64bitの探偵~ゲームに寄り道は付き物~

色部耀

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第六章

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 渡瀬くんは私の推論を絵本を読み聞かせられている子供のような輝く笑顔で聴き続けてくれた。そんな顔で見られると調子に乗ってしまいそうだ。でもここで天狗になってはいけない。調子に乗った女の子になんてウザったいだけだ。分かってる。

 でも、そう言い聞かせてる内にだんだんと自信がなくなって来た。自信満々に言ったけど、もし違ってたらどうしよう……。私の内面ながら、情緒不安定な事この上ない。


「わ、渡瀬くん……どうかな?」


「うん! すごく面白かった!」


 面白かった――そう言う渡瀬くんの口とは裏腹に、その指先は素早くマウスを滑らせる。ソフトの使用履歴だろうか? 大量のアイコンがずらりと並ぶ。見慣れたアイコンから、見た事もないアイコンまで――。私に分かるものと言ったら、大学でレポートやプレゼンテーションに使うソフトくらいなもの。私自身、大学に入るまでまともにパソコンに触れてこなかったので、難しい事は分からない。

 色取り取りに並ぶアイコンの中から、私は小説執筆に使ったであろうテキストファイルや、どこかの旅行先の写真のファイルなどが目に止まる。知っているものには意識が向きやすいとは良く言ったものだけど、渡瀬くんには私とは違ったものが見えていたようだった。私が見た事もないアイコン。それを迷う事なくダブルクリックをした渡瀬くんは独り言のように呟く。


「あー、SFOだったか」


 エスエフオー? なんだろう? 特殊なソフトかなにかかな?


「ソードファンタジーオンライン。所謂MMORPGに分類されるオンラインゲームでね。略さずに言うと、マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム。大規模多人数同時参加型オンラインRPGなんて言われたりもする。簡単にどんなゲームかというと、広大なフィールドマップ上で不特定多数のプレイヤーが自分が操作するキャラクターでモンスターを倒したりする。そして、倒せないような敵をその不特定多数のプレイヤーと協力したりなんかして攻略していく……もちろん、リアルの友達なんかと一緒にプレイする人も多い。ちなみに、こういったオンラインRPGはギルドやチーム、クランなんていった集まりが存在するものでね。下矢田さんのおばあちゃんも熱心にプレイしていたのだろうから、おそらくどこかのギルドに所属しているんじゃないかな? 一応俺もちょっとプレイした事があるゲームだし、操作方法くらいは分かってる」


 私にはほとんど何を言っているのか分からなかったけど、つまりおばあちゃんはネットゲームをやっていたという事でいいのかな? でもなんで? どうして渡瀬くんはおばあちゃんがネットゲームをしていたと分かったんだろう。それに、十億と何の関係が? ん? 待って。十億との関係は分かったかもしれない。


「おばあちゃんは、この……なんたらオンラインってゲーム内でハリーって人と仲が良かった。それでその人に十億円を譲ろうと考えた!」


 既に私の推理には興味がないのか、渡瀬くんはログイン画面と表示されたところで固まっていた。キャラクター名の欄には初めから記入されていたけど、予想通りパスワード欄は何か打ち込まないといけないようだった。


「うん。まあ半分当たってると思うよ。はあ……パスワードか――」


 溜め息を吐いて頬杖を付く渡瀬くん。私の言葉にまるで興味がないかのようなつぶやき。男の人の物憂う雰囲気は嫌いじゃないけど、憂うと言うより憂鬱といった感じが気になった。


「とりあえず、打ち込んでみるか」


 そう言って目にも止まらぬ勢いでテンキーを叩く渡瀬くん。左手に私が書いたメモを、右手にテンキーを――。いやそれより……。


「渡瀬くん渡瀬くん。なんで私がさっき言ったパスワードを入れてくれないの?」


「あー……。実際に見て貰った方が早いから黙ってたんだけど……。まあ、細かい事は後にしよう。まず初めに、ここのパスワードは八桁から十桁なんだ」


 チーン……。どこからともなく風鈴の音が聞こえてくるようだった。多分私の頭の中だ。私がさっき自信満々に推理した事が容易く否定されてしまった。でもあれだけ大見得を切ってしまったのだから私も簡単に引き下がるわけにはいかない。


「じゃ、じゃあさ! 私が言ったパスワードを二回続けて打ってみてよ」


 二回繰り返せば丁度八文字。まだ可能性はある! 私が言い切るやいなや、渡瀬くんはキーボードを素早く弾く。今までで最も早いスピードだったかもしれない。


「やっぱりダメだね……仕方ない。裏技を使うか……」


 は、はは……もう私も笑うしかない。恥ずかしくて顔から火が出そうだ。火のように赤くなっているのは間違いない。……しばらく背中を向けておこうと思う。残念ながら渡瀬くんが考えていたと言う裏技に頼る事になってしまった。マルチタスクと言ってくれたけど、結局私は役に立てていない。寧ろ時間を取ってしまった。

 渡瀬くんが言う裏技……裏技となるとやっぱり――。


「パスワード解析ソフトか何か使うの?」


 さっきインターネットで調べてきた時に知った情報――パスワード解析ソフト。渡瀬くんの事だから、持ち歩いてるタブレットの中にパスワード解析ソフトが入っているなんて言われても不思議ではない。驚きはするだろうけど。


「確かにパスワードクラックソフトを使ってもいいけど……。類推攻撃は今試したから、やるなら総当りか――そうなると、ログイン処理負荷が高くなってサーバーに――あ、だめだ。流石にそこまですると不信ツール使用でアカウント停止にされかねない。……やっぱり俺が考えた裏技を試すよ」


 そう言うと、初めに表示されていたキャラクター名を削除し、違うキャラクター名を打ち込む渡瀬くん。Skywalk……渡瀬くんのキャラクターだろうか。空を歩いているかのような感覚を味わえる橋とかがスカイウォークって言われたりするけど……。ワタルから連想させたのかな?

 渡瀬くんが自分のキャラクターでログインすると3Dの鮮やかなグラフィックに目を奪われた。私が知っている最新のゲームはスマートフォンの小さなグラフィックのゲーム。今パソコン画面に表示されているものを見ると、もう実写と変わらないじゃん! って感想を抱いてしまう。

 実写と変わらないとは言ってもファンタジー設定のようで、巨大な竜が飛んでいたり色とりどりの魔法が飛び交っていたりと暫く映像だけを見ていても楽しめるんじゃないかと思えるほどに引き込まれた。
 オープニングムービーのようなものが終わると、いよいよ渡瀬くんがキャラクターを操作し始めた……あれ?


「キャラクターを動かすのって上下左右のキーじゃないの?」


 渡瀬くんが使っていたのはキーボードの左の方の文字キーとマウスだけだった。ああ……初めに渡瀬くんがパソコンに手を置いた瞬間の違和感……これだったのかもしれない。普通左手の人差し指はFの位置に来るはずなのに、渡瀬くんの人差し指はDの位置にあった。


「RPGやSTGなんかではマウスを視点操作に使う事が多いんだ。そういったゲームは、WASDキーと言って移動の前後左右をこの四つのキーに割り当てる事になってる。何百時間何千時間とプレイをしてると、この四つのキーが壊れやすい。だからゲーミングキーボードではこのWASDキーだけ形や耐久性に違いがあるものも多い。つまり、下矢田さんも目をつけたW・A・S・Dのキーの削れ具合……俺みたいなゲーマーからしてみれば当たり前の日常風景なんだよ。まあ、靴底が削れるようなものかな」


 パソコン内のフィールドを自由自在に駆け回る渡瀬くんのキャラクター。画面内で踊るように飛び回るキャラクターと同様に、いやそれ以上に激しく踊るような渡瀬くんの左指を見ると納得の一言だった。これなら文字が消えるほど削れてもおかしくない……と。


「さて本題。ハリーって人を探そう」


 画面に表示されるプレイヤー検索という文字。渡瀬くんはそこにHurryと打ち込んだ。検索結果は一件――。


「こいつだったらいいな……っと」


 Hurryさんのプロフィールから所属ギルド、所属ギルドからメンバー一覧……。流れるように情報をさらっていく渡瀬くん。一応俺もちょっとプレイした事があるゲームだし、操作方法くらいは分かってる……とか言ってたよね? ウソだよね? あれ絶対ウソだったよね? その証拠にログインしてから何人かから声をかけられている。有名人みたいだ。

 そんな私の疑心なんてなんのその。一通りメンバーを確認した渡瀬くんが溜め息を吐く。――それは私たちが探しているハリーさんではない事の証明に他ならなかった。裏技が機能しなかった……渡瀬くんが頭を抱えて次の作戦を考えているのが分かる。せわしなく動く渡瀬くんに遠慮して黙っていたけど、その時私はずっと疑問に思っていた事をやっと口に出せた。


「ねえ渡瀬くん?」


 気だるそうにこちらに向く視線。……ああなんだか渡瀬くんらしい視線だな。私の中の高校時代の渡瀬くんのイメージから変わらなくて安心したよ。


「ハリーって名前の綴りって、uじゃなくてaじゃない? Hurryだと急ぐ時に使う単語だし、Harryの方かな……って。ごめんね」


 なんだろう。他人の間違いをこれみよがしに指摘したようで、少し罪悪感に襲われたりなんかしたんだけど、案外存外渡瀬くんは大した反応もなく検索項目にHarryと打ち込む。間違いが即座に正せるのであれば、他人からの指摘も素直に受け入れ、余計なプライドは振りかざさない――。そんな感じなのかな? 最短ルートを最速で――そんな事を言うには相応の行動理念が有るという事だろう。

 そして、渡瀬くんが選択した最速――。検索結果は……一件あり――。


「これが本人ならいいな……」


 渡瀬くんはそう言いつつ、先ほどと同じ順序で捜索を続ける。ギルドメンバー一覧……ざっと目を通していた渡瀬くんは途中まで画面をスクロールしたところで手を止め、左手で小さくガッツポーズを取る。その俊敏な動きに私は驚きを隠せなかった。驚いて背筋を伸ばしてしまったから身長が少し伸びてしまったかもしれない。今なら百五十センチあるかも……。


「下矢田さんのおばあちゃんのキャラクター! いたぞ! ログイン履歴もちょうど命日の朝だ。間違いない!」


 テンションが急上昇した渡瀬くんは、パソコン画面に顔が近づいて行く。パソコン画面に顔を近づけたままの姿勢で両手をキーボードの上に置き、これまた目にも止まらぬ速さで何かを打ち込んでいく。渡瀬くんの態度の変化にばかり目が行っていた私は、急いでパソコン画面を覗き込む。

 ゲーム内のメール……みたいなやつだろうか。まるで社会人のような形式ばった書き方のメールを作っていた。お世話になっておりますから始まるそのメールには、おばあちゃんの死、その時に残された遺言、渡瀬くんが依頼を受けてハリーという人物を探している事について簡単に説明が書かれていた。そして、心当たりがおありならメッセージを待っています――と。

 渡瀬くんが作ったメールが送信されると、ほんの一分足らずでそのハリーさんからチャットでメッセージが届いた。


『アユさんが亡くなられたというのは本当でようか?』


 急いで打ち込んだのか、誤字もそのまま。とても驚きが伝わってくるメッセージだった。それに対して渡瀬くんは、何でもないような会話で返す。


『アユさんのプライベートについて、ハリーさんはどの程度ご存知ですか?』


「渡瀬くん。なんで今のタイミングでそんな事を聞くの?」


 最速を念頭に置いて調査をしていた渡瀬くんにしてはらしくない――。今のやりとりに私はそんな事を感じてしまった。おそらく、渡瀬くんはハリーさんが十億について知っている可能性が高いと思って、その情報を得ようとコンタクトをとったはず。それが裏技なんだろう。それなら、もっと端的に質問をぶつければいいはず。


「ネット上で知り合った人にプライベートな事を話さない人は多い。簡単に情報を出すと事件や犯罪に巻き込まれる可能性があると考えてね。それに、ネット上の架空世界で現実とは違う自分を演じている人だっているし……。もし、下矢田さんのおばあちゃんが前者であれ後者であれ、こちらから多くの情報を簡単に出すわけにはいかない」


 私はその言葉を聞いて、大学で入学早々に学んだ情報倫理の講義を思い出していた。その時にネットで流出した情報から発生した事件なんかをいくつか聞いた。渡瀬くんはそんなところにも気を張っているんだと、今更ながらに感心させられた。最短ルートを最速で――その為には他の物を犠牲にするという訳ではないみたいで安心した――というのもある。


『お孫さんの名前があゆみって言うからキャラネームがAyuなんだ……とか。結構包み隠さず話す方でしたから』


「まあ、なんとなく予想はしてたけど……。高齢の方は情報管理に危機感が無い人が多いからな」


 渡瀬くんは溜息混じりにそう言う。……多分私も簡単に情報を流すタイプだ――なんて言えそうにない。


『大体分かりました。唐突ですが、Ayuさんのログインパスをご存じですよね?』


 一つチャットを入れて、またもう一つ打ち込む渡瀬くん。今更パスワード? もうハリーさんが見つかったからいいんじゃないの?


『あなたに全財産を渡すように遺書に書かれていたので』


「え? 渡瀬くん? どういう事? 全財産なんて書いてなかったよ? 打ち間違いだよね?」


「いや。間違いじゃない。全財産なんだ」


 どういう事なんだろう? 私が考えている間にハリーさんからも直ぐに返事が来た。


『話は聞いていました。ゲームを辞めるときは私に財産を譲ると……でも』


 ハリーさんもここで一度チャットが止まる。……字数制限だろうか。


『こんな別れ方になるとは思っていませんでした。他の仲の良かったプレイヤー達と墓前に顔を出したいくらいです』


『それは、親族の方と直接やり取りをして決めてください。Ayu名義のキャラクターでログインするように言っておきます』


「え? これって私の事?」


「他に誰かいる?」


 突然まるなげされたような感覚に、私は思考が働かなかった。後で……うん。落ち着いたら考えよう。


『分かりました。パスワードはTAKARAMONOです。私はこの時間帯は大体ログインしてますので』


『ありがとうございます。それではAyuでログインし直します』


『いえ。こちらこそありがとうございました』


 渡瀬くんはそのままゲームを終わらせると、再びログイン画面を立ち上げる。


「渡瀬くん渡瀬くん。そろそろどういう事か説明してよ。ハリーさんに十億円の在り処を聞くんじゃなかったの?」


 私からの質問を聞きつつ、おばあちゃんのキャラクターでログインし直す渡瀬くん。パスワードはハリーさんに聞いたもので間違いないみたい。


「あー。そう勘違いしていたわけね。十億の話なんだけど、初めに気になっていた通り単位は円じゃないんだよ」


「どど、どういう事?」


「単位はソル。このゲーム内の通貨単位だよ。おばあちゃんはこのゲームをかなりやり込んでいて、そこで貯めた多額の資産を、同じゲームプレイヤーであるハリーさんに渡そうとしていた――という事だよ。十億ソル……一年やそこらプレイし続けて貯まる額じゃない。おばあちゃんも相当なゲーマーだよ」


 私はやっと頭の中で絡んでいた謎の糸が解れていくような感覚を得た。渡瀬くんの言動――なぜハリーさんからパスワードだけを聞いたのか、なぜ全財産で正しいのか、なぜハリーさんは十億を受け継ぐ話を聞いていたのか、なぜキーボードを見ただけで十億の答えまで辿り着いたのか――。

 私が十億がどれだけ大変なものか分かっているかって言った時に『多分下矢田さんより分かってるから』と言ったのはゲームの中のお金の事だったからか……。何のゲームであったとしても私よりも渡瀬くんの方がお金を稼ぐ大変さは分かってる。

 私がいちいち口を挟まなければ、もっと早く――それこそ最短ルートを最速で謎を暴いていたのかもしれない。……これでも相当に早いとは思うけど――。

 渡瀬くんはAyuでログインすると、所持金を確認する。――本当に十億以上だ。十億とは、やっぱりこの事だったんだ。


「下矢田さん――このあと、このアカウントでゲームしたいとか思う?」


「え、え? なんで? しないと思うよ。もしするとしても初めからするし。……しないと思うけど」


「分かった」


 渡瀬くんはそれだけを言うと、なにやらアイテムの一覧を見始めた。十五分くらいだろうか、アイテム一覧から全てのアイテムがなくなると、所持金がさっきの倍――二十億まで膨れ上がっていた。アイテムを売ったという事までは分かるんだけど……正直なところ、この技術が凄いのかどうかは分からない。


『ハリーさん、今から所持金の受け渡しをするのでB―16ブロックまで来てください』


「自分で所持金のやり取りをしてくれって言わなかったのは、お互いがログイン状態じゃないとやり取りができないからなんだ。下矢田さんにはこういう説明もしておいたほうがいいかな」


「あ、うん。助かるよ」


『今目の前にいます』


 フィールドでぴょんぴょんと跳ねながらハリーさんはチャットを送ってきた。ジャンプするのはネットゲームのマナーかなにかだろうか?

 その後、特に変わった事もなくお金の受け渡しが終わった。想像以上の金額だったのか、ハリーさんは驚きを顔文字をたくさん使って表現していた。……ハリーさんは女性なのだろうか?


「よし! これで第一ステージクリア――だな」


 デスクチェアで背伸びをしながら親父臭く、あーっと呻き声を吐く渡瀬くん。随分リラックスしてるみたい。これで一番の問題は解決した。残りは急ぐ必要も無さそうだし、渡瀬くんが見つけてきたであろうポイントカードの連絡先に電話して聞けばいい。


「ありがとう渡瀬くん。あとは私の方でやっとくよ」


「ああ、そうだな。ハリーさんも墓参りに行きたいって言ってたからな」


 えっと……そういう事じゃないんだけど――。


「よし、第二ステージもさっさと終わらせるか」


 渡瀬くんは元の猫背に戻り、ポケットに入れていたポイントカードを机の上に広げた。
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