6 / 16
第五章
しおりを挟む
十億は存在する――私はその言葉を聞いて頭の中が真っ白になった。と言うより、一瞬完全に思考が停止してしまった。存在する? ある? へ? えぇぇー!?
「十億――あるの? なんで? なんであるの? それよりパソコン見て分かるってなに? え? どういう事? あるの?」
「下矢田さん……下矢田さん……ちょっと落ち着いて。興奮しないで。あと、痛いから腕叩かないで」
興奮と言うより混乱と言ったほうが正しい。いや、渡瀬くんが言った言葉が正しくないからと言って、渡瀬くんを叩いていい理由にはならないけど……。それより私自身が落ち着く事ができた理由が、渡瀬くんに不用意に触れてしまっていた事が恥ずかしくなって――だなんて言えない。好きな男性ではないとは言え、男性は男性だ。
「ひとまず落ち着いてくれたようでよかった。落ち着いてくれたところで提案なんだけど」
渡瀬くんはデスクチェアから立ち上がると、私から一歩身を引いて言った。私から一歩身を引いて行った。……そんなに距離を置かなくてもいいのに――。私の行き場を失った右手は力なく空を掴む。ああ、空気は優しい。いつもそばにいてくれるんだもの。あはは……。
「この十億の問題なんだけど、確認しようにも、おそらく四桁から十二桁のパスワードが必要になる。下矢田さんはそのパスワードにあたりをつけて欲しい。銀行の暗証番号でも、どこかの会員ナンバーでもなんでもいい。思いつく限りデスクに置いてあるメモ帳に書いていってくれ」
「パスワード?」
「そう。その間に俺は時計の方の捜索にまわる事にする。せっかく二人いるんだ、マルチタスクを組んだほうが早い。俺は最速で帰りたい。まあ正直な話……十億の方に興味が無くなっただけなんだけど――」
「興味無くなった? 十億だよ十億! 十億がどれだけ大変なものか分かってる?」
「分かってる。多分下矢田さんより分かってるからそんなに詰め寄ってこないで」
「だ、だよねー」
実際に自分でお金を稼いでいるわけだし、私よりもお金の価値を分かっていて当然か……。それよりも、近寄らないでなんて流石に酷い……。
「それで、渡瀬くんはこれからどこを探すつもりなの?」
「ああ、ちょっとポイントカードを探そうかと」
ポイントカード? 所謂、お店とかで買い物をするとポイントが貯まって割引とかに使えるっていうあれ? 一体そんなもので渡瀬くんは何をしようというのだろう――。しばらく意図が分からなかったけど、少し考えると私にもその理由の見当がついた。
「あ! 分かった! 時計屋のポイントカード! おばあちゃんが時計屋に修理に出しているかもしれないからそれを探して聞きに行くつもりなんだ!」
「まあそんなところ。カード類が置いてある場所……知ってたら教えてくれる?」
「それなら、さっきまでいたキッチンの冷蔵庫の横に木目調の棚があったでしょ? 引き出しが四段あって……多分その一番上の段どこかにあるはず。適当に漁って探しちゃっていいから」
「サンキュ」
簡単にお礼を告げると、そそくさとキッチンへ向かう渡瀬くん――。さて。渡瀬くんが戻ってくるまでにパスワードを書き出しておこう。
銀行の暗証番号――おばあちゃんの生年月日――おじいちゃんの生年月日――おじいちゃんの命日――お父さんの生年月日――おばあちゃんの結婚記念日――お父さんの結婚記念日――私の誕生日――おばあちゃんの作家活動のペンネーム――とまあ、今すぐ分かるのはこのくらいかな。
私がそれを書き出しても、まだ渡瀬くんが戻ってくる気配はない。まだパスワードを考える猶予はある。
……ネットでパスワードの調べ方でも調べてみようかな。そう思って、渡瀬くんが帰ってくるまでの間少しでも有力な候補を考えるために、さっき渡瀬くんが慣れた手つきで起動させたパソコンに触れた。ネットで様々な検索ワードでパスワードの調べ方、暗証番号の調べ方を検索する。出てきたのはパスワード解析ソフトなるものだったりしたけど、私は基本的にはパソコン音痴な為、こういう怪しいものは怖くて手が出せない。色々な調べ方が出てきた中で、某掲示板で面白い情報が見つかった。
それによると、企業の暗証番号入力の機械は鉛筆の粉を吹きかけると指紋が検出されるからどのキーがよく使われているか分かるとか。他にも、管理が杜撰だと使うキーが削れていたりするのでそこから推測できるのだとか……。リンクで動画が貼られており、映画のワンシーンが映されていた。――スパイ映画のワンシーン、見覚えがある。
なるほど。このパソコンを見てパスワードが必要だと渡瀬くんは言った。つまりこのパソコンを使って何度もパスワードを入力しているはず。だったら、このパソコンのキーボードにも手がかりが隠されているんじゃないか。――流石の渡瀬くんもそんなところには目がつけられなかっただろう。キーボードを見ると、明らかに他のキーよりも削れているものが四つ……。
『A W S D』
これは確実な手がかりだ。この四文字……この四文字を使って作られた単語がパスワードで間違いない。他に削れているキーと言えば左側のシフトキーとエンターだけ。でも、四桁から十二桁の単語となると流石にあたりをつけるのは難しい――。と思ったけど、ふと一つの単語が思い浮かんだ。こう見えても理系女子大生。英語が出来てなんぼだ。来月英語の試験が控えている人間の英語力を舐めてもらっては困る。
「ふふふ。これは渡瀬くんが帰ってきたら一発でパスワードを解いて驚かせられるかも」
「なんだ。パスワード分かったのか。一応裏技は考えてたんだけどな」
「ふょっ!!」
私の肩口から顔を出してパソコン画面を覗き込んでくる渡瀬くん。私は驚いて変な声が出てしまった。洗いたてのようなサラサラな髪が私の顔のそばに……。誰だろうと関係なく、男の人が近いと緊張するんだって! ああ、シャンプーのいい匂いがする。やばい……赤面症だから絶対に顔が赤くなってる……。恥ずかしい――こんな時はいつも通り両手で顔を覆っておけばいい。その内おさまるはず。
「まあ、仕方ないだろう。大好きだったおばあちゃんちなんだから思い出してしまっても」
……? 渡瀬くんはスーっと身を引くと何を勘違いしたのか、訳の分からない事を言う。でもそのおかげで顔の熱も早く引いてくれそう。
「落ち着いたら、席を代わってくれないか? パスワード入力の画面を立ち上げるから」
「あ、うん。ごめんね」
一応顔を押さえたまま立ち上がって渡瀬くんに席を譲る。指の隙間から見える渡瀬くんの顔は私の方を全く見ない。――渡瀬くんなりの気遣いだろうか? いや、多分気のせいだろう。ただ作業に集中しているだけ――。渡瀬くんはさっきまで私が座っていたデスクチェアに深く腰掛ける。そんなにしっかり座ったら私がどんな体温で座っていたのか渡瀬くんに伝わってしまう――なんて考えるあたり、やっぱり私はおかしいのかもしれない。
私がそんな変な事を考えている間に、渡瀬くんは慣れた手つきでマウスを握り左手をそっとキーボードの上に置いた――ん? なにか違和感が……。
「ところで、パスワードが分かったみたいだけど」
ところで、パスワードが分かったみたいだけど、早く教えてくれ――。教えてという言葉を口にするのも省略したいのだろうか。将来的には、会話が『あれ』ばかりになる人かも知れない。渡瀬くんの奥さんになるような人は『あれ』を全て理解できる人なのだろう。あれを取ってくれ、はいはい醤油ね――みたいな感じで。でもそういうのにも少なからず憧れはある。以心伝心の夫婦というのも見ていて格好いい。
「下矢田さん?」
「あ、ごめんごめん」
やっぱり会話中に妄想するべきではないかな。この反省は今後に生かそう。
「パスワード……だよね。じゃあ、私の謎解きを聞いてもらいましょう! まず渡瀬くん、その左手が置いてあるキーボードをご覧下さい」
名探偵さながらに自信満々に指をさして指示を飛ばす。渡瀬くんは私の指示通りに左手を持ち上げてキーボードを確認する。心なしか渡瀬くんの顔が楽しげに見える。ゲーム好きの渡瀬くんの事だ。謎解きもゲーム感覚なのかもしれない。
「私はそのキーボードで気が付いたのです。四つだけ妙に削れているキーがある事に」
「WASDキーだな」
「そう。A・W・S・D――この四つのキーだけが他のキーに比べて妙に削れています」
「流石下矢田さん。目の付け所がいいね」
「でしょ? もっと褒めてもっと褒めて!」
「下矢田さん。口調がおかしくなってる」
「ごほんごほん。失礼しました」
渡瀬くんの指摘で絶対に顔が赤くなっている。自信がある。でもあえて隠さずに話を続けようと思う。……そむけはするけど――。
「この四文字……並び替えると一つの単語ができるんです。渡瀬くん……分かりますか?」
「いや。俺は英語はプログラミングに使う最低限度しか覚えてないから。必要な事は必要な時に覚えればいいし」
「確かにプログラミングと言わずとも、あまり多用するような単語ではありません。しかし、十億という大金には相応の単語なんです。たくさん……多量の意味も持つ単語――」
渡瀬くんは目を輝かせて聞いてくれている。そんな視線を向けられてテンションを上げるななんて言う方が無理がある。私は指を立てて背筋を伸ばして言う。
「Wads――Wads of moneyでたくさんのお金……なんて表現にも使われる言葉です」
「十億――あるの? なんで? なんであるの? それよりパソコン見て分かるってなに? え? どういう事? あるの?」
「下矢田さん……下矢田さん……ちょっと落ち着いて。興奮しないで。あと、痛いから腕叩かないで」
興奮と言うより混乱と言ったほうが正しい。いや、渡瀬くんが言った言葉が正しくないからと言って、渡瀬くんを叩いていい理由にはならないけど……。それより私自身が落ち着く事ができた理由が、渡瀬くんに不用意に触れてしまっていた事が恥ずかしくなって――だなんて言えない。好きな男性ではないとは言え、男性は男性だ。
「ひとまず落ち着いてくれたようでよかった。落ち着いてくれたところで提案なんだけど」
渡瀬くんはデスクチェアから立ち上がると、私から一歩身を引いて言った。私から一歩身を引いて行った。……そんなに距離を置かなくてもいいのに――。私の行き場を失った右手は力なく空を掴む。ああ、空気は優しい。いつもそばにいてくれるんだもの。あはは……。
「この十億の問題なんだけど、確認しようにも、おそらく四桁から十二桁のパスワードが必要になる。下矢田さんはそのパスワードにあたりをつけて欲しい。銀行の暗証番号でも、どこかの会員ナンバーでもなんでもいい。思いつく限りデスクに置いてあるメモ帳に書いていってくれ」
「パスワード?」
「そう。その間に俺は時計の方の捜索にまわる事にする。せっかく二人いるんだ、マルチタスクを組んだほうが早い。俺は最速で帰りたい。まあ正直な話……十億の方に興味が無くなっただけなんだけど――」
「興味無くなった? 十億だよ十億! 十億がどれだけ大変なものか分かってる?」
「分かってる。多分下矢田さんより分かってるからそんなに詰め寄ってこないで」
「だ、だよねー」
実際に自分でお金を稼いでいるわけだし、私よりもお金の価値を分かっていて当然か……。それよりも、近寄らないでなんて流石に酷い……。
「それで、渡瀬くんはこれからどこを探すつもりなの?」
「ああ、ちょっとポイントカードを探そうかと」
ポイントカード? 所謂、お店とかで買い物をするとポイントが貯まって割引とかに使えるっていうあれ? 一体そんなもので渡瀬くんは何をしようというのだろう――。しばらく意図が分からなかったけど、少し考えると私にもその理由の見当がついた。
「あ! 分かった! 時計屋のポイントカード! おばあちゃんが時計屋に修理に出しているかもしれないからそれを探して聞きに行くつもりなんだ!」
「まあそんなところ。カード類が置いてある場所……知ってたら教えてくれる?」
「それなら、さっきまでいたキッチンの冷蔵庫の横に木目調の棚があったでしょ? 引き出しが四段あって……多分その一番上の段どこかにあるはず。適当に漁って探しちゃっていいから」
「サンキュ」
簡単にお礼を告げると、そそくさとキッチンへ向かう渡瀬くん――。さて。渡瀬くんが戻ってくるまでにパスワードを書き出しておこう。
銀行の暗証番号――おばあちゃんの生年月日――おじいちゃんの生年月日――おじいちゃんの命日――お父さんの生年月日――おばあちゃんの結婚記念日――お父さんの結婚記念日――私の誕生日――おばあちゃんの作家活動のペンネーム――とまあ、今すぐ分かるのはこのくらいかな。
私がそれを書き出しても、まだ渡瀬くんが戻ってくる気配はない。まだパスワードを考える猶予はある。
……ネットでパスワードの調べ方でも調べてみようかな。そう思って、渡瀬くんが帰ってくるまでの間少しでも有力な候補を考えるために、さっき渡瀬くんが慣れた手つきで起動させたパソコンに触れた。ネットで様々な検索ワードでパスワードの調べ方、暗証番号の調べ方を検索する。出てきたのはパスワード解析ソフトなるものだったりしたけど、私は基本的にはパソコン音痴な為、こういう怪しいものは怖くて手が出せない。色々な調べ方が出てきた中で、某掲示板で面白い情報が見つかった。
それによると、企業の暗証番号入力の機械は鉛筆の粉を吹きかけると指紋が検出されるからどのキーがよく使われているか分かるとか。他にも、管理が杜撰だと使うキーが削れていたりするのでそこから推測できるのだとか……。リンクで動画が貼られており、映画のワンシーンが映されていた。――スパイ映画のワンシーン、見覚えがある。
なるほど。このパソコンを見てパスワードが必要だと渡瀬くんは言った。つまりこのパソコンを使って何度もパスワードを入力しているはず。だったら、このパソコンのキーボードにも手がかりが隠されているんじゃないか。――流石の渡瀬くんもそんなところには目がつけられなかっただろう。キーボードを見ると、明らかに他のキーよりも削れているものが四つ……。
『A W S D』
これは確実な手がかりだ。この四文字……この四文字を使って作られた単語がパスワードで間違いない。他に削れているキーと言えば左側のシフトキーとエンターだけ。でも、四桁から十二桁の単語となると流石にあたりをつけるのは難しい――。と思ったけど、ふと一つの単語が思い浮かんだ。こう見えても理系女子大生。英語が出来てなんぼだ。来月英語の試験が控えている人間の英語力を舐めてもらっては困る。
「ふふふ。これは渡瀬くんが帰ってきたら一発でパスワードを解いて驚かせられるかも」
「なんだ。パスワード分かったのか。一応裏技は考えてたんだけどな」
「ふょっ!!」
私の肩口から顔を出してパソコン画面を覗き込んでくる渡瀬くん。私は驚いて変な声が出てしまった。洗いたてのようなサラサラな髪が私の顔のそばに……。誰だろうと関係なく、男の人が近いと緊張するんだって! ああ、シャンプーのいい匂いがする。やばい……赤面症だから絶対に顔が赤くなってる……。恥ずかしい――こんな時はいつも通り両手で顔を覆っておけばいい。その内おさまるはず。
「まあ、仕方ないだろう。大好きだったおばあちゃんちなんだから思い出してしまっても」
……? 渡瀬くんはスーっと身を引くと何を勘違いしたのか、訳の分からない事を言う。でもそのおかげで顔の熱も早く引いてくれそう。
「落ち着いたら、席を代わってくれないか? パスワード入力の画面を立ち上げるから」
「あ、うん。ごめんね」
一応顔を押さえたまま立ち上がって渡瀬くんに席を譲る。指の隙間から見える渡瀬くんの顔は私の方を全く見ない。――渡瀬くんなりの気遣いだろうか? いや、多分気のせいだろう。ただ作業に集中しているだけ――。渡瀬くんはさっきまで私が座っていたデスクチェアに深く腰掛ける。そんなにしっかり座ったら私がどんな体温で座っていたのか渡瀬くんに伝わってしまう――なんて考えるあたり、やっぱり私はおかしいのかもしれない。
私がそんな変な事を考えている間に、渡瀬くんは慣れた手つきでマウスを握り左手をそっとキーボードの上に置いた――ん? なにか違和感が……。
「ところで、パスワードが分かったみたいだけど」
ところで、パスワードが分かったみたいだけど、早く教えてくれ――。教えてという言葉を口にするのも省略したいのだろうか。将来的には、会話が『あれ』ばかりになる人かも知れない。渡瀬くんの奥さんになるような人は『あれ』を全て理解できる人なのだろう。あれを取ってくれ、はいはい醤油ね――みたいな感じで。でもそういうのにも少なからず憧れはある。以心伝心の夫婦というのも見ていて格好いい。
「下矢田さん?」
「あ、ごめんごめん」
やっぱり会話中に妄想するべきではないかな。この反省は今後に生かそう。
「パスワード……だよね。じゃあ、私の謎解きを聞いてもらいましょう! まず渡瀬くん、その左手が置いてあるキーボードをご覧下さい」
名探偵さながらに自信満々に指をさして指示を飛ばす。渡瀬くんは私の指示通りに左手を持ち上げてキーボードを確認する。心なしか渡瀬くんの顔が楽しげに見える。ゲーム好きの渡瀬くんの事だ。謎解きもゲーム感覚なのかもしれない。
「私はそのキーボードで気が付いたのです。四つだけ妙に削れているキーがある事に」
「WASDキーだな」
「そう。A・W・S・D――この四つのキーだけが他のキーに比べて妙に削れています」
「流石下矢田さん。目の付け所がいいね」
「でしょ? もっと褒めてもっと褒めて!」
「下矢田さん。口調がおかしくなってる」
「ごほんごほん。失礼しました」
渡瀬くんの指摘で絶対に顔が赤くなっている。自信がある。でもあえて隠さずに話を続けようと思う。……そむけはするけど――。
「この四文字……並び替えると一つの単語ができるんです。渡瀬くん……分かりますか?」
「いや。俺は英語はプログラミングに使う最低限度しか覚えてないから。必要な事は必要な時に覚えればいいし」
「確かにプログラミングと言わずとも、あまり多用するような単語ではありません。しかし、十億という大金には相応の単語なんです。たくさん……多量の意味も持つ単語――」
渡瀬くんは目を輝かせて聞いてくれている。そんな視線を向けられてテンションを上げるななんて言う方が無理がある。私は指を立てて背筋を伸ばして言う。
「Wads――Wads of moneyでたくさんのお金……なんて表現にも使われる言葉です」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる