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1章
22話:悪夢①
しおりを挟む夢を見た。
とても.......とても辛い夢.......
苦しくて悲しくて.......
ひたすら早く目覚める事を願っていた夢.......
夢から目覚めたと思った.......
僕を苦しめる人はいなくなって、とても可愛い相棒が居て.....皆さんが居て.......
僕の事を知った上で関係を壊さないでくれた優しい皆さん.......
これからだと思った.......
でも、勘違いだった.......夢は夢.......目覚める事をあの人は許してくれなかった.....
嘲笑った.......ニヤけた口元が動く.......
お前は俺のものだ.......と
「うわぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁ!!!!」
【セナ!?】
「ごめんなさいっ!!.......ごめんなさいっ!!!」
涙が溢れて止まらない.....
与えられた恐怖で頭が真っ白になる....
「セナ!落ち着くんだ!.......っ!」
その言葉と共に僕をふわっと包む.......
「あ''ぁ......あ.......?.......はぁ....はぁ.......?」
暖かい体温......普段家族以外の誰かこの距離に来ると過呼吸を起こすのに.......
不思議と落ち着く.....
優しい声.......
【セナ?だいじょうぶ?いくたくない?】
「そうだ.......慌てなくていい....大丈夫だ.......」
「起きたんスね!?!?大丈夫っすか!?」
「クリスの言う通りだ慌てず、深呼吸だ」
.......此処に、居たい.......ずっと.......ずっと....
知り合って間もないし、それこそ短い付き合いだし、これから王国に行くまでの間かもしれないけど.......その間だけでも.......皆さんと.......
「.......ひっぐ.....えっぐ.......グスッ.......うぅ.......」
「落ち着いたか?」
「はい.......取り乱してすみませんでした......」
しばらくの間、号泣していた僕を何も言わずに見守ってくれた皆さんにベットの上からだけ土下座していた。
「気にしなくて良い.....今までの話を聞いていれば人混みの視線に敏感になるのも無理はない。セナを不快にさせた視線は私達も気づいていた、ハンスが使い魔を貼り付けたって言っていたが.......」
「ダメっす逃げられました......スキルも弾かれたし....関わらない方が良いっすマジで。セナくんに手を出すっつんなら仕方なく応戦する程度で、早くこの街からも引き上げた方が良いっすね下手したらクリスさんやフェールズさんと同等なんで」
「.......そうか....ハンスのスキルを弾いたか.....セナ、悪いが報復は色々終わって仲間と合流した後になりそうだな」
「ほ、ほうふく?」
「当たり前だろう?ドラゴンの長の子供と契約した君に害を成すようであれば国の敵だ」
え.......
【ぼくも!!ゆるさない!ぜったいに!!】
「い、いやダイズ.......僕は大丈夫だよ......み、皆さんも落ち着いて.......大丈夫ですから.....ちょっと気が緩んでた所にトラウマが飛び込んで来たというか.......そんな感じですから!」
「いや、許さない。彼奴は俺が必ず仕留めよう」
く、クリスさぁん.....
即答してくれたのはとても嬉しい....嬉しいけど.......
「あの人の危険さは僕が一番分かってる.......と思います....ですので、皆さんが不快になるぐらいなら関わりたくないのが本心なんです.......」
「.......セナ....」
分かって貰えたかな?
「分かった.......では、これから関わらない為に仕留めて来よう」
全然分かって貰えなかった()
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