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キノコマスター、再び修行する。
晩餐会
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外国ならこのくらいの背は普通にいることや、特に日本人は他の国の人に比べて背が低い方だってこと。ドアや鴨居に額をぶつけたり、ベッドではよく足がはみ出してたこと。
俺は決して小食じゃなく、わりと食べるほうだったってことを説明した。
「優輝が、大きな方? かなり?」
バルは驚いて、目を瞬かせた。
日本人の男子高校生は平均身長が170センチくらいで。女子なら150~160くらいだったかな? で、女の人でなくても大人で150センチくらいの男もいると言うと。
バルは信じられない、という顔をした。
でも、異世界の話には興味津々な様子だ。
魔王の封印が終わった後、挨拶がてらあちらの世界を見てみたい、と言われた。
「成程。優輝は”小さき人の国”から来たのか。ならば、こちらは”巨人の国”になるのだな? では、召喚されたとき、驚いただろう」
「うん。こっちは動物や植物まで大きいから、最初、自分が縮んだのかと思った」
定規の目盛りはそう変わらないようなので、違うんだってわかったけど。
「優輝は、私から”可愛い”と言われるのは嫌だったのか?」
バルは悲しそうな顔をした。
そんなしょんぼりされると、悪いことをしたような気になる。
「え、……嫌って訳ではないけど。そういうことだから、あんまり言われ慣れてないっていうか。可愛いとか言われるのに違和感があるって話。あと、人前で”可愛い子猫ちゃん”って言われるのは、恥ずかしいからちょっと……」
言う頻度を少なくしてもらえると嬉しいかな。
「そうか、人前で言わなければ良いのだな? わかった。今後はなるべく心のままを口にしないよう、気をつけることにしよう」
バルはきっぱりと言った。
心のままって……。
まあいいか。
「ありがと。……我儘言って、ごめん」
バルの頬にキスをした。
「このようなこと、我儘のうちには入らん。むしろもっと甘えてくれれば良いと思っているのだがね」
お返しに、額にキスされた。
バルってば、俺に甘すぎない?
「……私を求めて、おねだりをして欲しいが。それは、まだ先かな」
意味深な視線を送られる。
ん?
目つきがエロイよ!?
もしかして。
えっちなおねだりをしろって意味? 俺にはまだまだハードル高いよ!
*****
王国魔導騎士ミゲルとの戦闘訓練にも、慣れてきて。
手合わせの間。
バルがちょくちょく席を外すようになった。
いよいよ魔王が目覚める兆候……天変地異の頻度が上がって。
それを鎮めに出るためだ。
魔法の勉強の時間は、俺もそれに同行して。バルの使う魔法を見たり真似したりして修行する。
封じに行くのは、魔王のいる位置を特定してからなんだけど。
具体的に何をするのかっていうのは、記録にはないようだ。
行けばわかる、って感じなのかな?
「……あちらの谷で、竜巻が発生したようです。そのまま進むと、民家がありますね。避難するよう呼びかけましょうか」
手合わせの途中。
空を飛んでいたミゲルが竜巻に気付いた。
じゃあひとまず訓練は休止、ということにして。
「トゥルブレンシア!」
竜巻に、逆向きの暴風をぶつけて相殺してみると。
見事竜巻は消滅した。
作戦成功! 上手く行ったようだ。
「おお、竜巻が消えた……。今、何をされたんです?」
「ん? 竜巻って、風が渦になって、上に巻き上がってる状態だよね? だからその内部から渦とは逆方向の渦状の風をぶつけたの。んで相殺」
「……なるほど……。言われてみると納得ですが。その発想は思いつきもしませんでした。しかし、竜巻の中から魔術を施すとは。実行が難しいのでは?」
やたら感心しているけど。
俺が考えたんじゃなくて、アニメで竜巻の中に入ったヒーローが逆向きに回転して相殺、ってのを見たのが元なんだけどね……。
*****
「では、続きを……、」
腰から剣を抜こうとしたミゲルを止める。
「しっ、黙って。動かないで、」
ミゲルに、その場から動かないように指示して。
マントを、グライダーに変化させる。
いたいた。
とある木の根元まで急降下して。
「ていっ!」
一瞬で、四つのキノコから石突を刈り取ってやる。
「やったあ、打撃キノコ、ゲット! ほら、四つもとれた。美味しいんだよ、これ。今日は夕飯食べてかない?」
上手く狩れたのを、ミゲルに見せた。
「炎竜と同等の強さだというゴルペアールオンゴを、そんな簡単に……しかも、四体同時に……?」
ミゲルが唖然とした顔をして。
「ああ、そうでした。マエステロデオンゴスでしたね!」
イエス、俺、キノコマスター。
「もしかして、私の相手をされる時、相当、手加減してませんか?」
ミゲルは微妙な顔をしている。
「え、そんなことないよ。キノコのことになるとつい、ハンターモードになっちゃうだけだよ?」
「私と手合わせされている時と反応速度が全く違って、滅茶苦茶速かったですけど……?」
「ああ、亜音速で動き回る”飛ぶキノコ”に目と身体が反応できないと狩れないし」
扱いによっては破裂したりするキノコもあるから、手加減を覚えたけど。
ある程度動きの予測が出来るキノコと違って、どう動くかわからない人間相手に手加減できるほど、剣や魔法の達人じゃないし。
バルなんて、素早い上に俺の動きの先を予測して、魔法を組み立てて罠を貼るから、かなわない。
ああいうのを、本物の天才って言うんだろうな。
俺は決して小食じゃなく、わりと食べるほうだったってことを説明した。
「優輝が、大きな方? かなり?」
バルは驚いて、目を瞬かせた。
日本人の男子高校生は平均身長が170センチくらいで。女子なら150~160くらいだったかな? で、女の人でなくても大人で150センチくらいの男もいると言うと。
バルは信じられない、という顔をした。
でも、異世界の話には興味津々な様子だ。
魔王の封印が終わった後、挨拶がてらあちらの世界を見てみたい、と言われた。
「成程。優輝は”小さき人の国”から来たのか。ならば、こちらは”巨人の国”になるのだな? では、召喚されたとき、驚いただろう」
「うん。こっちは動物や植物まで大きいから、最初、自分が縮んだのかと思った」
定規の目盛りはそう変わらないようなので、違うんだってわかったけど。
「優輝は、私から”可愛い”と言われるのは嫌だったのか?」
バルは悲しそうな顔をした。
そんなしょんぼりされると、悪いことをしたような気になる。
「え、……嫌って訳ではないけど。そういうことだから、あんまり言われ慣れてないっていうか。可愛いとか言われるのに違和感があるって話。あと、人前で”可愛い子猫ちゃん”って言われるのは、恥ずかしいからちょっと……」
言う頻度を少なくしてもらえると嬉しいかな。
「そうか、人前で言わなければ良いのだな? わかった。今後はなるべく心のままを口にしないよう、気をつけることにしよう」
バルはきっぱりと言った。
心のままって……。
まあいいか。
「ありがと。……我儘言って、ごめん」
バルの頬にキスをした。
「このようなこと、我儘のうちには入らん。むしろもっと甘えてくれれば良いと思っているのだがね」
お返しに、額にキスされた。
バルってば、俺に甘すぎない?
「……私を求めて、おねだりをして欲しいが。それは、まだ先かな」
意味深な視線を送られる。
ん?
目つきがエロイよ!?
もしかして。
えっちなおねだりをしろって意味? 俺にはまだまだハードル高いよ!
*****
王国魔導騎士ミゲルとの戦闘訓練にも、慣れてきて。
手合わせの間。
バルがちょくちょく席を外すようになった。
いよいよ魔王が目覚める兆候……天変地異の頻度が上がって。
それを鎮めに出るためだ。
魔法の勉強の時間は、俺もそれに同行して。バルの使う魔法を見たり真似したりして修行する。
封じに行くのは、魔王のいる位置を特定してからなんだけど。
具体的に何をするのかっていうのは、記録にはないようだ。
行けばわかる、って感じなのかな?
「……あちらの谷で、竜巻が発生したようです。そのまま進むと、民家がありますね。避難するよう呼びかけましょうか」
手合わせの途中。
空を飛んでいたミゲルが竜巻に気付いた。
じゃあひとまず訓練は休止、ということにして。
「トゥルブレンシア!」
竜巻に、逆向きの暴風をぶつけて相殺してみると。
見事竜巻は消滅した。
作戦成功! 上手く行ったようだ。
「おお、竜巻が消えた……。今、何をされたんです?」
「ん? 竜巻って、風が渦になって、上に巻き上がってる状態だよね? だからその内部から渦とは逆方向の渦状の風をぶつけたの。んで相殺」
「……なるほど……。言われてみると納得ですが。その発想は思いつきもしませんでした。しかし、竜巻の中から魔術を施すとは。実行が難しいのでは?」
やたら感心しているけど。
俺が考えたんじゃなくて、アニメで竜巻の中に入ったヒーローが逆向きに回転して相殺、ってのを見たのが元なんだけどね……。
*****
「では、続きを……、」
腰から剣を抜こうとしたミゲルを止める。
「しっ、黙って。動かないで、」
ミゲルに、その場から動かないように指示して。
マントを、グライダーに変化させる。
いたいた。
とある木の根元まで急降下して。
「ていっ!」
一瞬で、四つのキノコから石突を刈り取ってやる。
「やったあ、打撃キノコ、ゲット! ほら、四つもとれた。美味しいんだよ、これ。今日は夕飯食べてかない?」
上手く狩れたのを、ミゲルに見せた。
「炎竜と同等の強さだというゴルペアールオンゴを、そんな簡単に……しかも、四体同時に……?」
ミゲルが唖然とした顔をして。
「ああ、そうでした。マエステロデオンゴスでしたね!」
イエス、俺、キノコマスター。
「もしかして、私の相手をされる時、相当、手加減してませんか?」
ミゲルは微妙な顔をしている。
「え、そんなことないよ。キノコのことになるとつい、ハンターモードになっちゃうだけだよ?」
「私と手合わせされている時と反応速度が全く違って、滅茶苦茶速かったですけど……?」
「ああ、亜音速で動き回る”飛ぶキノコ”に目と身体が反応できないと狩れないし」
扱いによっては破裂したりするキノコもあるから、手加減を覚えたけど。
ある程度動きの予測が出来るキノコと違って、どう動くかわからない人間相手に手加減できるほど、剣や魔法の達人じゃないし。
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ああいうのを、本物の天才って言うんだろうな。
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