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第9話 明かされる真実
しおりを挟むテーブルの手前中央に私、右側にはセリル、左側には母と伯父。
反対側の中央には私と向かい合うようにシェルダンが、そして彼を挟んで右側には子爵夫人、左側には子爵が着席している。
シェルダンは目を忙しく動かし、落ち着かない様子だ。
「…いったい何なの? アレット!」
隣に座っている母が、苛立たし気に尋ねる。
私は軽く息を吐き、話し始めた。
「皆様、お忙しい中、お越し下さりありがとうございます。本日私とパドリアス子爵令息であるシェルダン様は婚約を破棄する事になりましたので、ご報告申し上げます」
一瞬、その場の空気が止まった。
戸惑いがちに発したのは……シェルダン。
「…え? 婚約…破棄…? ア、アレット…何を…何を言っているんだ!?」
「理由はあなた自身が良くご存じのはずよね? シェルダン」
「ど、どういう意味だい? ぼ、僕には何の事だか…っ」
…こんな時、人ってなぜ一度はとぼけるのかしら?
絶対に理由は分かっているはず。
なのに、分からないふりをするなんて。
そうすれば、何もない事にできると信じているかのよう。
滑稽すぎて、溜息もでないわ。
「あなたが浮気をした事は分かっているわ。証人がいるもの、ね、セリル」
私はセリルに話しを振った。
彼女は固い表情で語り出す。
「…私は…ずっと苦しかった。お父様を亡くされたばかりのアレットを傷つけたくなくて…。私…すぐに顔に出てしまうから…だから、会わないようにしていた…。けれど…このままじゃいけないと思う!」
「やめろおおおお!!」
「シェ、シェルダンッ? あなたまさか…っ 本当に…!?」
突然叫んだ息子に驚く子爵夫人。
自分の息子が婚約破棄を突き付けられ、理由が不貞行為という事に困惑している。
「い、いや、その…っ セ、セリルは思い違いをしているんだ、だから…っ」
「思い違いじゃないわっ 私見たもの! おじ様の葬儀の日、おば様の部屋であなたとおば様が口付けしているところを!!」
…あの日セリルの屋敷へ行き、彼女から聞かされた話は、私を絶望の淵へと追いやった。
『実は…実は私、シェルダンと…っ…おば様が…く、口付けをしているところをみてしまったの! …それから…別の日に二人がホテル街へ行くところも…っ!』
そう…シェルダンの不貞の相手はセリルではない。
私の母だった。
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