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甘い痛みを知りました。

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「傷が。開いちゃったらどうするんだよ……」
心配なのに。

ヴィットーリオは、自分の怪我に対して投げやりすぎるというか。
もっと自重して、自分の身体を大事にしいて欲しいんだけど。


「では、私の左肩に負担が掛からない方法なら、してもいいのかな?」

「うん、それなら……、んっ、」
耳元にキスされて。

後ろ向きに、膝の上に乗せられた。
背中に、逞しい胸板が当たるのを感じる。

お尻に、すっかり硬くなってる大きな熱いモノの存在も。

……ああ、この状態でお預けは、確かにつらいか。
早く、したいんだろうな。


「……口で、先にしとく?」

相当、切羽詰ってる感じだし。
今日くらいは。自主的にしてもいいかな、と思ったんだけど。


「それも嬉しいが。今日は、君の中で達きたい」
ちゅっ、と耳元にキスされた。

「ん、わかった」


*****


「ほら、足、もっと大きく開いて?」

足をぐい、と広げられて。
膝の裏を、自分で支えているように言われる。

うう。
こんな格好、恥ずかしいけど。

ヴィットーリオの肩に負担を与えないためだし、我慢我慢。


器用にも、左手で僕の性器を弄りながら。
右手で後ろを慣らされている。

「そろそろいいかな。腰を上げて」

ヴィットーリオの足を跨いで、膝立ちすると。
親指で、お尻を割り開くみたいにぐい、と左右に引っ張られた。

「ひ、」
そこに、先端があてがわれて。

少しずつ、入ってくる。熱い先端。


「凄いな、搾り取られそうだ……」
首筋に当たる、熱い吐息。

「は、……あ、」
足に、力が入らなくて。がくがくしてくる。

ずるずると、ローションの滑りを借りて、侵入してくる。
熱い、塊が。

「あうっ、」

とうとう、足の力が抜けてしまって。
ぺたん、とヴィットーリオの上に座り込むようなかたちで。

全部、入った。

圧迫感が、すごい。
お腹の中、ヴィットーリオで。いっぱいに満たされてる。


*****


「……よし、全部入ったよ。頑張ったね」
「ん、」

「では、上下に動いてごらん?」
あからさまに上機嫌な声で言われた。


「……え?」

この状態で!?
無理、って思ったけど。

無理だって言ったら、怪我した肩で無茶しそうだし。
仕方ない。

「わかった。やってみる。……ん、」
前方に、上体を倒して。

ベッドに手をついて。腰を上げていく。

あれ?
ぬ、抜けない……。

腰を上げようとすると、に力が掛かってしまって。
抜けにくくなるようだ。


「ひゃ!?」
腰をぐい、と突き上げられた。

「う、動くなってば、」

「すまない。君の可愛いお尻が、私の陰茎ペネをいっぱいに呑み込んで、淫らにひくついているのを見ていたら、つい、」
腰の力だけで、突き上げられる。

「あっ、だめ、今日は、僕が、するの……、はぁ、」

まるでロデオみたいに、ガンガン揺さぶられて。
荒れ狂う波間に投げ出されたみたいに翻弄されてしまう。


僕だけ気持ち良くなっちゃって、どうするんだよ!


*****


「君の好きなようにさせてやりたかったが。……やはり、君が感じている顔を見ながら、愛し合いたい」
両手で腰をぐい、と掴まれて。


「あああっ!」
中に入ったままの状態で足を抱え上げられて、半身を引っくり返された。

中をぐりっと抉られた衝撃で。僕の精液が、ベッドに飛び散った。

ヴィットーリオは、それを指で掬い取ると。
僕に見せ付けるように、舐めた。

紅い舌が、淫靡で。
ヴィットーリオと、この、美しい男とセックスしてるんだって。改めて実感する。


それまでは、強要されて、してたけど。
これは、結婚を受け入れて。合意の上の行為だ。

そう思ったら、妙に恥ずかしい気がする。
行為だけならもう、何十回もしたっていうのに。


「愛している。私の全ては君のものだ。君の全ても、私のものだね?」
こくりと頷いてみせる。

右腕で体重を支えて、左腕で僕の足を抱え上げようとしたので。

自ら足を抱え上げて。
ヴィットーリオが動きやすいようにした。


「好きだよ。こんな恥ずかしいこと、ヴィットーリオ以外、誰ともしたいと思わない」


*****


「ああ、宗司。宗司……、私が、どれほど嬉しいか、わかるだろうか」

「あ、ん、ああっ、」
力強く腰を突き上げられて。

「あ、ヴィットーリオ、待って、」
激しすぎる。

「そろそろ、ヴィックと呼んでくれてもいいのでは?」
色っぽい流し目で。

愛称で呼ぶよう乞われる。
これ以上なく、親しくなったから?


……いいか。
求婚も受けたんだ。素直に呼んでやろう。

「ん、ヴィック……?」

「っ、……、君は、私をどうしたいのだ! そのように、可愛い姿を見せて!」
腹を立てたように言って。

腰の動きが。激しくなる。
しがみつくだけで精一杯になって、訳がわからなくなってきた。


男性器で、お尻の中を擦られるのが、こんなに気持ちいいなんて。
それは、相手がヴィットーリオだからだろうか。

他の誰だって、こんな。


気持ち良くて。夢中になりすぎて。
つい、怪我をしている方の腕にしがみついてしまったようだ。

「っ、」
痛そうな顔をした。

当たり前だ。
銃で撃たれた上に、弾を抉り出されて。それを縫ったばかりだっていうのに。


「あ、ごめ……、」
慌てて、腕に回していた手を離すと。

ヴィットーリオは、自分の肩に手を当てて。
驚いたような顔をしていた。


「そうか。そうだ。これが、というものだった……」
「え?」


*****


ヴィットーリオは、今まで傷みを感じなかったらしい。

触覚はあるので、怪我をした位置とかはわかっていても、痛み自体は感じなかった、という。
それで、撃たれても平気そうな顔をしてたのか。


打ち身に湿布を貼られた時も、何となく、おかしな感じはしてたけど。

今、傷に触れられて。
はっきりした痛みを感じたという。


思い返せば、子供の頃……僕と一緒だった頃は、普通に感覚があったようだ。

でも、ここに連れられて来てからは、色々な感覚が鈍くなっていって。
痛みすら感じなくなったって。


……そんな。本当に?
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