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1章
2間奏-起床
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『コンコン』
ーー朝、奏太はノックの音で眠りから醒めた。
おぼろげな視界には、見慣れぬ天井が映る。
「う~ん。昨日はいつ寝たんだっけ……。」
目を擦りながら、もぞもぞと寝返りを打つ。
「はっ!講義に行かないと!」
奏太が勢いよく布団をはね除けて起き上がると、そこは自分の部屋とは、全く異なる場所だった。
「あ、そうか……。昨日異世界に召喚されて、宿屋に泊まったんだった。」
まるで起きてからもまだ夢を見ているかのような感覚に襲われるが、冴えた視界が、昨日の出来事が夢では無かったことを実感させる。
「奏太さ~ん、一緒に朝御飯を食べに行きませんか?」
ドアの向こうから響子の声がする。
「すみません、今行きます。」
奏太が慌ててドアを開けると、そこには既に身支度を終えた響子が立っていた。
昨日とは違い、今日は国王から支給された衣服を着ている。
髪は後ろで束ね、ワンピースの上にショールを羽織り、腰をベルトで締めている。
更に、和服を着ていた時には着痩せして目立たなかったが、今は大きな胸がしっかりと主張を見せている。
恐らくこの国の庶民が着る、シンプルなデザインの服だが、和服とはまた違った色気があり、思わず見とれてしまう。
「もう金重さんも起きてますので、一緒に行きましょう。」
ーーしまった。俺だけ寝過ごしてしまったか。
2人にばつ悪く頭を掻くと、お腹が『ぐるる』と鳴り、恥を上乗せしてしまう。
「そういえば昨日はなにも食べずに寝ちゃったのか。
2人はあの後何か食べたんですか?」
そう聞きながら、金重と響子がお洒落なお店でディナーを交わす様子を思い浮かべる。
まさか金重の奴、抜け駆けしてないだろうな。
そんな不安に駆られるもーー
「いえ、昨日は疲れたので私もすぐに寝ました。
ですから私もお腹ペコペコです。」
響子が照れながら、両手でお腹を押さえる様子に、奏太の雑念が吹き飛ぶ。
響子さん、朝から可愛くて癒されるなぁ~。
思わず奏太の顔がほころぶ。
「じゃあ下で待ってますので、準備が済んだら降りてきてくださいね。」
そういうと、響子は扉を締めてロビーに向かった。
早く準備を済ませないと。
奏太は部屋の中に洗面所らしき場所を見つけ、身支度に取り掛かる。
するとそこには、洗面台のようなものがあった。隣には、トイレが置いてあり、奥にはバスタブとシャワーノズルがある。
しかし、肝心の水栓が無い。
一体どうやって水を出すんだ?
日本にある水道のように、手をかざせばセンサーが反応して水が出てくるのを想像して、蛇口に手をかざしてみるが、反応はない。
水栓を探してみると、蛇口付近に黒曜石のような丸い石が2つついている。
触ってみても何も反応しないが、どうみてもこれが怪しい。
試しに右側の石に魔力を少し込めてみる。
すると、ジョボジョボと蛇口から水が出てきた。
左側の石に魔力を込めてみると、今度はお湯が出てきた。
なるほど、魔力で水やお湯を出す仕組みなのか。
水はすぐに止まったが、魔力を強めに込めてみると、水の出る時間が長くなった。
奏太は水が止まる前に顔を洗い、寝癖を直した。
歯ブラシ類は……流石にビジネスホテルのように使い捨ては置いていないか。
今日街へ出た時に買いに行くとしよう。
あまり響子と金重を待たせるのも悪いので、支度を済ませて急いでロビーへ向かう。
下で待っていた2人に謝罪し、3人は腹ごしらえをしに、宿を後にしたーー
「ーー奏太殿、今日はどうするつもりでござるか?」
「食事が終わったら生活に必要な物を買おう。
その後は一旦宿に戻ったら、武器や防具を身に付けて冒険者ギルドに行こうと思う。」
初日から武器を使う事になるかは分からないが、冒険者ギルドに行くのだから、それなりに冒険者らしい格好をしといた方が無難だろう。
それに、今の自分達にもこなせそうなクエストがあったら、今後の生活資金の為にも、早めに挑戦していった方が良い。
「早速冒険でござるか! 小生日本ではあまり外に出なかったでござるが、RPGのゲームはよくやっていたでござるから、冒険はワクワクするでござる!」
冒険ファンタジーはオタク心をくすぐるのか、意外にも金重がやる気を見せる。
確かに奏太も多少の不安はあるが、楽しみな気持ちの方が大きかった。
「私はちゃんとお役に立てるか心配です……。」
対する響子は、か弱い乙女らしく不安を口にする。
「もし響子さんに何かあったら、俺が命がけで守りますので安心してください。」
奏太は自信満々にキザなセリフを吐き、響子の不安を和らげる。
「あ! あそこにレストランがありますよ!」
スルーかよ!
うなだれる奏太を他所に、響子が手頃な店を見つけた。
「じゃあそこで朝食にしましょうか。」
何にせよまずは腹ごしらえだ。奏太は気を取り直し、2人を引き連れ店に入ったーー
ーー朝、奏太はノックの音で眠りから醒めた。
おぼろげな視界には、見慣れぬ天井が映る。
「う~ん。昨日はいつ寝たんだっけ……。」
目を擦りながら、もぞもぞと寝返りを打つ。
「はっ!講義に行かないと!」
奏太が勢いよく布団をはね除けて起き上がると、そこは自分の部屋とは、全く異なる場所だった。
「あ、そうか……。昨日異世界に召喚されて、宿屋に泊まったんだった。」
まるで起きてからもまだ夢を見ているかのような感覚に襲われるが、冴えた視界が、昨日の出来事が夢では無かったことを実感させる。
「奏太さ~ん、一緒に朝御飯を食べに行きませんか?」
ドアの向こうから響子の声がする。
「すみません、今行きます。」
奏太が慌ててドアを開けると、そこには既に身支度を終えた響子が立っていた。
昨日とは違い、今日は国王から支給された衣服を着ている。
髪は後ろで束ね、ワンピースの上にショールを羽織り、腰をベルトで締めている。
更に、和服を着ていた時には着痩せして目立たなかったが、今は大きな胸がしっかりと主張を見せている。
恐らくこの国の庶民が着る、シンプルなデザインの服だが、和服とはまた違った色気があり、思わず見とれてしまう。
「もう金重さんも起きてますので、一緒に行きましょう。」
ーーしまった。俺だけ寝過ごしてしまったか。
2人にばつ悪く頭を掻くと、お腹が『ぐるる』と鳴り、恥を上乗せしてしまう。
「そういえば昨日はなにも食べずに寝ちゃったのか。
2人はあの後何か食べたんですか?」
そう聞きながら、金重と響子がお洒落なお店でディナーを交わす様子を思い浮かべる。
まさか金重の奴、抜け駆けしてないだろうな。
そんな不安に駆られるもーー
「いえ、昨日は疲れたので私もすぐに寝ました。
ですから私もお腹ペコペコです。」
響子が照れながら、両手でお腹を押さえる様子に、奏太の雑念が吹き飛ぶ。
響子さん、朝から可愛くて癒されるなぁ~。
思わず奏太の顔がほころぶ。
「じゃあ下で待ってますので、準備が済んだら降りてきてくださいね。」
そういうと、響子は扉を締めてロビーに向かった。
早く準備を済ませないと。
奏太は部屋の中に洗面所らしき場所を見つけ、身支度に取り掛かる。
するとそこには、洗面台のようなものがあった。隣には、トイレが置いてあり、奥にはバスタブとシャワーノズルがある。
しかし、肝心の水栓が無い。
一体どうやって水を出すんだ?
日本にある水道のように、手をかざせばセンサーが反応して水が出てくるのを想像して、蛇口に手をかざしてみるが、反応はない。
水栓を探してみると、蛇口付近に黒曜石のような丸い石が2つついている。
触ってみても何も反応しないが、どうみてもこれが怪しい。
試しに右側の石に魔力を少し込めてみる。
すると、ジョボジョボと蛇口から水が出てきた。
左側の石に魔力を込めてみると、今度はお湯が出てきた。
なるほど、魔力で水やお湯を出す仕組みなのか。
水はすぐに止まったが、魔力を強めに込めてみると、水の出る時間が長くなった。
奏太は水が止まる前に顔を洗い、寝癖を直した。
歯ブラシ類は……流石にビジネスホテルのように使い捨ては置いていないか。
今日街へ出た時に買いに行くとしよう。
あまり響子と金重を待たせるのも悪いので、支度を済ませて急いでロビーへ向かう。
下で待っていた2人に謝罪し、3人は腹ごしらえをしに、宿を後にしたーー
「ーー奏太殿、今日はどうするつもりでござるか?」
「食事が終わったら生活に必要な物を買おう。
その後は一旦宿に戻ったら、武器や防具を身に付けて冒険者ギルドに行こうと思う。」
初日から武器を使う事になるかは分からないが、冒険者ギルドに行くのだから、それなりに冒険者らしい格好をしといた方が無難だろう。
それに、今の自分達にもこなせそうなクエストがあったら、今後の生活資金の為にも、早めに挑戦していった方が良い。
「早速冒険でござるか! 小生日本ではあまり外に出なかったでござるが、RPGのゲームはよくやっていたでござるから、冒険はワクワクするでござる!」
冒険ファンタジーはオタク心をくすぐるのか、意外にも金重がやる気を見せる。
確かに奏太も多少の不安はあるが、楽しみな気持ちの方が大きかった。
「私はちゃんとお役に立てるか心配です……。」
対する響子は、か弱い乙女らしく不安を口にする。
「もし響子さんに何かあったら、俺が命がけで守りますので安心してください。」
奏太は自信満々にキザなセリフを吐き、響子の不安を和らげる。
「あ! あそこにレストランがありますよ!」
スルーかよ!
うなだれる奏太を他所に、響子が手頃な店を見つけた。
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