小さなベイビー、大きな野望

春子

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side コルル

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私は、コルル・ロッシュヴォーク。
愛する夫との間に、可愛い子供が二人、生まれた。
アルミンは、素直で、甘やかした自覚はあるものの、基本はいいこで、心根の優しい子。妹想いで、仲睦まじい兄妹の姿に微笑ましく、思う。
娘のアイシャは、夫に似て、表情筋が死んだかのように動かない無表情に見えるが、兄想いで、大人しい、内気の子ではあるが、こちらも、優しく、育ってくれた。幸せな毎日。
だけれど、アルミンには、困ったことがある。
アルミンは、拾い癖があって、犬、猫なら、せめて、小動物なら、許せた。
が、アルミンが拾ってきたのは、そんな可愛いものではない。
雨の日にずぶ濡れた犬を見つけたの!!と慌てて、やって来たアルミンに連れられて来た動物は、犬ではなかった。
魔物である。ブラックドックだった。一緒にいたリーサは、こんな濡れた犬は見たことない!といい、弱ってるのかも、見て。とせがんだ。
触ったものは、死ぬと言われてるが、どうやら、このブラックドックは、そのようなことはないらしい。でなければ、アルミンもリーサもこの世にいなかったろう。
コルルはとりあえず、風呂に連れていき、洗って、乾かした。こんこんとこの動物は、魔物で、ブラックドックだと、犬じゃないわ!と二人に言い聞かせた。気に入ったアルミンがお世話するから、飼いたいとブラックドックから離れなかった。あんなに必死に、息子のわがままに手間取ったのは、初めて。
まさか、序章だと思わなかった。
アルミンが保護という名前の拾い物は多岐に渡り、目を白目にさせた。
我が家は最早、動物園…生温いわ。魔物園よ。
今では、ロッシュヴォーク家のセキリュティに繋がる賢いペットではあるが、コルルは、アルミン、ひいては、アルミンに動物を勧めないことをリーサに言い聞かせた。果たされることは、あまりないけど。

穏やかな午後。家事を終えて、ゆっくりとお茶を飲もうと動いた矢先、魔道具の伝達…クロッグが、鳴った。嫌な予感する。
「はい…。」
「もしもし。こちら、魔法学校…。」
「アルミンは何を?」
我が子は何をやらかした。気を持ちなさい!コルル。
「いえ。あの…。」
先生からの話に遠くなる。
アルミンー!!!

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