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1章
6C-晩餐会
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晩餐の間に案内されると、ズームー国王の右隣にヴィシュガルド国王とアイバニーゼ、左隣に奏太が床に座らされる。
一介の冒険者が国王達と並んで座ってもいいのだろうかーー
奏太が身分不相応な待遇に戸惑いを見せるが、3人は全く気にしていないようだ。
程なくして、奏太達の目の前に大量の料理が運ばれてきた。
ーーいや、これは料理と呼んで良いのだろうか。
丸ごと焼かれた肉や魚、木からもぎ取ってそのまま持ってきたような果実が、床に置かれた葉っぱの上にドカドカと積まれていく。
昨日は獣人が経営する店で、高級レストランと遜色ない程に、手の込んだ料理を提供された事を考えると、これは恐らくズームー国王の好みに合わせたものなのだろうーー
「ーーさあ、存分に召し上がってくれガウ!」
合図と共に晩餐会が始まると、ズームー国王は目の前のドデカイ肉を手に取り、ガブガブと勢いよく噛み付いた。
そして肉を食べ切る前に、また他の食材を手に取り、交互にかじっている。
ヴィシュガルド国王と、その隣に座るアイバニーゼの方を見ると、2人は肉や魚には手を付けず、果物だけを食している。
流石に床に置かれた肉や魚を手掴みで食べるような王族は、どうやら獣人だけのようだ。
奏太は王族や貴族ではないので、ズームー国王の作法に倣い、手掴みで大きな魚を手に取ると、ガブリと噛み付いた。
ふむ。味は中々イケる。単なる魚の塩焼きだが、ほんのりレモンのような柑橘系の果物がかけられており、素材を活かした味だ。
「ほう! おぬし中々良い食べっぷりガウ! どれ!こっちも美味いぞ!」
「あ、ありがとうございます。」
自分と同じように食べる姿に気を良くしたズームー国王が、奏太に自分が食べている物と同じ肉を勧めてくる。
あまり次々に食べ物を渡されても、野獣の口を持たない人間ではそんなにすぐには食べられないのだが、邪険にするのも印象が悪いので、奏太はありがたく受け取って、肉に噛り付いた。
「ところでおぬし、酒は飲めるガウか?」
「あ、はい。嗜む程度にはーー」
「そうガウか! なら一緒に飲むガウ!」
奏太から飲めるとの返答を聞くと、ズームー国王は使用人に手で指示を送り、程なく大きな酒樽が運ばれてきた。
酒樽が2人の目の前に『ドンッ』と置かれると、ズームー国王は杯を樽の中に直接突っ込み、『ザバァッ』と豪快に酒を掬った。
「ほれ!」
奏太はズームー国王から杯を受け取ると、誰に命令されるでもなく、大きな杯に注がれた酒を一気に飲み干した。
ーーヤバい。思わず大学での癖が出てしまった。
サークルでの飲み会は、最初の一杯はコップだろうがジョッキだろうが、一気に飲み干すという暗黙のルールがあった。
「ガハハ! おぬしやるガウ!」
わざわざ飲み干す必要はなかったのだが、それを見たズームー国王は満足そうに奏太の背中をバンバンと叩いた。
「ーーおお、そういえば忘れていたガウ!」
『パンッパンッ』
ズームー国王が何かを思い出したように手を叩くと、ヒラヒラと袖の舞う衣装を纏った女性の獣人達と、コンガや長い角笛を持った男性の獣人達が現れた。
「我が国の音楽隊による歌と踊りを披露するガウ!」
ズームー国王の合図と共に、コンガの男が『ポンポンポン』とリズムよく叩くと、それに合わせて踊り子達がヒラヒラと踊り、笛の演奏が始まった。
ズームー国王は楽しそうに手拍子をしながら盛り上がる。
その横でヴィシュガルド国王は、無言のままチビリと杯に口を付け、アイバニーゼは笑顔で踊りを眺めている。
徐々にアクロバティックになっていく踊り子達のダンスは中々見ごたえがある。
更に奥から松明を持った獣人の男が現れると、火に酒か何かを吹き掛け、踊りを燃え盛る炎で飾った。
「奏太とやらも、後で歌を披露するガウ!」
奏太が迫力あるショーに釘付けになっていると、ズームー国王が無茶振りを入れてくる。
「え! いや、それは流石に……! お酒も入ってるし……。」
「ほほう……奏太とやらは仲間が居ないと、一人では演奏出来んという訳ガウか?」
「な、なにぃ……!?」
こんな所でイキナリ一人で演奏させられるのは無理だと、奏太が断ろうとすると、すかさずズームー国王が挑発してくる。
そしてそれにいとも簡単に乗せられてしまう奏太であった。
「や、やってやろうじゃねえか……! 俺が獣人達にロックンロールの素晴らしさを教えてやるぜ!」
奏太は立ち上がり、酒で濡らした手で前髪をかきあげると、勢いよくアコースティック・ギターを取り出したーー
奏太が演奏の準備を始めると、音楽隊の踊りと演奏が止み、何が始まるのかと皆が期待の目を向ける。
奏太がギターを肩から下げると、ボディを軽く叩き、カウントを取る。
7つ音が鳴ったところで、間髪入れずに裏拍からシンコペーションによって『ジャーン、ジャーン」と2つのコードを鳴らす。
それを2回繰り返し、3回し目の所で奏太のボーカルが入る。
コードの合間には、『トントン』とギターのボディを叩きながらリズムを奏でる。
そして『ジャーンーージャン!」とブレイクをキメると、ソウルフルなボーカルソロに入った。
コードと歌でメロディを奏でながら、体は右へ左へと愉快に移動しつつ、木の床をバス代わりに蹴って、曲にリズム感を生み出すーー
奏太が奏でるはエ◯ヴィス・プレスリーの代表曲、「Jailhouse Rock」
『ロックンロールの歴史を語る上で、ロックンロールの父と呼ばれるエ◯ヴィス・プレスリーの存在は外せないだろう。
それまで黒人の音楽だったブルースやジャズといった音楽に、白人のアメリカ人であるエ◯ヴィスが、カントリーミュージックの要素を織り混ぜ、商業音楽として初めてロックンロールを世に広めた。
セクシーに腰をくねらせながら歌う彼の姿は、当時の人々にとって斬新かつ、衝撃的だった。
大人達の批判的な目を他所に、アメリカ中の若者達が彼のパフォーマンスによって、瞬く間にロックンロールの虜となった。
その後エ◯ヴィスの兵役により、彼が音楽の表舞台から姿を消すと、ロックンロールは一旦廃れるが、その熱はアメリカからイギリスへと渡り、彼の音楽から影響を受けたロックバンド、ビー◯ルズが誕生する。
ビー◯ルズは初めて商業的に成功した"ロックバンド"として、イギリスから世界中にロックンロールの旋風を巻き起こす。
ビー◯ルズが遺した数々の功績も、エ◯ヴィスの存在なくしてはあり得なかっただろう。』
「ほほー! 中々面白い演奏をするガウ! お前達! 彼の演奏に混ざって盛り上げるガウ!」
ズームー国王が音楽隊に促すと、奏太に合わせてコンガを叩き、クネクネとセクシーに踊り始めた。
「いいぞー! 実に楽しい余興ガウ!」
ズームー国王もノリノリで踊り始める。
「ああっ……! やはり奏太様の音楽は素晴らしいですわ!」
アイバニーゼが奏太に対し感激の言葉を漏らす横で、あの寡黙なヴィシュガルド国王ですら、腕を組ながらも「ウンウン」と頭を揺らしながら仄かに口角を緩め、奏太の演奏に聴き入っている。
やったぜ! あの冷酷な国王を俺の歌でとうとう唸らせてやった!
ヴィシュガルド国王の反応に喜ぶ奏太が、更に激しく踊り、歌い、演奏し、場を盛り上げる。
楽しい余興の場は、その後も夜が更けるまで続いたーー
一介の冒険者が国王達と並んで座ってもいいのだろうかーー
奏太が身分不相応な待遇に戸惑いを見せるが、3人は全く気にしていないようだ。
程なくして、奏太達の目の前に大量の料理が運ばれてきた。
ーーいや、これは料理と呼んで良いのだろうか。
丸ごと焼かれた肉や魚、木からもぎ取ってそのまま持ってきたような果実が、床に置かれた葉っぱの上にドカドカと積まれていく。
昨日は獣人が経営する店で、高級レストランと遜色ない程に、手の込んだ料理を提供された事を考えると、これは恐らくズームー国王の好みに合わせたものなのだろうーー
「ーーさあ、存分に召し上がってくれガウ!」
合図と共に晩餐会が始まると、ズームー国王は目の前のドデカイ肉を手に取り、ガブガブと勢いよく噛み付いた。
そして肉を食べ切る前に、また他の食材を手に取り、交互にかじっている。
ヴィシュガルド国王と、その隣に座るアイバニーゼの方を見ると、2人は肉や魚には手を付けず、果物だけを食している。
流石に床に置かれた肉や魚を手掴みで食べるような王族は、どうやら獣人だけのようだ。
奏太は王族や貴族ではないので、ズームー国王の作法に倣い、手掴みで大きな魚を手に取ると、ガブリと噛み付いた。
ふむ。味は中々イケる。単なる魚の塩焼きだが、ほんのりレモンのような柑橘系の果物がかけられており、素材を活かした味だ。
「ほう! おぬし中々良い食べっぷりガウ! どれ!こっちも美味いぞ!」
「あ、ありがとうございます。」
自分と同じように食べる姿に気を良くしたズームー国王が、奏太に自分が食べている物と同じ肉を勧めてくる。
あまり次々に食べ物を渡されても、野獣の口を持たない人間ではそんなにすぐには食べられないのだが、邪険にするのも印象が悪いので、奏太はありがたく受け取って、肉に噛り付いた。
「ところでおぬし、酒は飲めるガウか?」
「あ、はい。嗜む程度にはーー」
「そうガウか! なら一緒に飲むガウ!」
奏太から飲めるとの返答を聞くと、ズームー国王は使用人に手で指示を送り、程なく大きな酒樽が運ばれてきた。
酒樽が2人の目の前に『ドンッ』と置かれると、ズームー国王は杯を樽の中に直接突っ込み、『ザバァッ』と豪快に酒を掬った。
「ほれ!」
奏太はズームー国王から杯を受け取ると、誰に命令されるでもなく、大きな杯に注がれた酒を一気に飲み干した。
ーーヤバい。思わず大学での癖が出てしまった。
サークルでの飲み会は、最初の一杯はコップだろうがジョッキだろうが、一気に飲み干すという暗黙のルールがあった。
「ガハハ! おぬしやるガウ!」
わざわざ飲み干す必要はなかったのだが、それを見たズームー国王は満足そうに奏太の背中をバンバンと叩いた。
「ーーおお、そういえば忘れていたガウ!」
『パンッパンッ』
ズームー国王が何かを思い出したように手を叩くと、ヒラヒラと袖の舞う衣装を纏った女性の獣人達と、コンガや長い角笛を持った男性の獣人達が現れた。
「我が国の音楽隊による歌と踊りを披露するガウ!」
ズームー国王の合図と共に、コンガの男が『ポンポンポン』とリズムよく叩くと、それに合わせて踊り子達がヒラヒラと踊り、笛の演奏が始まった。
ズームー国王は楽しそうに手拍子をしながら盛り上がる。
その横でヴィシュガルド国王は、無言のままチビリと杯に口を付け、アイバニーゼは笑顔で踊りを眺めている。
徐々にアクロバティックになっていく踊り子達のダンスは中々見ごたえがある。
更に奥から松明を持った獣人の男が現れると、火に酒か何かを吹き掛け、踊りを燃え盛る炎で飾った。
「奏太とやらも、後で歌を披露するガウ!」
奏太が迫力あるショーに釘付けになっていると、ズームー国王が無茶振りを入れてくる。
「え! いや、それは流石に……! お酒も入ってるし……。」
「ほほう……奏太とやらは仲間が居ないと、一人では演奏出来んという訳ガウか?」
「な、なにぃ……!?」
こんな所でイキナリ一人で演奏させられるのは無理だと、奏太が断ろうとすると、すかさずズームー国王が挑発してくる。
そしてそれにいとも簡単に乗せられてしまう奏太であった。
「や、やってやろうじゃねえか……! 俺が獣人達にロックンロールの素晴らしさを教えてやるぜ!」
奏太は立ち上がり、酒で濡らした手で前髪をかきあげると、勢いよくアコースティック・ギターを取り出したーー
奏太が演奏の準備を始めると、音楽隊の踊りと演奏が止み、何が始まるのかと皆が期待の目を向ける。
奏太がギターを肩から下げると、ボディを軽く叩き、カウントを取る。
7つ音が鳴ったところで、間髪入れずに裏拍からシンコペーションによって『ジャーン、ジャーン」と2つのコードを鳴らす。
それを2回繰り返し、3回し目の所で奏太のボーカルが入る。
コードの合間には、『トントン』とギターのボディを叩きながらリズムを奏でる。
そして『ジャーンーージャン!」とブレイクをキメると、ソウルフルなボーカルソロに入った。
コードと歌でメロディを奏でながら、体は右へ左へと愉快に移動しつつ、木の床をバス代わりに蹴って、曲にリズム感を生み出すーー
奏太が奏でるはエ◯ヴィス・プレスリーの代表曲、「Jailhouse Rock」
『ロックンロールの歴史を語る上で、ロックンロールの父と呼ばれるエ◯ヴィス・プレスリーの存在は外せないだろう。
それまで黒人の音楽だったブルースやジャズといった音楽に、白人のアメリカ人であるエ◯ヴィスが、カントリーミュージックの要素を織り混ぜ、商業音楽として初めてロックンロールを世に広めた。
セクシーに腰をくねらせながら歌う彼の姿は、当時の人々にとって斬新かつ、衝撃的だった。
大人達の批判的な目を他所に、アメリカ中の若者達が彼のパフォーマンスによって、瞬く間にロックンロールの虜となった。
その後エ◯ヴィスの兵役により、彼が音楽の表舞台から姿を消すと、ロックンロールは一旦廃れるが、その熱はアメリカからイギリスへと渡り、彼の音楽から影響を受けたロックバンド、ビー◯ルズが誕生する。
ビー◯ルズは初めて商業的に成功した"ロックバンド"として、イギリスから世界中にロックンロールの旋風を巻き起こす。
ビー◯ルズが遺した数々の功績も、エ◯ヴィスの存在なくしてはあり得なかっただろう。』
「ほほー! 中々面白い演奏をするガウ! お前達! 彼の演奏に混ざって盛り上げるガウ!」
ズームー国王が音楽隊に促すと、奏太に合わせてコンガを叩き、クネクネとセクシーに踊り始めた。
「いいぞー! 実に楽しい余興ガウ!」
ズームー国王もノリノリで踊り始める。
「ああっ……! やはり奏太様の音楽は素晴らしいですわ!」
アイバニーゼが奏太に対し感激の言葉を漏らす横で、あの寡黙なヴィシュガルド国王ですら、腕を組ながらも「ウンウン」と頭を揺らしながら仄かに口角を緩め、奏太の演奏に聴き入っている。
やったぜ! あの冷酷な国王を俺の歌でとうとう唸らせてやった!
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