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2度目の入店

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【もう一度あの味を求めて】


今日は月初め、私のお小遣い貰いたての時である。この前は母さんに学校関係で行くから…とお金を貰ってから来たが今日は違う。



自分のお金で自分の為にあのカフェにまた行くのだ、どうしても…あの珈琲がまた飲みたい。それに今回はケーキではなく別で食べたい物がある。




それは…“ワッフル”。前に来た時他の人が注文してたのだろう。焼く音、匂いが漂ってきていたのだ。メニューでもチラッと見かけて、チョコ、ストロベリー、ブルーベリーがあるのは把握している。チョコワッフルなんて私にとって得しかない、食べたくて…一目見たくて仕方なかった。




この前とは違い、一人で来たものだから席がひとつ空いて少し寂しかったがこれはこれでゆっくり楽しめる。


前と同じ店員さんにチョコワッフルと珈琲を注文し、部活で提出する小説の執筆を始めた。静かで珈琲の香りに包まれながらの小説はスラスラ進む、家でやるよりよっぽど進んだだろう。


「お待たせしました~、こちらチョコワッフルと珈琲になります。」
『ありがとうございます』



一区切り終わって休憩しようと思った時ちょうど待ち侘びた品がやってきた。少し大きめのお皿にワッフルが3枚、チョコソースがかかっている。お皿の端にはホイップクリームが盛られており、しかもそのホイップクリームの上にさくらんぼが乗っていた。それとシロップも付いており、とても贅沢に思えた。


まずは一口、何も付けずに食べてみよう…

ナイフがサクッと入り、一口サイズに切ると…その断面から湯気がふわっと立ち上り、甘い匂いが一層漂ってきたのだ。


生地自体あまり甘くされておらず、素材の甘さをそのまま活かしている。正直シロップなくてもこのまま全部食べれる、と宣言出来るぐらい美味しい。

しかしホイップクリームへと手は伸びてしまう…あのケーキで美味しかったホイップクリーム、それをそのままでも美味しいワッフルに付ける。口当たりの軽いホイップに外がサクッとしたワッフルを足すと本当に美味しい、説明し難い程に。

メープルを足すと甘味が足されより一層甘党の私には好みになった。



しかし甘ったるいまま帰るのもなんだったので、大好きな珈琲は最後に取っておいた。苦味と酸味で口の中はガラッと変わった、ふわふわしてた気持ちがシャキッとしたような気分だった。






そして時刻を見ると『18:28か』部活終わりと言うのもあり、結構遅い時間になっていた。楽しかったり幸せな時間程すぐ過ぎてしまうなぁと思いつつ、最後の一口を飲み干しお会計へ。お小遣いの2/3は無くなったが全く悔いはない。




その日の夜はこれまでにない程ぐっすり眠れた。それと共にとてもいい日になった。
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