファストフードの残骸が転がっている。隠しきれないほどのひどい肌荒れとクマは連日深夜にゲームをしていて作ったのだろう。
この茹だるような暑さの中そんな生活をしていては体調を崩すのも当たり前。
「大人なのに・・・」
同居人の情けない姿に思わずため息が出る。構わず芋虫は「ダルイ、ダルイ」と時々呻きながらスマートフォンを操っている。
さて、お昼はレディの出番ですね。
材料(2人前)
・冷凍うどん(2玉)
・トマト(1個)
・モッツァレラチーズ(1個)
・めんつゆ(かけうどんできる量)
・黒胡椒(お好み)
作り方
・冷凍うどんを解凍時間通りにレンジでチンして解凍する。
・その間にトマトとチーズをサイコロの形に切る。
・解凍されたうどんを氷水で冷やす。
・器にうどん、トマト、チーズを盛り合わせ麺つゆをかける。最後に黒胡椒をお好みで散らしたら完成!
「しおりさん起きてくださいまし?お昼ができましてよ」
器をテーブルにそっと置きながら声をかけると気怠げだった身体が突如むくりと起こされた。瞳は私の顔とうどんを交互に行き来している。
「え、これ、お嬢が作ったの?包丁とかも?まじ?」
はい、と返事をしてみたそれは質問の嵐にかき消されてしまった。しおりさんがうわあと小さく歓声を上げた後パチンと手を合わせうどんに口を付ける。
「お嬢~!美味しいよ~!これなら食べられそう!」
「そうですか。トマトもチーズも夏バテに有効だそうです。きちんと栄養のあるものを摂って早く調子を取り戻してくださいまし!」
口にうどんが入ったまま何やらモゴモゴと宣誓している。ああ、そうか。今年はこの人と夏を過ごすのか。
「ねえしおりさん?今度お休みができたら旅行に行きませんこと?」
「旅行?いいね、あんまり連れて行ってあげれてないもんね」
「私、バリ島に行きたいです!ビーチで遊びたいんですの!」
しおりさんはまたうどんの感想に話を戻してしまったのであった。
今年も夏がやってきた。
夏は嫌いじゃない。夏休みはいつもお父様の別荘でバカンスをしたり、お母様とお船で出かけたり、お手伝いさんたちと一緒にBBQをしたり、思い出がたくさん。多少の暑さなんて日傘をさして新しいサンダルを履けば気にならない。レディだから。
夏バテなんて言葉もありますけれど、規則正しい生活リズム、栄養バランスの取れた食事、質の良い睡眠を心がけていれば心配ありません。
窓を閉じて足元に目をやると、同居人のしおりさんが転がっている。髪も整えず寝巻きのままで芋虫のように転がっている彼女は夏バテの最中。
私と共にする夕飯はきちんと摂っていても、日中に食べたファストフードの残骸が転がっている。隠しきれないほどのひどい肌荒れとクマは連日深夜にゲームをしていて作ったのだろう。
この茹だるような暑さの中そんな生活をしていては体調を崩すのも当たり前。
「大人なのに・・・」
同居人の情けない姿に思わずため息が出る。構わず芋虫は「ダルイ、ダルイ」と時々呻きながらスマートフォンを操っている。
さて、お昼はレディの出番ですね。
材料(2人前)
・冷凍うどん(2玉)
・トマト(1個)
・モッツァレラチーズ(1個)
・めんつゆ(かけうどんできる量)
・黒胡椒(お好み)
作り方
・冷凍うどんを解凍時間通りにレンジでチンして解凍する。
・その間にトマトとチーズをサイコロの形に切る。
・解凍されたうどんを氷水で冷やす。
・器にうどん、トマト、チーズを盛り合わせ麺つゆをかける。最後に黒胡椒をお好みで散らしたら完成!
「しおりさん起きてくださいまし?お昼ができましてよ」
器をテーブルにそっと置きながら声をかけると気怠げだった身体が突如むくりと起こされた。瞳は私の顔とうどんを交互に行き来している。
「え、これ、お嬢が作ったの?包丁とかも?まじ?」
はい、と返事をしてみたそれは質問の嵐にかき消されてしまった。しおりさんがうわあと小さく歓声を上げた後パチンと手を合わせうどんに口を付ける。
「お嬢~!美味しいよ~!これなら食べられそう!」
「そうですか。トマトもチーズも夏バテに有効だそうです。きちんと栄養のあるものを摂って早く調子を取り戻してくださいまし!」
口にうどんが入ったまま何やらモゴモゴと宣誓している。ああ、そうか。今年はこの人と夏を過ごすのか。
「ねえしおりさん?今度お休みができたら旅行に行きませんこと?」
「旅行?いいね、あんまり連れて行ってあげれてないもんね」
「私、バリ島に行きたいです!ビーチで遊びたいんですの!」
しおりさんはまたうどんの感想に話を戻してしまったのであった。
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