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5章 新しい生活
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誤解を解くべく、フレッド様とお知り合いになった経緯はぼんやりと誤魔化し、5日間くらいの旅行をしていたら、その最中に瞳の色が変わったことと、日に当たらない生活をしていたところから、いきなり太陽さんさん浴びる生活に変わって、髪の色が薄くなったことを説明した。
ノーラ様はよく話を聞いてくれて、大きなルーペで私の目を覗き込んだ。
髪も三つ編みを解いて、髪の先から根元までたんねんに見ていったあと、念のためにと胸を開き、心臓や肺の音を、大きな筒を胸にあてて聴いた。
そのままベッドに横になり、お腹も触診される。
「はい、もういいですよ。服を直してください。ぼっちゃまをお呼びしますね」
にこやかに言ったあと、フレッド様を呼びに部屋を出ていった。
訳がわからないまま、言われるままに診察してもらって、私の頭の中は"?"マークでいっぱいだ。
お仕着せをきちんと着直し、少し悩んでエプロンは外したままで、フレッド様を待つ。
ドアがノックされる音が聞こえたのでもう一度服装を改めてから「どうぞ」と、声をかけた。
ドアが開くとフレッド様が私を見て、ほっとした表情をする。
私はベッドの上に座っていた事を思い出し、慌てて立とうとしたけれど、フレッド様に手でそのままでいるよう合図をされた。
「それで、なんの病気なんだ?」
後ろから一緒に入ってくるノーラ様に声をかけて、ベッドから少し離れたところにある長椅子に座る。
ノーラ様は先ほど座っていた椅子に再度座った。
「お嬢様はご病気ではありませんね。わたくしも髪や瞳の色が変わる症状は初めて聞きますが、お嬢様を見るに健康そのものです。お話を聞く限りでは、遠くからお越しになったと言うことですので、環境の変化によるもと考えるのが妥当かと。珍しい症状ですが、髪色などは精神状態でも変わるものですからね。通常は白髪になるだけですが」
「そうか、健康か…」
フレッド様は安心したように、背もたれに体重を預けた。
その様子を見て、ノーラ様がくすくすと笑った。
「あのぼっちゃまの慌てようは、少しおもしろかったですね」
「慌てもするさ。大事な預かりものなんだぞ」
「それだけですか?」
「もちろんだとも」
ノーラ様は私の方を向いて微笑んだ。
「ぼっちゃまが医師を呼んでいる。女医でなければダメだと言われて、わたくしは慌ててやってきたんですのよ。女医でなければいけない心当たりは一つしかございませんでしたから」
「女医がいいのは当たり前だろう?診察の時は衣服をめくる場合があるんだから」
「そこですよ。好きな女性の肌を他の男に見せたくないという独占欲。てっきりいいお話だと思ったのですが。そもそも、ぼっちゃまのおこないにはカッティーニ家使用人一同、心配しておりました。あっちにフラフラこっちにフラフラ。そのうちワラワラと隠し子がカッティーニ家に押しかけるのではないかと思っておりましたのよ。そこに、女性を連れて女医をご所望。ご懐妊を疑わない者がおりましたら、その者の思考を疑います」
「あっちにフラフラこっちにフラフラって…。そんなに酷くないよ」
「いいえ!フラフラして悪い女に騙される前に、この世の中でたったひとりの女性を見つけてくださいませ」
フレッド様はふてくさって、ぷいとそっぽを向いた。
「フレッドぼっちゃま、そこまで心配するような大事な女性でしたら、捕まえて離さないように、した方がようごさいますよ。身分が低くてもなんとかなりますわ」
フレッド様はため息をつく。
「バカ言うなよ。彼女は人妻だぞ」
ノーラ様は目を見開いた。
私も心の中で目を見開く。
そうか。私、人妻なんだわ。婚姻誓約書にサインをしたのだった。
夫となる人には、二度しか会っていないけど。
「まぁ…。いいお嬢さんを捕まえてきたと思ったら、道ならぬ恋ですか…」
「だから違うって!」
ノーラ様が残念そうな顔をして帰って行った後、私もお城に帰ろうとしたのですが、フレッド様が昼食を召し上がっていないという話になり、フレッド様の家で昼食を食べてから帰城することになった。
ジュディには、先にフレッド様が使いを出してくれていて、私が離宮にいなくても心配ないと伝えておいてくれたとのこと。
私は軽く昼食を食べていたので、お茶だけお付き合いすることにした。
「メイド服でオレと一緒のテーブルにはつけないから、シャーロットちゃん、悪いけど着替えしてくんない?」
「それでしたら、フレッド様が食べ終わるまで別の場所でお待ちします。カッティーニ家のメイドさんが休憩するためのお部屋があればそこで過ごさせていただけますか?」
「いいじゃん。着替えくらいしてくれたって。それに、お姫様をメイドの休憩室になんか押し込められないよ」
全然メイドさんの休憩室でいいのに…。
というか、メイドさんの休憩室に行ったら、もしかして他のメイドさんとおしゃべりとかできるかもしれないから、逆にそこがいいのに…。
フレッド様がポンポンと手を叩くと、メイドさんが何人か現れた。
「じゃ、支度が終わったら一階に連れてきて。じゃ、シャーロットちゃん、食べ終わったら帰ろうね~」
客間のドアは閉められ、私はメイド服を脱がされて、淡い黄色のドレスに着替えさせられて、さらに化粧なども施してもらって、一階へと連れて行かれた。
すでにテーブルについていたフレッド様は、ドレス姿の私を見て、満足そうに肯く。
「やっぱり、ボナールで見た様なブカブカなドレスじゃなくて、身に合ったドレスの方がいいよ」
いや、あれは借り物だからね。とは言えず…。
私がテーブルにつくと、フレッド様の前にはサンドイッチ等の軽食が。私の前には紅茶とチョコレートケーキが置かれた。
「チョ、チョコレートケーキ!」
「さっき、チョコレートが好きって言っていたろう?」
「はい!大好きです!」
こうして、大好きなチョコレートのケーキを堪能した後、私はフレッド様に送られて、お城の離宮に戻ったのでした。
ノーラ様はよく話を聞いてくれて、大きなルーペで私の目を覗き込んだ。
髪も三つ編みを解いて、髪の先から根元までたんねんに見ていったあと、念のためにと胸を開き、心臓や肺の音を、大きな筒を胸にあてて聴いた。
そのままベッドに横になり、お腹も触診される。
「はい、もういいですよ。服を直してください。ぼっちゃまをお呼びしますね」
にこやかに言ったあと、フレッド様を呼びに部屋を出ていった。
訳がわからないまま、言われるままに診察してもらって、私の頭の中は"?"マークでいっぱいだ。
お仕着せをきちんと着直し、少し悩んでエプロンは外したままで、フレッド様を待つ。
ドアがノックされる音が聞こえたのでもう一度服装を改めてから「どうぞ」と、声をかけた。
ドアが開くとフレッド様が私を見て、ほっとした表情をする。
私はベッドの上に座っていた事を思い出し、慌てて立とうとしたけれど、フレッド様に手でそのままでいるよう合図をされた。
「それで、なんの病気なんだ?」
後ろから一緒に入ってくるノーラ様に声をかけて、ベッドから少し離れたところにある長椅子に座る。
ノーラ様は先ほど座っていた椅子に再度座った。
「お嬢様はご病気ではありませんね。わたくしも髪や瞳の色が変わる症状は初めて聞きますが、お嬢様を見るに健康そのものです。お話を聞く限りでは、遠くからお越しになったと言うことですので、環境の変化によるもと考えるのが妥当かと。珍しい症状ですが、髪色などは精神状態でも変わるものですからね。通常は白髪になるだけですが」
「そうか、健康か…」
フレッド様は安心したように、背もたれに体重を預けた。
その様子を見て、ノーラ様がくすくすと笑った。
「あのぼっちゃまの慌てようは、少しおもしろかったですね」
「慌てもするさ。大事な預かりものなんだぞ」
「それだけですか?」
「もちろんだとも」
ノーラ様は私の方を向いて微笑んだ。
「ぼっちゃまが医師を呼んでいる。女医でなければダメだと言われて、わたくしは慌ててやってきたんですのよ。女医でなければいけない心当たりは一つしかございませんでしたから」
「女医がいいのは当たり前だろう?診察の時は衣服をめくる場合があるんだから」
「そこですよ。好きな女性の肌を他の男に見せたくないという独占欲。てっきりいいお話だと思ったのですが。そもそも、ぼっちゃまのおこないにはカッティーニ家使用人一同、心配しておりました。あっちにフラフラこっちにフラフラ。そのうちワラワラと隠し子がカッティーニ家に押しかけるのではないかと思っておりましたのよ。そこに、女性を連れて女医をご所望。ご懐妊を疑わない者がおりましたら、その者の思考を疑います」
「あっちにフラフラこっちにフラフラって…。そんなに酷くないよ」
「いいえ!フラフラして悪い女に騙される前に、この世の中でたったひとりの女性を見つけてくださいませ」
フレッド様はふてくさって、ぷいとそっぽを向いた。
「フレッドぼっちゃま、そこまで心配するような大事な女性でしたら、捕まえて離さないように、した方がようごさいますよ。身分が低くてもなんとかなりますわ」
フレッド様はため息をつく。
「バカ言うなよ。彼女は人妻だぞ」
ノーラ様は目を見開いた。
私も心の中で目を見開く。
そうか。私、人妻なんだわ。婚姻誓約書にサインをしたのだった。
夫となる人には、二度しか会っていないけど。
「まぁ…。いいお嬢さんを捕まえてきたと思ったら、道ならぬ恋ですか…」
「だから違うって!」
ノーラ様が残念そうな顔をして帰って行った後、私もお城に帰ろうとしたのですが、フレッド様が昼食を召し上がっていないという話になり、フレッド様の家で昼食を食べてから帰城することになった。
ジュディには、先にフレッド様が使いを出してくれていて、私が離宮にいなくても心配ないと伝えておいてくれたとのこと。
私は軽く昼食を食べていたので、お茶だけお付き合いすることにした。
「メイド服でオレと一緒のテーブルにはつけないから、シャーロットちゃん、悪いけど着替えしてくんない?」
「それでしたら、フレッド様が食べ終わるまで別の場所でお待ちします。カッティーニ家のメイドさんが休憩するためのお部屋があればそこで過ごさせていただけますか?」
「いいじゃん。着替えくらいしてくれたって。それに、お姫様をメイドの休憩室になんか押し込められないよ」
全然メイドさんの休憩室でいいのに…。
というか、メイドさんの休憩室に行ったら、もしかして他のメイドさんとおしゃべりとかできるかもしれないから、逆にそこがいいのに…。
フレッド様がポンポンと手を叩くと、メイドさんが何人か現れた。
「じゃ、支度が終わったら一階に連れてきて。じゃ、シャーロットちゃん、食べ終わったら帰ろうね~」
客間のドアは閉められ、私はメイド服を脱がされて、淡い黄色のドレスに着替えさせられて、さらに化粧なども施してもらって、一階へと連れて行かれた。
すでにテーブルについていたフレッド様は、ドレス姿の私を見て、満足そうに肯く。
「やっぱり、ボナールで見た様なブカブカなドレスじゃなくて、身に合ったドレスの方がいいよ」
いや、あれは借り物だからね。とは言えず…。
私がテーブルにつくと、フレッド様の前にはサンドイッチ等の軽食が。私の前には紅茶とチョコレートケーキが置かれた。
「チョ、チョコレートケーキ!」
「さっき、チョコレートが好きって言っていたろう?」
「はい!大好きです!」
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