ドSワンコとクズ眼鏡

うさき

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「――っあ、はぁ…」

 荒々しく息を吐き出しながら、ぼんやりと視線を落とす。
 後ろから回る手にしっかりと握られた自分のモノが目に入って、苦しそうに先走りを零すそれに泣きたくなった。

 それでも中途半端にされた身体は堪らない疼きを身体にもたらしていて、快感から抗うことが出来ない。
 悔しさにぎゅっと目を瞑ると、ちゅっと柔らかな感触が目尻に当たった。

「大丈夫ですよ。あとちょっと頑張れたらちゃんとイかせてあげますね」

 いつもの快活な声ではなく、熱っぽく囁かれる声音に酷く色気を感じてしまう。
 いつの間にかズボンをずり下げられ、下着をずらし滑り込んできた手が尻へと回る。
 濡れた指先が後孔を探り当て、そこをぐにぐにと押してくる。

 グズグズになった意識の中何をされているんだろうとぼんやりしていたが、ズッと指を差し入れられて瞳孔が開いた。

「――っは…」

 男同士の性行為の仕方など、考えたことなどなかった。
 だが狭いそこを押し入ってきた指先に、強制的に何をされようとしているのか理解してしまう。
 どう考えてもそこは、そういうことのために使う場所じゃない。

「い、嫌だっ…」
「すぐ良くなりますから、大人しくしていてくださいね」
「やめ――っあ、あッ」
 
 今までに一度も感じたことのない衝撃と、違和感。
 必死に目の前の壁に手を付いて耐えていると、同時に前もゆるゆると扱かれる。

「慣れるまで前に集中していて下さい。ほら、気持ちいいでしょう?」
「…んっ」

 半パニック状態の俺に反して落ち着いた声音で言われて、素直に違和感から気をそらすように自身を嬲られる手の動きに集中する。
 達しそうになったら後ろを解され、それに耐えきれなくなると前を扱かれ快楽を与えられる。
 散々に弄られて、もう自分が何をされているのか訳が分からなかった。

「――ッあ」
「ああ、ここですね」

 不意に指先が掠めた箇所に、高い声が漏れる。
 七海は俺の反応を見て取ると、狙ったようにそこを容赦なく責め立ててくる。
 感じたことのないような凄まじい快感が脳を突き抜け、額に汗が滲む。

「もう限界ですかね。イきたいですか?」

 顔を覗き込まれて、コクコクと何度も頷く。
 こめかみから汗が滴り、散々我慢させられて昂ぶりきった身体が悲鳴をあげている。

 もうなんでもいいから早く出したいと、それだけで頭がいっぱいだった。
 七海は俺の頬に唇を寄せると、ちゅっと一度口付けをする。

「みーちゃん、これから俺がたくさん気持ちいいこと教えてあげます」
「…っあ、あぅ」
「だから代わりに、俺の事好きになって下さい」
「んっ…あッ…は、早く…っ、もう…ッ」

 どうしようもなくイかせて欲しくて、自ら腰が揺れてしまう。
 グズグズになった身体は、ひたすらに果てることだけを求めて七海に懇願する。

「大丈夫ですよ。ちゃんと返事してくれたらイかせてあげますから。俺の事好きになってくれますか?」

 ――無理だ。
 俺は絶対に、生徒を好きになったりはしない。

 そう思っているのに、目の前に吊るされた甘美な餌に抗うことが出来ない。
 震える唇が、快感を欲して勝手に言葉を紡ぐ。

「…わ、分かった…っ。もう分かったから――」

 その言葉と同時、待ち望んでいた強い快楽を与えられ頭が真っ白になった。

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