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1章
4A-反響
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奏太達が冒険者ギルドに行くと、いきなり剣王軍の男達に出迎えられた。
「おお! 待ってたぞボウズ達! 蓄音箱は持ってきてくれたか!?」
キブソンが目を輝かせながら顔を寄せてくる。
建物に入って早々、屈強な男達にゾロゾロ囲まれ、多少圧倒されたものの、共に戦った事で少し奏太達の恐怖心は薄れていた。
「ああ、ちゃんと持ってきた。これでいいか?」
奏太が収納魔法を使って、隆司から受け取った3種類の蓄音箱のうち、一番大きいものを「よいしょ」と取り出す。
収納魔法さまさまだ。これがなかったら、住宅家電並みに大きい蓄音箱の、店頭以外での販売は難しいだろう。
奏太の出した蓄音箱を受け取ると、剣王軍は歓声を上げ、「ロックンロール! ロックンロール!」と掛け声を掛けた。
まるで、失った愛をとりもどせたかのような騒ぎようだ。
「ありがてえ! これさえあれば俺達剣王軍はこの世の覇者だぜ!
で、幾ら払えばいいんだ!?」
「これは大型だから、金貨2枚で良いよ。」
隆司によると、小型は中型の半額、大型は中型の2倍値が大体の相場という話だったので、その通りに提示する。
「この最高にイカした音楽が、なぁんとぉ! たったの金貨2枚!?
こぉれはお買い得ですよー! 皆さーん!」
キブソンが某通販番組さながらに、大声で周囲に宣伝する。
その声に興味を示した他の冒険者達が、何だ何だとゾロゾロ集まってくる。
そして頼んでもいないのに、キブソンが野次馬に向けて商品説明を始めた。
「見ぃてくださいこの蓄音箱! そこいらのものとは一味違いますよぉ~!
なぁんとぉ! 天才音楽家であり、新米冒険家でもあるそちらのお三方が産み出した、今までにない! 新しい音楽ですよぉ皆さん! その名も『ロックンロール』!」
「ロックンロールだと?」
「聞いたこともない音楽だ。」
キブソンの迫力ある宣伝に、周りの冒険者達が興味津々に聞き入る。
いや、別に俺達が産み出した訳じゃないんだがーー
奏太が否定しようとするが、周囲の盛り上がりに口を挟む隙がない。
「こぉれを聴けばですねぇ~、あら不思議! 血湧き肉躍り、襲い来る敵をバッタバッタとなぎ倒す、そんな摩訶不思議な力が手に入る優れもの!
本当は内緒にしておきたい一級品ですよぉ~?
しかし! このような素晴らしい音楽を! 独り占めするわけにはいきません!
どうですかぁ~? 皆さん! 今までにない力、欲しくないですかぁ~!?」
「本当にそんな事があるのか?」
「こいつら噂だと、異世界人の落ちこぼれだろ?
本当にそんな音楽が産み出せるのかよ。」
野次馬達がこぞって疑念を投げかける。
俺達が異世界人であることは、既に噂になっていたのか。
はじめはこの国の人達と違う格好でうろうろしていたし、そりゃあ目立つか。
奏太は周囲の反応に納得しつつも、落ちこぼれという偏見に歯痒い思いを抱く。
「そんな疑り深い皆様に、今日は特別! 私が買ったばかりのこの音楽を、贅沢にも今ここで! 皆様にお披露しましょう!」
キブソンは自信たっぷりに蓄音箱の蓋を開いた。
ギルド内に『ズンズンチャ♪』というリズムが鳴り響く。
一応レコーディング用に、リズムの方は重ね録りしているため、キブソン達の前で披露したときよりも、音の迫力が増している。
続いて奏太がフ◯ディに変身して録った歌声が響き渡る。
周りの者達はそれを無言で聞き入る。
徐々に皆の体がユサユサと音楽にノり始める。
「おいおい、本当に力が湧いてくるぞ!」
「こんな感覚初めてだ!」
初めは怪訝そうに見ていた者達も、奏太達の曲を聴くと、徐々に楽曲の良さを理解していく。
剣王軍の者達は既にノリノリで拳を挙げながら歌っている。
それに釣られるように、皆も音楽を楽しみ始めた。
そして金重のギターソロが入る頃には、ギルド内は野外フェスかクラブ会場の如く湧き上がっていた。
そして曲が終わると、場は大喝采に包まれた。
「スゲーじゃねえかこの曲!今すぐ戦いたくて仕方がねえよ!」
「俺にもその蓄音箱を売ってくれ!
売値の倍、いや3倍は出すぞ!」
冒険者達が一気にロックンロールの魅力に取り憑かれた。
どうやら荒くれ者達にはウケが良いらしい。正直最初が散々だっただけに、ここまで大反響とは予想外だ。
「ち、ちょっと待った! まだそんなに蓄音箱は用意出来ていないんだ!
申し訳ないが、注文は増産が追い付くまで待ってくれ!」
好評はありがたいが、商品がなければ売ることは出来ない。あまり反響が良すぎるのも困る。
「なら俺達のクエストに同行してくれ!
金貨3枚は出すぞ!」
「いやこっちは金貨5枚だ!」
気付けば、冒険者達が奏太達の同行権を巡って競りを始めた。
「す、凄い事になったでござるな。」
「ロックの力って偉大です……!」
金重と響子も、周りの反響に感動する。
結局、金貨15枚で権利を勝ち取ったパーティに、今日のクエストを同行する事になった。
この日以来、奏太達はランク0の見習い冒険者ながら、大活躍のパーティとしてその名を馳せる事になるーー
「おお! 待ってたぞボウズ達! 蓄音箱は持ってきてくれたか!?」
キブソンが目を輝かせながら顔を寄せてくる。
建物に入って早々、屈強な男達にゾロゾロ囲まれ、多少圧倒されたものの、共に戦った事で少し奏太達の恐怖心は薄れていた。
「ああ、ちゃんと持ってきた。これでいいか?」
奏太が収納魔法を使って、隆司から受け取った3種類の蓄音箱のうち、一番大きいものを「よいしょ」と取り出す。
収納魔法さまさまだ。これがなかったら、住宅家電並みに大きい蓄音箱の、店頭以外での販売は難しいだろう。
奏太の出した蓄音箱を受け取ると、剣王軍は歓声を上げ、「ロックンロール! ロックンロール!」と掛け声を掛けた。
まるで、失った愛をとりもどせたかのような騒ぎようだ。
「ありがてえ! これさえあれば俺達剣王軍はこの世の覇者だぜ!
で、幾ら払えばいいんだ!?」
「これは大型だから、金貨2枚で良いよ。」
隆司によると、小型は中型の半額、大型は中型の2倍値が大体の相場という話だったので、その通りに提示する。
「この最高にイカした音楽が、なぁんとぉ! たったの金貨2枚!?
こぉれはお買い得ですよー! 皆さーん!」
キブソンが某通販番組さながらに、大声で周囲に宣伝する。
その声に興味を示した他の冒険者達が、何だ何だとゾロゾロ集まってくる。
そして頼んでもいないのに、キブソンが野次馬に向けて商品説明を始めた。
「見ぃてくださいこの蓄音箱! そこいらのものとは一味違いますよぉ~!
なぁんとぉ! 天才音楽家であり、新米冒険家でもあるそちらのお三方が産み出した、今までにない! 新しい音楽ですよぉ皆さん! その名も『ロックンロール』!」
「ロックンロールだと?」
「聞いたこともない音楽だ。」
キブソンの迫力ある宣伝に、周りの冒険者達が興味津々に聞き入る。
いや、別に俺達が産み出した訳じゃないんだがーー
奏太が否定しようとするが、周囲の盛り上がりに口を挟む隙がない。
「こぉれを聴けばですねぇ~、あら不思議! 血湧き肉躍り、襲い来る敵をバッタバッタとなぎ倒す、そんな摩訶不思議な力が手に入る優れもの!
本当は内緒にしておきたい一級品ですよぉ~?
しかし! このような素晴らしい音楽を! 独り占めするわけにはいきません!
どうですかぁ~? 皆さん! 今までにない力、欲しくないですかぁ~!?」
「本当にそんな事があるのか?」
「こいつら噂だと、異世界人の落ちこぼれだろ?
本当にそんな音楽が産み出せるのかよ。」
野次馬達がこぞって疑念を投げかける。
俺達が異世界人であることは、既に噂になっていたのか。
はじめはこの国の人達と違う格好でうろうろしていたし、そりゃあ目立つか。
奏太は周囲の反応に納得しつつも、落ちこぼれという偏見に歯痒い思いを抱く。
「そんな疑り深い皆様に、今日は特別! 私が買ったばかりのこの音楽を、贅沢にも今ここで! 皆様にお披露しましょう!」
キブソンは自信たっぷりに蓄音箱の蓋を開いた。
ギルド内に『ズンズンチャ♪』というリズムが鳴り響く。
一応レコーディング用に、リズムの方は重ね録りしているため、キブソン達の前で披露したときよりも、音の迫力が増している。
続いて奏太がフ◯ディに変身して録った歌声が響き渡る。
周りの者達はそれを無言で聞き入る。
徐々に皆の体がユサユサと音楽にノり始める。
「おいおい、本当に力が湧いてくるぞ!」
「こんな感覚初めてだ!」
初めは怪訝そうに見ていた者達も、奏太達の曲を聴くと、徐々に楽曲の良さを理解していく。
剣王軍の者達は既にノリノリで拳を挙げながら歌っている。
それに釣られるように、皆も音楽を楽しみ始めた。
そして金重のギターソロが入る頃には、ギルド内は野外フェスかクラブ会場の如く湧き上がっていた。
そして曲が終わると、場は大喝采に包まれた。
「スゲーじゃねえかこの曲!今すぐ戦いたくて仕方がねえよ!」
「俺にもその蓄音箱を売ってくれ!
売値の倍、いや3倍は出すぞ!」
冒険者達が一気にロックンロールの魅力に取り憑かれた。
どうやら荒くれ者達にはウケが良いらしい。正直最初が散々だっただけに、ここまで大反響とは予想外だ。
「ち、ちょっと待った! まだそんなに蓄音箱は用意出来ていないんだ!
申し訳ないが、注文は増産が追い付くまで待ってくれ!」
好評はありがたいが、商品がなければ売ることは出来ない。あまり反響が良すぎるのも困る。
「なら俺達のクエストに同行してくれ!
金貨3枚は出すぞ!」
「いやこっちは金貨5枚だ!」
気付けば、冒険者達が奏太達の同行権を巡って競りを始めた。
「す、凄い事になったでござるな。」
「ロックの力って偉大です……!」
金重と響子も、周りの反響に感動する。
結局、金貨15枚で権利を勝ち取ったパーティに、今日のクエストを同行する事になった。
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