88 / 114
第3章
巻き込み事故
しおりを挟む
【夜・フィルデンの自室】
ユートは静かに、転移の準備を整えていた。
数日間の不在に備えて、ミリアには「魔力修行に出る」とだけ伝えてある。
「服と財布と……とりあえず地球でバレない格好と……」
呟きながら転移魔法陣を起動し、詠唱を始めようとしたとき――
「……何やってんだ、ユート」
「どこか行くのか?」
後ろから現れたのは、バルトとティナ。
扉の隙間から入ってきたらしい。
「っ!? お前ら、なんでここに……」
「魔力の流れ、明らかに普通じゃなかったしな。こそこそ何やってんだって思って」
「修行って言ってたけど、なんか違くない?」
「……これは、その……」
ユートは言葉を濁しつつ、転移の準備を早める。すぐ戻ってくる予定だ。
---
「ごめん、ちょっと急ぎなんだ。行ってくる!」
詠唱が完了し、足元の魔法陣が光を放つ。
「おい、待っ――」
「ユート、何それ――!」
光が広がるその瞬間、ティナとバルトが反射的に手を伸ばしてユートに触れた。
次の瞬間――3人は同時に転移の光に包まれ、消えた。
---
【地球・夜・最初に異世界へ飛んだ河川敷】
風の匂い、舗装された地面、見慣れないネオン。
「――っ!? なんだ、ここ!?」
「空気が、変……え、これ……」
目を丸くする2人。
ユートは頭を抱えた。
「……最悪だ。ついてきちゃったか……」
「え、ここ……お前の修行場所? ていうか、どこの国だよここ!?」
「……その説明はあとにして、とりあえず服、買おう。さすがに目立ちすぎる」
(ここが“地球”。俺の元いた世界。まさか一緒に来るとは……
でも、おじさんに会う前に説明だけは……)
---
【地球・夜・駅近くのショッピングビル】
「とりあえず、ここだな……」
ユートは、2人を連れて入ったのは全国チェーンのカジュアル服屋「ユニ◯ロ」的な店。
価格もお手頃で、サイズも豊富。目立たず、シンプルな服が揃っている。
「なんだこの店!? 服が……整然と並んでる……」
「え、この布、魔力も加工痕もないのにこんなに伸びる!? 何コレ!? すごっ!」
2人は完全にカルチャーショック状態。
「いいからこれ着替えて。サイズは……うん、MとLでいけるな」
---
着替え終わった2人は、見た目だけなら完全に地球人。
ティナは黒のパーカーにジーンズ、バルトはTシャツにジャケット。
「……動きやすいなこの服。軽いし」
「うわ、靴の底が平らだ。石畳じゃないのにこんな滑らないの?」
「まぁ、そういう技術が進んでる世界なんだよ。ここは」
---
【住宅街・榊春都(ユート)の家】
電車と徒歩で移動し、静かな住宅街に入る。
マンションの一室――ユートの元の生活の拠点。
「ここが……お前の家?」
「あぁ。地球での、俺――榊春都の家」
鍵を開け、扉を開けると、そこには――
少しだけ散らかった、けれど落ち着いた雰囲気のワンルームが広がっていた。
2人の異世界人を連れてきてしまった今、ユートはどう説明するべきかを考えていた。
ティナはソファに座ってクッションを抱えながら辺りをキョロキョロと見回し、バルトは冷蔵庫を開けて中を覗いていた。
「おいユート、これ……全部飲み物か? 魔道具なしで冷たいままって、どうなってんだ?」
「……それ、冷蔵庫っていう“この世界”の技術。魔法じゃなくて、電気で動いてる」
「でんき? って、何だ?」
ユートは苦笑し、軽く頭をかいた。
「よし、落ち着いて聞いてくれ。――ここは、俺の元いた世界。お前らの住んでた国じゃない。全く別の……場所だ」
ティナがクッションを抱えたまま眉をひそめる。
「別の……場所?」
「うん。俺が“あの世界”に行く前に暮らしてたところ。ここが、俺の“地元”だ」
「地元って言うけど……まるで別の国どころか、空気まで違うじゃない」
「そうだよ。こっちは“魔力が存在しない世界”。魔法も、モンスターも、ステータスもない。ただの人間が、文明の力で生きてる」
バルトが、テーブルの上に置かれていたテレビのリモコンを手に取った。
「じゃあ、これも“文明の力”ってやつか?」
「そう。押してみ?」
カチッとボタンを押すと、テレビが起動し、バラエティ番組の音声が部屋に広がる。
「……うぉっ!? これ、箱の中に人が!?」
「違う、映像だよ。記録された情報を“再生”してるだけ」
「すっげぇ……こっちの世界、魔法なくても十分おかしいぞ」
ティナも、テレビに映る映像に目を丸くしていた。
ユートは二人の様子を見ながら、小さな箱を取り出した。
「これ、渡しとく」
中から取り出したのは、金属でできた小さなリング。見た目はシンプルな装飾のない指輪だった。
「なんだこれ?」
「“翻訳の指輪”。この世界の言葉と、お前らの言葉をつなぐための道具だ。魔力がなくても自動で機能するように、ちょっと工夫してある」
バルトが指輪をじっと見つめる。
「これ、付けたら言葉が通じるのか?」
「ああ。ただし、話すときも、聞くときも脳の中で変換される。だから使ってるうちに、この世界の言葉も少しずつ覚えてくるはず」
「すげぇな、ユート。そんなもん作れたのか?」
「作ったんじゃない。俺の師匠が前にくれたんだ。非常用ってな」
ティナが指輪を受け取り、慎重に左手の薬指にはめた。
「……不思議な感じ。なんか……言葉が、頭に直接入ってくるみたい」
「最初は違和感あるけど、すぐ慣れるよ」
バルトも指輪をはめると、驚いたように周囲を見回した。
「うわっ、ティナの声が妙にハッキリ聞こえる……お前、普段からそんな冷たい口調だったっけ?」
「バルト、うるさい」
「はいはい、いつも通りだな……」
笑いがこぼれた瞬間、ユートはふっと表情をゆるめた。
「……よかった、2人とも無事で」
ティナがユートをじっと見つめた。
「本当は、私たちを連れてくるつもり、なかったんだよね?」
「うん。でも、止める時間もなかった。転移って、あんなに一瞬で発動するとは思ってなかった」
バルトがソファに座り込んで、大きくため息をついた。
「まぁ、でもな。こっちの世界ってやつ、面白そうだし? 少しは観光してもいいだろ」
「観光って……いや、無茶だけはすんなよ。こっちの世界の人間は、お前らみたいなの見たら腰抜かすぞ」
「……ティナ、明日服買いに行こうぜ。これ、動きにくくてしょうがねぇ」
「うん。でも、その前にこの世界の“通貨”ってやつも教えて」
「はいはい……仕方ないな、もう……」
ティナとバルトがソファに落ち着き、部屋の静寂が少しだけ戻ってきたころ。
ユートは姿勢を正して、2人に向き直った。
「さて……落ち着いたところで、改めてこっちの世界での注意点を話しておく。聞き逃すなよ」
バルトとティナはピンと背筋を伸ばす。ユートの“本気モード”は何度も経験済みだった。
「まず、ここでは“何かを勝手に触るな”。特に知らない機械や店の商品。こっちの人間は“盗まれた”と感じたら、すぐ警察ってのに通報する」
「盗んでなくても?」
「触っただけでも、店のものならアウトだ。疑われただけで連れていかれることもある」
「……やば」
バルトが手を引っ込め、テーブルのリモコンから距離を取った。
「次に、“むかついても手を出すな”。特に相手が一般の市民の場合、絶対に怪我させるな。緊急時以外で殴ったり斬ったりしたら、ほぼ間違いなく捕まる」
「……緊急時って?」
「命の危機レベル。明確な自己防衛だけだ」
ティナがやや険しい表情で口を開く。
「それって……相手が挑発してきても?」
「耐えろ。こっちの世界の人間は、魔法もスキルも持ってない。だから力の差があって当然って感覚はない。
そのぶん、こっちが“異常”に見える。だから逆に、触れただけでも“暴力”って認識される」
「……触っただけで?」
「うん。見ず知らずの奴にちょっと手をかけただけで通報されることもある。こっちでは、“相手に触れる”ってこと自体がすごく慎重に扱われる」
「なるほどな……この世界の人間、繊細なんだな」
「そういうこと。だから、我慢できない奴がいたら、俺に言え。いいな?」
2人は、少し神妙に頷いた。
「特にティナ。見た目が可愛いからって、変なのに絡まれてもキックは我慢しろよ?」
「……努力する」
空気が落ち着いたところで、ユートは立ち上がった。
「よし。次の行動だ」
「どこ行くんだ?」
「――俺の師匠に会いに行く」
「師匠?」
「ああ」
ユートの目に、一瞬だけ緊張が走った。
「今までは“俺をあの世界に送り出した人”としてしか見てなかったけど……今回の件で、ちゃんと話を聞かないといけないと思った。
お前らを連れて来たことも、薬の件も、敵対組織のことも全部含めてな」
ティナがソファから立ち上がり、軽く腕を組んだ。
「怖い人?」
「強い。冗談抜きで、俺より圧倒的に。戦ったら……勝てる気がしない」
「うわぁ……それはすごいな」
バルトが笑う。
「じゃ、挨拶は丁寧にな」
「それな」
---
ユートは壁に掛けてあったリュックを背負いながら、息を整えた。
「さぁ、行こう。今夜のうちに決着をつける」
---
【地球・夜・榊春都(ユート)の家の外】
夜の住宅街――一見静かで、人気のない道。
だが、ユートがバルトとティナを連れて家を出た瞬間、空気が変わった。
「……気配が多い」
ティナが小さくつぶやき、バルトは無意識に背中に手をやる。
しかし、そこに愛剣はない。地球では目立つからと、置いてきたのだ。
「……つけられてたか。2人が来たことで油断してた……」
ユートの顔が険しくなる。
その時、路地の陰、角、車の中、電柱の裏……武装した男たちがぞろぞろと姿を現す。
スーツ姿、ジャンパー、ヘルメットにマスク。
統一された装備はないが、全員がただならぬ殺気を放っている。
――数、およそ200。
---
「――バルト、ティナ。ちょっとだけ聞いてくれ」
2人は静かにうなずいた。ユートは魔力の感知を研ぎ澄ましながら、低く言う。
「この世界の武器は厄介だ。目に見えないほど速く飛んでくる“金属の弾”とかがある。あたったら即死すると思え」
「弓みたいなもんか?」
「もっと速くて、音がして、見えない。でも、それ以外の奴らは――正直、雑魚だ。油断さえしなきゃ問題ない」
バルトが肩を回し、ティナは頷いた。
「じゃあ、まずは避ければいいのね」
「うん。それと絶対に背中を見せないこと。逃げると撃たれる。
……たぶん、俺を狙ってる。けど、こっちがただの市民だと思ってるうちは“殺し”には来ない」
---
その時、一人の男が前に出てきた。
短く刈り込まれた髪、鋭い目つき、左頬に大きな傷――
男はポケットに手を突っ込んだまま、気だるげに歩いてきた。
「よう。お兄さん。あんた、榊春都って人間だよな?」
「……ああ」
「俺は“大原”。ま、ちょっと困っててな。
とある筋から聞いたんだ。“お前、すげぇ薬持ってる”って」
ユートは無表情のまま、大原の瞳を見返す。
「薬?」
「ああ。なんでも“病気も怪我も一発で治る”っていう、夢の薬らしいな。
俺はそういうの大好きでな? それを、少し“買い取らせて”もらおうと思って」
大原の声は柔らかかったが、後ろに控える200人の“静かな殺気”が、本気を物語っていた。
「……悪いが、その話には乗れない」
「そうか。……なら、仕方ない」
パチン、と大原が指を鳴らす。
その瞬間、周囲の200人が一斉に武器を構えた。
ナイフ、バット、チェーン、スタンガン、銃――
全方向から、“異世界では見たことのない兵装”がユートたちを取り囲む。
「来るぞ、2人とも……!」
住宅街の静寂を、金属音が引き裂いた。
「来るぞッ!」
ユートが叫んだ直後、夜の闇から火花が閃く。乾いた破裂音。銃だ。バルトとティナが即座に動く。
「ティナ、右だ! 跳んで回避しろ!」
「了解!」
ティナの身体が浮かぶように跳ね、縁石を蹴って屋根に飛び上がる。その瞬間、地面を穿つ銃弾。コンクリが砕け、破片が宙を舞う。
「速ぇ……!」
バルトは最小限の動きで弾道を読み、左右へ蛇行するように走りながら敵陣へ突っ込んだ。
ユートは手を掲げ、低く詠唱する。
「《土の守り》」
彼の周囲に土壁が立ち上がり、着弾を受け止める。その隙に、ユートは足元に小型の魔法陣を展開した。
「《重力圧縮》」
地面が波打ち、周囲10メートルの敵が一斉に崩れ落ちるように倒れた。立っていられない。骨が折れ、悲鳴が上がる。
「な、なんだこいつら……!」
叫び声が走る。
バルトはすでに一人目の懐に入り、拳でアゴを砕き、銃を蹴り飛ばす。返す刀のように逆手に取った金属バットで2人目の側頭部を叩き伏せた。
「軽すぎるな。こいつら、鍛えてねぇ!」
ティナは屋根から音もなく飛び降り、ナイフを持った男の背後に着地。
「せめて気配を消してから近づきなさい」
冷たい声とともに、男の手首をねじり上げ、意識を奪う。
一方ユートは、地形そのものを変える力で敵の集団を分断していた。足元が突然崩れ、敵が次々と穴に落ちる。
「《土の牙》」
地面から槍状の岩が伸び、銃を構えた者の腕を貫くギリギリで止まり、武器を弾き飛ばす。
「……やばい、これ、やばい奴らだ……!」
戦意を失った者たちが後退を始める。しかし後方にはまだ指示を待つ者が控えていた。
「逃げるな! 撃てッ!」
大原の怒声が飛ぶ。
再び銃声。今度は殺意を込めた真正面からの集中砲火。
ユートは即座に魔法を変える。
「《土壁・全周展開》!」
十字型に立ち上がる土の壁が盾となり、弾丸を全て受け止める。しかし壁の耐久にも限界がある。ユートの額に汗がにじんだ。
「バルト! 撤退する奴は追うな、狙いは大原だ!」
「了解!」
バルトが駆け抜ける。その動きは異世界での訓練の成果――肉眼で追えない速さで大原に迫る。
「っ……!?」
初めて焦った表情を見せた大原が背後にいた部下を盾に取ろうとするが、バルトの拳が風を切るより速く届いた。
「――どけよ」
一撃で部下ごと壁に叩きつけ、大原の胸ぐらをつかむ。
「誰にモノ言ってるのか分かってねぇみたいだな?」
「っ、あんたら一体、何者だ……?」
「聞いて驚くなよ?」
背後からティナの声がした。さっきまで屋根にいたはずの彼女が、すでに大原の背後にいた。
「異世界の冒険者よ」
大原の顔から血の気が引く。
「……は?」
ユートが歩み寄る。銃を持った敵の足元にあえて軽い火球を放ち、地面を爆ぜさせる。
「薬を奪うために、200人を動かすような組織……どこがバックについてる?」
「……知らねぇよ。言われたとおり動いただけだ。薬を持つ奴がいるって聞いただけで……」
「ふぅん」
ユートは静かに手を下ろす。
「帰れ」
「……は?」
「帰って、報告しろ。ここには“触れちゃいけない奴ら”がいたってな」
「……っ」
一人、また一人と、男たちは武器を捨てて後退していく。
その場に残ったのは、バルトに押さえられた大原と、3人の影だけだった。
---
ユートは空を見上げた。
かすかに朝焼けの気配。けれど――不穏な予感が、胸を過った。
(こいつらは“先遣隊”……これで終わりなはずがない)
---
撃退された200人の影がすべて消えた後も、住宅街の静けさは戻らなかった。
ユートは表情を曇らせたまま、手の中で魔力の余波を抑え込んでいた。
「……ティナ、バルト。ちょっと寄るところがある。ついてきてくれ」
「敵の追撃?」
「いや、違う。……地球で信頼できる数少ない人間のところだ」
2人は黙ってうなずいた。
---
【BAR「BROOKLYN」・深夜】
静まり返る店内。
アンティークなランプが静かに揺れて、カウンター奥の男――風間は無言でグラスを磨いていた。
そこに入ってきたユートと、ティナ、バルト。
風間は視線をちらと動かすだけで、すぐに異変を察した。
「……見ない顔だな。お前の仲間か?」
「ああ。――あいつら、“こっちの人間じゃない”」
「……は?」
グラスを拭く手が止まる。
ユートは、カウンター席に腰を下ろし、低く言った。
「信じなくていい。ただ事実として、常識が通用しない。身体能力も、感覚も、戦闘力も、まるで違う」
バルトはカウンターに手をついて、店内を見渡していた。
「ここ……騒がしいときは面白そうだな。酒、飲めんのか?」
「バルト、やめとけ」
ティナはソファに座って足を組み、店内のスピーカーから流れる音楽に耳を傾けていた。
「この曲……なんか、懐かしいような……不思議な気分」
「……ふぅん」
風間はしばらく2人を観察してから、自分のアタマを指さしながら低く言った。
「つまり、連れてきちまったんだな。“ヤバい連中”を」
「……偶然、巻き込んじまった」
「……らしくないな、お前にしては。けど、まぁ分かったよ。
そっちの事情はとりあえず置いといて、聞きたいのは別件なんだろ?」
---
【風間との密談】
ユートは頷いた。
「さっき、200人規模の武装集団に囲まれた。
仕掛けてきたのは“大原”って名乗るやつ。俺が“妙な薬を持ってる”って情報をどこからか掴んだらしい」
風間はすぐにスマホを操作し始める。
「大原ね……武闘派の半グレ。元は暴走族、今はちょっとした組織の下請けみたいな動きしてるやつ。
けど、200人も動かすってなると、バックがいるな。たぶん――“興味本位じゃない連中”が」
「それは俺も思った。……けど、大原自身は“何も知らない”ようだった。薬の出どころも、意味も。
ただ“高く売れる奇跡の治療薬”ってだけで動いてる」
風間は煙草に火をつけ、しばらく黙った。
「なぁ春都。お前、今どのくらいの“目”をつけられてるか分かってるか?」
「……少しは自覚してる」
「今のままじゃ、次に来るのは200人じゃ済まない。“消される”か“囲われる”か――選ばされるぞ」
ユートはグラスの氷を見つめたまま、静かに言った。
「だから、お前に頼みがある。
“俺たちの存在”が表に出る前に、裏で対処できる手段を持ちたい。
場所、人脈、情報……今の地盤じゃ、足りない」
「分かった」
「それと、この2人に戸籍と身分証明書をくれ。」
---
ユートは静かに、転移の準備を整えていた。
数日間の不在に備えて、ミリアには「魔力修行に出る」とだけ伝えてある。
「服と財布と……とりあえず地球でバレない格好と……」
呟きながら転移魔法陣を起動し、詠唱を始めようとしたとき――
「……何やってんだ、ユート」
「どこか行くのか?」
後ろから現れたのは、バルトとティナ。
扉の隙間から入ってきたらしい。
「っ!? お前ら、なんでここに……」
「魔力の流れ、明らかに普通じゃなかったしな。こそこそ何やってんだって思って」
「修行って言ってたけど、なんか違くない?」
「……これは、その……」
ユートは言葉を濁しつつ、転移の準備を早める。すぐ戻ってくる予定だ。
---
「ごめん、ちょっと急ぎなんだ。行ってくる!」
詠唱が完了し、足元の魔法陣が光を放つ。
「おい、待っ――」
「ユート、何それ――!」
光が広がるその瞬間、ティナとバルトが反射的に手を伸ばしてユートに触れた。
次の瞬間――3人は同時に転移の光に包まれ、消えた。
---
【地球・夜・最初に異世界へ飛んだ河川敷】
風の匂い、舗装された地面、見慣れないネオン。
「――っ!? なんだ、ここ!?」
「空気が、変……え、これ……」
目を丸くする2人。
ユートは頭を抱えた。
「……最悪だ。ついてきちゃったか……」
「え、ここ……お前の修行場所? ていうか、どこの国だよここ!?」
「……その説明はあとにして、とりあえず服、買おう。さすがに目立ちすぎる」
(ここが“地球”。俺の元いた世界。まさか一緒に来るとは……
でも、おじさんに会う前に説明だけは……)
---
【地球・夜・駅近くのショッピングビル】
「とりあえず、ここだな……」
ユートは、2人を連れて入ったのは全国チェーンのカジュアル服屋「ユニ◯ロ」的な店。
価格もお手頃で、サイズも豊富。目立たず、シンプルな服が揃っている。
「なんだこの店!? 服が……整然と並んでる……」
「え、この布、魔力も加工痕もないのにこんなに伸びる!? 何コレ!? すごっ!」
2人は完全にカルチャーショック状態。
「いいからこれ着替えて。サイズは……うん、MとLでいけるな」
---
着替え終わった2人は、見た目だけなら完全に地球人。
ティナは黒のパーカーにジーンズ、バルトはTシャツにジャケット。
「……動きやすいなこの服。軽いし」
「うわ、靴の底が平らだ。石畳じゃないのにこんな滑らないの?」
「まぁ、そういう技術が進んでる世界なんだよ。ここは」
---
【住宅街・榊春都(ユート)の家】
電車と徒歩で移動し、静かな住宅街に入る。
マンションの一室――ユートの元の生活の拠点。
「ここが……お前の家?」
「あぁ。地球での、俺――榊春都の家」
鍵を開け、扉を開けると、そこには――
少しだけ散らかった、けれど落ち着いた雰囲気のワンルームが広がっていた。
2人の異世界人を連れてきてしまった今、ユートはどう説明するべきかを考えていた。
ティナはソファに座ってクッションを抱えながら辺りをキョロキョロと見回し、バルトは冷蔵庫を開けて中を覗いていた。
「おいユート、これ……全部飲み物か? 魔道具なしで冷たいままって、どうなってんだ?」
「……それ、冷蔵庫っていう“この世界”の技術。魔法じゃなくて、電気で動いてる」
「でんき? って、何だ?」
ユートは苦笑し、軽く頭をかいた。
「よし、落ち着いて聞いてくれ。――ここは、俺の元いた世界。お前らの住んでた国じゃない。全く別の……場所だ」
ティナがクッションを抱えたまま眉をひそめる。
「別の……場所?」
「うん。俺が“あの世界”に行く前に暮らしてたところ。ここが、俺の“地元”だ」
「地元って言うけど……まるで別の国どころか、空気まで違うじゃない」
「そうだよ。こっちは“魔力が存在しない世界”。魔法も、モンスターも、ステータスもない。ただの人間が、文明の力で生きてる」
バルトが、テーブルの上に置かれていたテレビのリモコンを手に取った。
「じゃあ、これも“文明の力”ってやつか?」
「そう。押してみ?」
カチッとボタンを押すと、テレビが起動し、バラエティ番組の音声が部屋に広がる。
「……うぉっ!? これ、箱の中に人が!?」
「違う、映像だよ。記録された情報を“再生”してるだけ」
「すっげぇ……こっちの世界、魔法なくても十分おかしいぞ」
ティナも、テレビに映る映像に目を丸くしていた。
ユートは二人の様子を見ながら、小さな箱を取り出した。
「これ、渡しとく」
中から取り出したのは、金属でできた小さなリング。見た目はシンプルな装飾のない指輪だった。
「なんだこれ?」
「“翻訳の指輪”。この世界の言葉と、お前らの言葉をつなぐための道具だ。魔力がなくても自動で機能するように、ちょっと工夫してある」
バルトが指輪をじっと見つめる。
「これ、付けたら言葉が通じるのか?」
「ああ。ただし、話すときも、聞くときも脳の中で変換される。だから使ってるうちに、この世界の言葉も少しずつ覚えてくるはず」
「すげぇな、ユート。そんなもん作れたのか?」
「作ったんじゃない。俺の師匠が前にくれたんだ。非常用ってな」
ティナが指輪を受け取り、慎重に左手の薬指にはめた。
「……不思議な感じ。なんか……言葉が、頭に直接入ってくるみたい」
「最初は違和感あるけど、すぐ慣れるよ」
バルトも指輪をはめると、驚いたように周囲を見回した。
「うわっ、ティナの声が妙にハッキリ聞こえる……お前、普段からそんな冷たい口調だったっけ?」
「バルト、うるさい」
「はいはい、いつも通りだな……」
笑いがこぼれた瞬間、ユートはふっと表情をゆるめた。
「……よかった、2人とも無事で」
ティナがユートをじっと見つめた。
「本当は、私たちを連れてくるつもり、なかったんだよね?」
「うん。でも、止める時間もなかった。転移って、あんなに一瞬で発動するとは思ってなかった」
バルトがソファに座り込んで、大きくため息をついた。
「まぁ、でもな。こっちの世界ってやつ、面白そうだし? 少しは観光してもいいだろ」
「観光って……いや、無茶だけはすんなよ。こっちの世界の人間は、お前らみたいなの見たら腰抜かすぞ」
「……ティナ、明日服買いに行こうぜ。これ、動きにくくてしょうがねぇ」
「うん。でも、その前にこの世界の“通貨”ってやつも教えて」
「はいはい……仕方ないな、もう……」
ティナとバルトがソファに落ち着き、部屋の静寂が少しだけ戻ってきたころ。
ユートは姿勢を正して、2人に向き直った。
「さて……落ち着いたところで、改めてこっちの世界での注意点を話しておく。聞き逃すなよ」
バルトとティナはピンと背筋を伸ばす。ユートの“本気モード”は何度も経験済みだった。
「まず、ここでは“何かを勝手に触るな”。特に知らない機械や店の商品。こっちの人間は“盗まれた”と感じたら、すぐ警察ってのに通報する」
「盗んでなくても?」
「触っただけでも、店のものならアウトだ。疑われただけで連れていかれることもある」
「……やば」
バルトが手を引っ込め、テーブルのリモコンから距離を取った。
「次に、“むかついても手を出すな”。特に相手が一般の市民の場合、絶対に怪我させるな。緊急時以外で殴ったり斬ったりしたら、ほぼ間違いなく捕まる」
「……緊急時って?」
「命の危機レベル。明確な自己防衛だけだ」
ティナがやや険しい表情で口を開く。
「それって……相手が挑発してきても?」
「耐えろ。こっちの世界の人間は、魔法もスキルも持ってない。だから力の差があって当然って感覚はない。
そのぶん、こっちが“異常”に見える。だから逆に、触れただけでも“暴力”って認識される」
「……触っただけで?」
「うん。見ず知らずの奴にちょっと手をかけただけで通報されることもある。こっちでは、“相手に触れる”ってこと自体がすごく慎重に扱われる」
「なるほどな……この世界の人間、繊細なんだな」
「そういうこと。だから、我慢できない奴がいたら、俺に言え。いいな?」
2人は、少し神妙に頷いた。
「特にティナ。見た目が可愛いからって、変なのに絡まれてもキックは我慢しろよ?」
「……努力する」
空気が落ち着いたところで、ユートは立ち上がった。
「よし。次の行動だ」
「どこ行くんだ?」
「――俺の師匠に会いに行く」
「師匠?」
「ああ」
ユートの目に、一瞬だけ緊張が走った。
「今までは“俺をあの世界に送り出した人”としてしか見てなかったけど……今回の件で、ちゃんと話を聞かないといけないと思った。
お前らを連れて来たことも、薬の件も、敵対組織のことも全部含めてな」
ティナがソファから立ち上がり、軽く腕を組んだ。
「怖い人?」
「強い。冗談抜きで、俺より圧倒的に。戦ったら……勝てる気がしない」
「うわぁ……それはすごいな」
バルトが笑う。
「じゃ、挨拶は丁寧にな」
「それな」
---
ユートは壁に掛けてあったリュックを背負いながら、息を整えた。
「さぁ、行こう。今夜のうちに決着をつける」
---
【地球・夜・榊春都(ユート)の家の外】
夜の住宅街――一見静かで、人気のない道。
だが、ユートがバルトとティナを連れて家を出た瞬間、空気が変わった。
「……気配が多い」
ティナが小さくつぶやき、バルトは無意識に背中に手をやる。
しかし、そこに愛剣はない。地球では目立つからと、置いてきたのだ。
「……つけられてたか。2人が来たことで油断してた……」
ユートの顔が険しくなる。
その時、路地の陰、角、車の中、電柱の裏……武装した男たちがぞろぞろと姿を現す。
スーツ姿、ジャンパー、ヘルメットにマスク。
統一された装備はないが、全員がただならぬ殺気を放っている。
――数、およそ200。
---
「――バルト、ティナ。ちょっとだけ聞いてくれ」
2人は静かにうなずいた。ユートは魔力の感知を研ぎ澄ましながら、低く言う。
「この世界の武器は厄介だ。目に見えないほど速く飛んでくる“金属の弾”とかがある。あたったら即死すると思え」
「弓みたいなもんか?」
「もっと速くて、音がして、見えない。でも、それ以外の奴らは――正直、雑魚だ。油断さえしなきゃ問題ない」
バルトが肩を回し、ティナは頷いた。
「じゃあ、まずは避ければいいのね」
「うん。それと絶対に背中を見せないこと。逃げると撃たれる。
……たぶん、俺を狙ってる。けど、こっちがただの市民だと思ってるうちは“殺し”には来ない」
---
その時、一人の男が前に出てきた。
短く刈り込まれた髪、鋭い目つき、左頬に大きな傷――
男はポケットに手を突っ込んだまま、気だるげに歩いてきた。
「よう。お兄さん。あんた、榊春都って人間だよな?」
「……ああ」
「俺は“大原”。ま、ちょっと困っててな。
とある筋から聞いたんだ。“お前、すげぇ薬持ってる”って」
ユートは無表情のまま、大原の瞳を見返す。
「薬?」
「ああ。なんでも“病気も怪我も一発で治る”っていう、夢の薬らしいな。
俺はそういうの大好きでな? それを、少し“買い取らせて”もらおうと思って」
大原の声は柔らかかったが、後ろに控える200人の“静かな殺気”が、本気を物語っていた。
「……悪いが、その話には乗れない」
「そうか。……なら、仕方ない」
パチン、と大原が指を鳴らす。
その瞬間、周囲の200人が一斉に武器を構えた。
ナイフ、バット、チェーン、スタンガン、銃――
全方向から、“異世界では見たことのない兵装”がユートたちを取り囲む。
「来るぞ、2人とも……!」
住宅街の静寂を、金属音が引き裂いた。
「来るぞッ!」
ユートが叫んだ直後、夜の闇から火花が閃く。乾いた破裂音。銃だ。バルトとティナが即座に動く。
「ティナ、右だ! 跳んで回避しろ!」
「了解!」
ティナの身体が浮かぶように跳ね、縁石を蹴って屋根に飛び上がる。その瞬間、地面を穿つ銃弾。コンクリが砕け、破片が宙を舞う。
「速ぇ……!」
バルトは最小限の動きで弾道を読み、左右へ蛇行するように走りながら敵陣へ突っ込んだ。
ユートは手を掲げ、低く詠唱する。
「《土の守り》」
彼の周囲に土壁が立ち上がり、着弾を受け止める。その隙に、ユートは足元に小型の魔法陣を展開した。
「《重力圧縮》」
地面が波打ち、周囲10メートルの敵が一斉に崩れ落ちるように倒れた。立っていられない。骨が折れ、悲鳴が上がる。
「な、なんだこいつら……!」
叫び声が走る。
バルトはすでに一人目の懐に入り、拳でアゴを砕き、銃を蹴り飛ばす。返す刀のように逆手に取った金属バットで2人目の側頭部を叩き伏せた。
「軽すぎるな。こいつら、鍛えてねぇ!」
ティナは屋根から音もなく飛び降り、ナイフを持った男の背後に着地。
「せめて気配を消してから近づきなさい」
冷たい声とともに、男の手首をねじり上げ、意識を奪う。
一方ユートは、地形そのものを変える力で敵の集団を分断していた。足元が突然崩れ、敵が次々と穴に落ちる。
「《土の牙》」
地面から槍状の岩が伸び、銃を構えた者の腕を貫くギリギリで止まり、武器を弾き飛ばす。
「……やばい、これ、やばい奴らだ……!」
戦意を失った者たちが後退を始める。しかし後方にはまだ指示を待つ者が控えていた。
「逃げるな! 撃てッ!」
大原の怒声が飛ぶ。
再び銃声。今度は殺意を込めた真正面からの集中砲火。
ユートは即座に魔法を変える。
「《土壁・全周展開》!」
十字型に立ち上がる土の壁が盾となり、弾丸を全て受け止める。しかし壁の耐久にも限界がある。ユートの額に汗がにじんだ。
「バルト! 撤退する奴は追うな、狙いは大原だ!」
「了解!」
バルトが駆け抜ける。その動きは異世界での訓練の成果――肉眼で追えない速さで大原に迫る。
「っ……!?」
初めて焦った表情を見せた大原が背後にいた部下を盾に取ろうとするが、バルトの拳が風を切るより速く届いた。
「――どけよ」
一撃で部下ごと壁に叩きつけ、大原の胸ぐらをつかむ。
「誰にモノ言ってるのか分かってねぇみたいだな?」
「っ、あんたら一体、何者だ……?」
「聞いて驚くなよ?」
背後からティナの声がした。さっきまで屋根にいたはずの彼女が、すでに大原の背後にいた。
「異世界の冒険者よ」
大原の顔から血の気が引く。
「……は?」
ユートが歩み寄る。銃を持った敵の足元にあえて軽い火球を放ち、地面を爆ぜさせる。
「薬を奪うために、200人を動かすような組織……どこがバックについてる?」
「……知らねぇよ。言われたとおり動いただけだ。薬を持つ奴がいるって聞いただけで……」
「ふぅん」
ユートは静かに手を下ろす。
「帰れ」
「……は?」
「帰って、報告しろ。ここには“触れちゃいけない奴ら”がいたってな」
「……っ」
一人、また一人と、男たちは武器を捨てて後退していく。
その場に残ったのは、バルトに押さえられた大原と、3人の影だけだった。
---
ユートは空を見上げた。
かすかに朝焼けの気配。けれど――不穏な予感が、胸を過った。
(こいつらは“先遣隊”……これで終わりなはずがない)
---
撃退された200人の影がすべて消えた後も、住宅街の静けさは戻らなかった。
ユートは表情を曇らせたまま、手の中で魔力の余波を抑え込んでいた。
「……ティナ、バルト。ちょっと寄るところがある。ついてきてくれ」
「敵の追撃?」
「いや、違う。……地球で信頼できる数少ない人間のところだ」
2人は黙ってうなずいた。
---
【BAR「BROOKLYN」・深夜】
静まり返る店内。
アンティークなランプが静かに揺れて、カウンター奥の男――風間は無言でグラスを磨いていた。
そこに入ってきたユートと、ティナ、バルト。
風間は視線をちらと動かすだけで、すぐに異変を察した。
「……見ない顔だな。お前の仲間か?」
「ああ。――あいつら、“こっちの人間じゃない”」
「……は?」
グラスを拭く手が止まる。
ユートは、カウンター席に腰を下ろし、低く言った。
「信じなくていい。ただ事実として、常識が通用しない。身体能力も、感覚も、戦闘力も、まるで違う」
バルトはカウンターに手をついて、店内を見渡していた。
「ここ……騒がしいときは面白そうだな。酒、飲めんのか?」
「バルト、やめとけ」
ティナはソファに座って足を組み、店内のスピーカーから流れる音楽に耳を傾けていた。
「この曲……なんか、懐かしいような……不思議な気分」
「……ふぅん」
風間はしばらく2人を観察してから、自分のアタマを指さしながら低く言った。
「つまり、連れてきちまったんだな。“ヤバい連中”を」
「……偶然、巻き込んじまった」
「……らしくないな、お前にしては。けど、まぁ分かったよ。
そっちの事情はとりあえず置いといて、聞きたいのは別件なんだろ?」
---
【風間との密談】
ユートは頷いた。
「さっき、200人規模の武装集団に囲まれた。
仕掛けてきたのは“大原”って名乗るやつ。俺が“妙な薬を持ってる”って情報をどこからか掴んだらしい」
風間はすぐにスマホを操作し始める。
「大原ね……武闘派の半グレ。元は暴走族、今はちょっとした組織の下請けみたいな動きしてるやつ。
けど、200人も動かすってなると、バックがいるな。たぶん――“興味本位じゃない連中”が」
「それは俺も思った。……けど、大原自身は“何も知らない”ようだった。薬の出どころも、意味も。
ただ“高く売れる奇跡の治療薬”ってだけで動いてる」
風間は煙草に火をつけ、しばらく黙った。
「なぁ春都。お前、今どのくらいの“目”をつけられてるか分かってるか?」
「……少しは自覚してる」
「今のままじゃ、次に来るのは200人じゃ済まない。“消される”か“囲われる”か――選ばされるぞ」
ユートはグラスの氷を見つめたまま、静かに言った。
「だから、お前に頼みがある。
“俺たちの存在”が表に出る前に、裏で対処できる手段を持ちたい。
場所、人脈、情報……今の地盤じゃ、足りない」
「分かった」
「それと、この2人に戸籍と身分証明書をくれ。」
---
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる