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助けられて
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男性たちと貴族であろう女の子の会話から、彼らが騎士であることを確認した。
やっぱりね…と思いながら、地面と擦れたため腕や脚から血を流している私は抱き上げられ、別の騎士の元へと連れていかれた。
恐らく治療するのだろう。しかし、慣れない運動をさせられたり、大声で喋ったせいか強い眠気に襲われた私は、抵抗することなく瞼を閉じた。
目を覚ますと、騎士に抱えられながら馬に乗っていた。
「目が覚めたかい?」
優しくかけられた声に少し肩を跳ねさせながら小さく頷き、周りを見渡す。
進行方向には灯りが見え、数十分すればそこに着くだろう。
ほかの馬には子どもが乗っていない。
恐らく前を走っている馬車に子どもたちが乗せられているのだろう。
なぜ私を馬車に乗せなかったのか聞くために騎士を見上げると、それに気付いたように苦笑いをこぼした。
「君を硬い馬車に寝かせたくなかったからね」
ならば貴族の令嬢を硬い馬車に座らせておくのはいいのだろうか。
そのような疑問が浮かんだが、壊れ物を扱うように優しく触れてくる腕に、その疑問は解消した。
面倒なことになりそうだ。そう思いながら未だに重い瞼をゆっくりと閉じた。
体を揺さぶられる感覚に目を覚ますと、いつの間にか大きな街に着いていた。
街の入口に目を向ければ、複数人の大人たちがが立っていた。
「ママ、パパー!!」
彼らは泣きながら抱きついてきた子どもたちをきつく抱きしめていた。
捕まっていた子たちの親だったらしい。
「ルイーゼ!!」
一際大きな声が聞こえたと思ったら、身分の高そうな人が貴族であろう女の子に向かって走ってくる。
「お父様!」
「屋敷から出てはダメだと言っただろう!?意地悪ではなくお前のためを思って言っていたんだ」
「…だって、お父様が平民がどのように暮らしているか知ったら、立派な淑女になれるって言ったから…」
「ああ、そうだね。でも、心配するから勝手に動くのはやめてくれ…」
暗くて顔は見えないが、恐らく眉を下げ情けない顔をしているだろう。娘に甘々な発言に何故か感心した。
「ねぇ、ここ、どこ?」
馬から降りても未だに私を離さない騎士に問うと、柔らかな表情を作り答えてくれた。
「ここは王都だよ。城下町だ。君の親御さんは来てないのかい?」
「…うん。来ないよ。絶対」
面倒事になりそうだと思いながら答える。
「それはどういう…」
不思議そうな顔をした騎士が真実に辿り着く前に、言葉を重ねる。
「私は、ここに住んでいない。たぶん、森の向こうの村に、住んでた」
やっぱりね…と思いながら、地面と擦れたため腕や脚から血を流している私は抱き上げられ、別の騎士の元へと連れていかれた。
恐らく治療するのだろう。しかし、慣れない運動をさせられたり、大声で喋ったせいか強い眠気に襲われた私は、抵抗することなく瞼を閉じた。
目を覚ますと、騎士に抱えられながら馬に乗っていた。
「目が覚めたかい?」
優しくかけられた声に少し肩を跳ねさせながら小さく頷き、周りを見渡す。
進行方向には灯りが見え、数十分すればそこに着くだろう。
ほかの馬には子どもが乗っていない。
恐らく前を走っている馬車に子どもたちが乗せられているのだろう。
なぜ私を馬車に乗せなかったのか聞くために騎士を見上げると、それに気付いたように苦笑いをこぼした。
「君を硬い馬車に寝かせたくなかったからね」
ならば貴族の令嬢を硬い馬車に座らせておくのはいいのだろうか。
そのような疑問が浮かんだが、壊れ物を扱うように優しく触れてくる腕に、その疑問は解消した。
面倒なことになりそうだ。そう思いながら未だに重い瞼をゆっくりと閉じた。
体を揺さぶられる感覚に目を覚ますと、いつの間にか大きな街に着いていた。
街の入口に目を向ければ、複数人の大人たちがが立っていた。
「ママ、パパー!!」
彼らは泣きながら抱きついてきた子どもたちをきつく抱きしめていた。
捕まっていた子たちの親だったらしい。
「ルイーゼ!!」
一際大きな声が聞こえたと思ったら、身分の高そうな人が貴族であろう女の子に向かって走ってくる。
「お父様!」
「屋敷から出てはダメだと言っただろう!?意地悪ではなくお前のためを思って言っていたんだ」
「…だって、お父様が平民がどのように暮らしているか知ったら、立派な淑女になれるって言ったから…」
「ああ、そうだね。でも、心配するから勝手に動くのはやめてくれ…」
暗くて顔は見えないが、恐らく眉を下げ情けない顔をしているだろう。娘に甘々な発言に何故か感心した。
「ねぇ、ここ、どこ?」
馬から降りても未だに私を離さない騎士に問うと、柔らかな表情を作り答えてくれた。
「ここは王都だよ。城下町だ。君の親御さんは来てないのかい?」
「…うん。来ないよ。絶対」
面倒事になりそうだと思いながら答える。
「それはどういう…」
不思議そうな顔をした騎士が真実に辿り着く前に、言葉を重ねる。
「私は、ここに住んでいない。たぶん、森の向こうの村に、住んでた」
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