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総帥はエステマスターでもありました。
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「ん、……はぁ、」
ぬるぬるした手が、身体中を這い回って。
立ちのぼる、アロマオイルの匂い。
イランイランとか麝香が入ってて、催淫効果があるとか言ってた。
肌の手入れなんて、寝てる時じゃなく、起きてる時にすればいいのに、って言ったので。
寝る前、ヴィットーリオに肌の手入れをされてるんだけど。
これが、気恥ずかしくて困る。
ヴィットーリオは、始終うっとりとした表情で。
僕の手を取って、ヤスリで手足の爪を磨いたり。爪の栄養液とか塗ったりして。
まるで宝物みたいに丁寧に扱われて、照れてしまう。
むしろ奉仕される側が相応しい、帝王みたいな人にこんなことをされるなんて申し訳ない気分だ。
今は、全裸でオイルマッサージをされているところだ。
泥パックは毎日はしないようだ。
余計な皮脂も落としてしまうからだって。
温かいオイルによる全身マッサージが終わった後は、お姫様抱っこでお風呂に運ばれて。
丁寧に全身を洗われるのだった。
これは恥ずかしい。
むしろこんなことをされていて、何で今まで目を覚まさなかったんだってくらいだけど。
多分、毎回疲れきって、失神するように寝てしまうせいだろう。
基礎体力が違うし。
*****
「ん、……はぁ、」
あたたかくて大きな手に、全身を揉み解されて。
あまりの気持ち良さに声が出てしまう……。
「気持ちいい?」
「ん、気持ちいい。ヴィックにもやってあげたいな」
「では、どうぞ?」
嬉しそうに両手を広げてみせた。
ヴィットーリオの手はオイル塗れなので、服を脱がして欲しい、と言われる。
シャツを脱がして。
スラックスも下着も脱がしてしまう。
脱がすのもいいが、脱がされるのも積極的で嬉しい、とか言ってるけど。
あくまでもこれは、マッサージのため、だからね!?
ベッドに敷いたマッサージ用マットに乗り上げてきたヴィットーリオの広い背中に、たっぷりとオイルを塗りつける。
肩や、腕にも。
全身、鍛え上げられた逞しい身体だ。いつ見ても、うっとりしてしまう。
「こうすれば、手っ取り早いぞ?」
抱き締められて。
胸と胸を合わせて。上下に動かれた。
ぬるぬるして。何だか変な気持ちになってくる。
「あ、それ、だめ、」
逞しい胸板で乳首を刺激されて。
ぷくりと勃ってしまう。
「……ん、」
キスをされて。
オイルでぬるついた指が、お尻に潜り込んでくる。
「こうなるから、寝ている時にしていたのだけどね?」
僕が起きてたら、こういうことをしたくなっちゃうから。
ガチガチに勃った性器を握らされて。そりゃそうだよね、と納得した。
僕だって、もう我慢できないし。
「も、挿れて……?」
自分で足を抱え上げて、ねだると。
「ああ、すぐに」
腰を掴まれて。
ぬるりと入ってきた。
大きくて、熱い、肉の塊。
それが、縦横無尽に動き出すと。
たまらなく気持ちいいのだと、身体に教え込まれたせいだ。
*****
女物の下着をつけさせられていても。当たり前のようにエスコートされても。
別に自分が女扱いされている、とは思わない。
ヴィットーリオは、男の証もちゃんと愛してくれているし。
やたら甲斐甲斐しく世話をするのは。
大切にしたい、と思う気持ちの表れなんだろう。
女物の服の件は、ただ単に、ヴィットーリオの目と頭がどうかしているので。
可愛い格好が僕に似合うと思っているので着せているだけだし。
絶対に嫌だと言えば、二度とさせないだろう。
ヴィットーリオが可愛いと思ってくれてるなら、いいと思う。
なるべくなら、喜んで欲しいし。
「好き、大好き」
オイルでぬるついた指で滑るけど。
必死にヴィットーリオの背にしがみつく。
つい爪を立ててしまっても、それは甘美な痛みだとすら言う。
僕だけを見て。
僕だけを愛してくれる。
世界でたった一人の愛しい人。
「ヴィック、好き。もっと、奥、突いて……?」
教え込まれてしまった快楽を求めて、自分でも腰を動かした。
でも、それじゃ足りない。
「中、いっぱい、欲しいよ、」
「ああ、とても可愛いよ。私の宗司……」
ぐっ、と腰を掴まれて。
お腹の奥で、大量の精液がぶちまけられた感覚がして。
意識が、沈んでいく。
*****
「ああ、疲れて寝てしまったのか。オイルが気持ち悪いかな? 大丈夫、ちゃんと綺麗に洗ってあげるから。……おやすみ、可愛い人」
優しく囁かれて。
額に、口付けの感触がしたのは覚えている。
朝になって。
南郷さんに、今日も肌のコンディション最高ですね、と言われた。
そりゃ毎晩、念入りにお手入れされてるしね……。
式の日が近付くにつれて、ヴィットーリオは上機嫌になっていき。
毎日、肌もつやつやだった。
それはヴィットーリオのお気に入りになった、二人でやるオイルマッサージの成果だと思っておく。
*****
式に向かって着々と準備が進んでいく中。
クリスティアーニの若き総帥、ヴィットーリオ・デル・テスタ氏、結婚を発表! のニュースが流れた。
相手の写真として、撮影隊アルテ・クリスティアーニが撮った写真がマスコミに提供されたので。
あちこちの新聞に載ったらしい。
有名な新聞社すら、一面まるまる使ったとか。
新聞のひとつを見せてもらったら、婚約指輪にうっとりとキスしているような写真で。
おお、さすがはプロって感じ。
僕だとわからないどころか、男にも全く見えない。
ミステリアスな美女に見えるよ!
化粧とCG技術の力ってすごい。
まるで化粧品とかの広告みたいで、芸術的な写真に仕上がっていた。
っていうか。
そうか。
これ、広告なんだ。
これは、クリスティアーニの打った戦略だった。
身に着けているのはドルチェ・クリスティアーニの指輪とドレスだし。
タダで各社一面広告を出してもらったようなものだ。
すごい商才だなあ、と思ってたら。
何故私以外の前でそんな色っぽい表情をする、ってヴィットーリオがおとなげなく怒ったので。
この時、ヴィットーリオのことを考えてたんだよって言ったら、照れたように黙った。
……猛獣使いとか言ってるの誰!?
ぬるぬるした手が、身体中を這い回って。
立ちのぼる、アロマオイルの匂い。
イランイランとか麝香が入ってて、催淫効果があるとか言ってた。
肌の手入れなんて、寝てる時じゃなく、起きてる時にすればいいのに、って言ったので。
寝る前、ヴィットーリオに肌の手入れをされてるんだけど。
これが、気恥ずかしくて困る。
ヴィットーリオは、始終うっとりとした表情で。
僕の手を取って、ヤスリで手足の爪を磨いたり。爪の栄養液とか塗ったりして。
まるで宝物みたいに丁寧に扱われて、照れてしまう。
むしろ奉仕される側が相応しい、帝王みたいな人にこんなことをされるなんて申し訳ない気分だ。
今は、全裸でオイルマッサージをされているところだ。
泥パックは毎日はしないようだ。
余計な皮脂も落としてしまうからだって。
温かいオイルによる全身マッサージが終わった後は、お姫様抱っこでお風呂に運ばれて。
丁寧に全身を洗われるのだった。
これは恥ずかしい。
むしろこんなことをされていて、何で今まで目を覚まさなかったんだってくらいだけど。
多分、毎回疲れきって、失神するように寝てしまうせいだろう。
基礎体力が違うし。
*****
「ん、……はぁ、」
あたたかくて大きな手に、全身を揉み解されて。
あまりの気持ち良さに声が出てしまう……。
「気持ちいい?」
「ん、気持ちいい。ヴィックにもやってあげたいな」
「では、どうぞ?」
嬉しそうに両手を広げてみせた。
ヴィットーリオの手はオイル塗れなので、服を脱がして欲しい、と言われる。
シャツを脱がして。
スラックスも下着も脱がしてしまう。
脱がすのもいいが、脱がされるのも積極的で嬉しい、とか言ってるけど。
あくまでもこれは、マッサージのため、だからね!?
ベッドに敷いたマッサージ用マットに乗り上げてきたヴィットーリオの広い背中に、たっぷりとオイルを塗りつける。
肩や、腕にも。
全身、鍛え上げられた逞しい身体だ。いつ見ても、うっとりしてしまう。
「こうすれば、手っ取り早いぞ?」
抱き締められて。
胸と胸を合わせて。上下に動かれた。
ぬるぬるして。何だか変な気持ちになってくる。
「あ、それ、だめ、」
逞しい胸板で乳首を刺激されて。
ぷくりと勃ってしまう。
「……ん、」
キスをされて。
オイルでぬるついた指が、お尻に潜り込んでくる。
「こうなるから、寝ている時にしていたのだけどね?」
僕が起きてたら、こういうことをしたくなっちゃうから。
ガチガチに勃った性器を握らされて。そりゃそうだよね、と納得した。
僕だって、もう我慢できないし。
「も、挿れて……?」
自分で足を抱え上げて、ねだると。
「ああ、すぐに」
腰を掴まれて。
ぬるりと入ってきた。
大きくて、熱い、肉の塊。
それが、縦横無尽に動き出すと。
たまらなく気持ちいいのだと、身体に教え込まれたせいだ。
*****
女物の下着をつけさせられていても。当たり前のようにエスコートされても。
別に自分が女扱いされている、とは思わない。
ヴィットーリオは、男の証もちゃんと愛してくれているし。
やたら甲斐甲斐しく世話をするのは。
大切にしたい、と思う気持ちの表れなんだろう。
女物の服の件は、ただ単に、ヴィットーリオの目と頭がどうかしているので。
可愛い格好が僕に似合うと思っているので着せているだけだし。
絶対に嫌だと言えば、二度とさせないだろう。
ヴィットーリオが可愛いと思ってくれてるなら、いいと思う。
なるべくなら、喜んで欲しいし。
「好き、大好き」
オイルでぬるついた指で滑るけど。
必死にヴィットーリオの背にしがみつく。
つい爪を立ててしまっても、それは甘美な痛みだとすら言う。
僕だけを見て。
僕だけを愛してくれる。
世界でたった一人の愛しい人。
「ヴィック、好き。もっと、奥、突いて……?」
教え込まれてしまった快楽を求めて、自分でも腰を動かした。
でも、それじゃ足りない。
「中、いっぱい、欲しいよ、」
「ああ、とても可愛いよ。私の宗司……」
ぐっ、と腰を掴まれて。
お腹の奥で、大量の精液がぶちまけられた感覚がして。
意識が、沈んでいく。
*****
「ああ、疲れて寝てしまったのか。オイルが気持ち悪いかな? 大丈夫、ちゃんと綺麗に洗ってあげるから。……おやすみ、可愛い人」
優しく囁かれて。
額に、口付けの感触がしたのは覚えている。
朝になって。
南郷さんに、今日も肌のコンディション最高ですね、と言われた。
そりゃ毎晩、念入りにお手入れされてるしね……。
式の日が近付くにつれて、ヴィットーリオは上機嫌になっていき。
毎日、肌もつやつやだった。
それはヴィットーリオのお気に入りになった、二人でやるオイルマッサージの成果だと思っておく。
*****
式に向かって着々と準備が進んでいく中。
クリスティアーニの若き総帥、ヴィットーリオ・デル・テスタ氏、結婚を発表! のニュースが流れた。
相手の写真として、撮影隊アルテ・クリスティアーニが撮った写真がマスコミに提供されたので。
あちこちの新聞に載ったらしい。
有名な新聞社すら、一面まるまる使ったとか。
新聞のひとつを見せてもらったら、婚約指輪にうっとりとキスしているような写真で。
おお、さすがはプロって感じ。
僕だとわからないどころか、男にも全く見えない。
ミステリアスな美女に見えるよ!
化粧とCG技術の力ってすごい。
まるで化粧品とかの広告みたいで、芸術的な写真に仕上がっていた。
っていうか。
そうか。
これ、広告なんだ。
これは、クリスティアーニの打った戦略だった。
身に着けているのはドルチェ・クリスティアーニの指輪とドレスだし。
タダで各社一面広告を出してもらったようなものだ。
すごい商才だなあ、と思ってたら。
何故私以外の前でそんな色っぽい表情をする、ってヴィットーリオがおとなげなく怒ったので。
この時、ヴィットーリオのことを考えてたんだよって言ったら、照れたように黙った。
……猛獣使いとか言ってるの誰!?
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