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キノコマスター、魔王と対峙する。
魔王封印へ
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「私はここで結界の補強をし、魔物を撃退する。優輝はこの中で魔王を鎮め……いや、眠らせて欲しい」
バルは、苦悩してるみたいだ。
「……眠らせる?」
どういう意味だろう。
魔王を封じるんじゃないの?
っていうか俺、一人だけで島に行くの!?
いや、勇者なんだから、それが元々の役割なんだけど。
てっきりバルも一緒に行って、封じるんだと思ってた……。
俺が一人でも、危険じゃない相手なのかな?
そうでもなけりゃ、バルが俺を一人で行かせたりなんてしないだろう。
「恐らく、それが正解なのだろうが……、」
島を見下ろして、バルが呟いた。
何しろ、勇者が今まで魔王に何をして、封じてきたのか。
記録が全く残ってないんだ。
前の勇者は、封じるのに二年半も掛かったんだっけ?
気が遠くなりそう。
一瞬だけ、ここの結界を解くから、その隙に島へ行くように言われたので。
マントをグライダーに変えた。翼より、こっちの方が早い。
「今だ!」
バルの合図で。
魔王のいる、アルタマール・イスラ島へと飛んだ。
*****
結界は、俺が島に入ると同時に閉じた。
さすが、早いな。
グライダーで、木がまばらで広場みたいになってるところに降りた。
人工的に土がならされてるような感じだ。バルが前もって整地しといてくれたのかな?
アルタマール・イスラは無人島のようだ。
辺りの植物は伸び放題、ジャングルだった。
でも、鳥や小動物の気配はない。
みんな魔王によって魔物に変えられて、バルに退治されたのかな?
それとも、元々この島には生き物がいなかったのか。
「ミャアー」
ん? ミャア?
誰かを呼ぶような、猫の声が聞こえた。
ジャングルを掻き分けて、声のする方向に行ってみたら。
子猫がいた。黒猫だ。
うわあ、可愛い!
俺的には普通サイズの子猫だった。でも、一見してわかった。この猫は普通じゃない。
とてつもない、強大な魔力を感じる。
見た目は小さくて可愛いのに。すごい違和感だ。
……まさか。
これが、魔王!?
バルも、複雑な様子だったっけ。幻惑かもしれない、とか言ってた。
思わず自分の目を疑ったんだろうな。
まさか、魔王が、こんな可愛い子猫の姿だなんて。
俺だって信じらんないよ!
*****
「シャーッ」
俺の姿を見た猫が、耳を伏せて、全身の毛を膨らませて威嚇してきた。
でも、威嚇するだけで、飛び掛ってくる様子は無い。
警戒されてるんだ。
ああ、俺っていうか。”人間”を警戒してるのかな?
だとしたら。
「カンビオデベスティア」
獣に変身する魔法で、猫になった。
白に黒い模様が入った、大型犬サイズのハチワレ猫だ。
「ミャッ!?」
子猫は猫になった俺を見て。
驚いたように、その場で垂直に飛び上がった。可愛い。
子猫から目を逸らして。そっぽを向いた状態で、香箱座りをしてみせる。
俺には敵意はないよ、と態度で示してやる。
横目で様子をみると。
子猫は耳を伏せ、恐る恐る、といった様子でこっちに近寄ってきた。
普通、子猫は青い目なんだけど、こいつは金色の目だ。
金色の目は魔物のあかしなんだっけ。
子猫は、俺の周りをぐるぐる回って。
そろそろと、あちこちの匂いをかいでる。
……おっと、そこは嗅ぐな。
尻の辺りにあった顔を、しっぽで払う。
「ヘンなにおいはしないな。おまえ、仲間か? ニンゲンに化けられるのか、すごいな」
黒猫は小首を傾げた。可愛い。
猫に変身すると、猫語が理解できるようになるのかな?
バルは猫に変身しなくても通じてたけど。
……ヘンなにおい?
ウィルフレドが言ってた、最後までしたらダメっていうのは。
もしかして。
バルと、最後までしてたら。バルの……人間の匂いがついてしまって。魔王から警戒されて逃げられて、封じられない、って意味だったとか?
*****
「俺は、優輝だよ。きみは?」
「おれ、クレプスクロ。昔のことはよく覚えてない。でも、邪魔だって捨てられて。それからは、ニンゲンどもに忌み嫌われて、何度も攻撃されたのは覚えてる」
そのことを思い出したのか、毛を逆立てた。
つい最近、目が覚める前は、ニンゲンに掴まって。どこかの家に連れ去られて。
身体中撫で回された上に、お湯に突っ込まれたりして、ひどい目にあった、と憤慨してる。
……ああ、撫でまわされて、風呂で洗われたんだな。
クレプスクロも、最初はニンゲンのことを警戒してたけど。
そいつの腕はあったかくて。攻撃もしてこないし。
こいつなら大丈夫かな、と思って、安心して眠った。
それなのに。
気がついたら、この島の、冷たい土の中に埋められていた。
たったひとりで。
土から這い上がって。
動物たちに囲まれて、世話をされていたら。
いきなり、黒いニンゲンが現れて、動物達を消し去った。
そして、気付いたら、おかしな固い壁に閉じ込められてしまった、という。
……”黒いニンゲン”っていうのは、間違いなく、バルのことだな。
「もう少しで壁が壊れるところだったのに。また、固くなってる。破れた隙に入ってきたユーキ以外、ここに動物はいない。おまえも、もうここから出られないぞ」
ぷう、と拗ねているのも可愛い。撫で回したい。
バルは、苦悩してるみたいだ。
「……眠らせる?」
どういう意味だろう。
魔王を封じるんじゃないの?
っていうか俺、一人だけで島に行くの!?
いや、勇者なんだから、それが元々の役割なんだけど。
てっきりバルも一緒に行って、封じるんだと思ってた……。
俺が一人でも、危険じゃない相手なのかな?
そうでもなけりゃ、バルが俺を一人で行かせたりなんてしないだろう。
「恐らく、それが正解なのだろうが……、」
島を見下ろして、バルが呟いた。
何しろ、勇者が今まで魔王に何をして、封じてきたのか。
記録が全く残ってないんだ。
前の勇者は、封じるのに二年半も掛かったんだっけ?
気が遠くなりそう。
一瞬だけ、ここの結界を解くから、その隙に島へ行くように言われたので。
マントをグライダーに変えた。翼より、こっちの方が早い。
「今だ!」
バルの合図で。
魔王のいる、アルタマール・イスラ島へと飛んだ。
*****
結界は、俺が島に入ると同時に閉じた。
さすが、早いな。
グライダーで、木がまばらで広場みたいになってるところに降りた。
人工的に土がならされてるような感じだ。バルが前もって整地しといてくれたのかな?
アルタマール・イスラは無人島のようだ。
辺りの植物は伸び放題、ジャングルだった。
でも、鳥や小動物の気配はない。
みんな魔王によって魔物に変えられて、バルに退治されたのかな?
それとも、元々この島には生き物がいなかったのか。
「ミャアー」
ん? ミャア?
誰かを呼ぶような、猫の声が聞こえた。
ジャングルを掻き分けて、声のする方向に行ってみたら。
子猫がいた。黒猫だ。
うわあ、可愛い!
俺的には普通サイズの子猫だった。でも、一見してわかった。この猫は普通じゃない。
とてつもない、強大な魔力を感じる。
見た目は小さくて可愛いのに。すごい違和感だ。
……まさか。
これが、魔王!?
バルも、複雑な様子だったっけ。幻惑かもしれない、とか言ってた。
思わず自分の目を疑ったんだろうな。
まさか、魔王が、こんな可愛い子猫の姿だなんて。
俺だって信じらんないよ!
*****
「シャーッ」
俺の姿を見た猫が、耳を伏せて、全身の毛を膨らませて威嚇してきた。
でも、威嚇するだけで、飛び掛ってくる様子は無い。
警戒されてるんだ。
ああ、俺っていうか。”人間”を警戒してるのかな?
だとしたら。
「カンビオデベスティア」
獣に変身する魔法で、猫になった。
白に黒い模様が入った、大型犬サイズのハチワレ猫だ。
「ミャッ!?」
子猫は猫になった俺を見て。
驚いたように、その場で垂直に飛び上がった。可愛い。
子猫から目を逸らして。そっぽを向いた状態で、香箱座りをしてみせる。
俺には敵意はないよ、と態度で示してやる。
横目で様子をみると。
子猫は耳を伏せ、恐る恐る、といった様子でこっちに近寄ってきた。
普通、子猫は青い目なんだけど、こいつは金色の目だ。
金色の目は魔物のあかしなんだっけ。
子猫は、俺の周りをぐるぐる回って。
そろそろと、あちこちの匂いをかいでる。
……おっと、そこは嗅ぐな。
尻の辺りにあった顔を、しっぽで払う。
「ヘンなにおいはしないな。おまえ、仲間か? ニンゲンに化けられるのか、すごいな」
黒猫は小首を傾げた。可愛い。
猫に変身すると、猫語が理解できるようになるのかな?
バルは猫に変身しなくても通じてたけど。
……ヘンなにおい?
ウィルフレドが言ってた、最後までしたらダメっていうのは。
もしかして。
バルと、最後までしてたら。バルの……人間の匂いがついてしまって。魔王から警戒されて逃げられて、封じられない、って意味だったとか?
*****
「俺は、優輝だよ。きみは?」
「おれ、クレプスクロ。昔のことはよく覚えてない。でも、邪魔だって捨てられて。それからは、ニンゲンどもに忌み嫌われて、何度も攻撃されたのは覚えてる」
そのことを思い出したのか、毛を逆立てた。
つい最近、目が覚める前は、ニンゲンに掴まって。どこかの家に連れ去られて。
身体中撫で回された上に、お湯に突っ込まれたりして、ひどい目にあった、と憤慨してる。
……ああ、撫でまわされて、風呂で洗われたんだな。
クレプスクロも、最初はニンゲンのことを警戒してたけど。
そいつの腕はあったかくて。攻撃もしてこないし。
こいつなら大丈夫かな、と思って、安心して眠った。
それなのに。
気がついたら、この島の、冷たい土の中に埋められていた。
たったひとりで。
土から這い上がって。
動物たちに囲まれて、世話をされていたら。
いきなり、黒いニンゲンが現れて、動物達を消し去った。
そして、気付いたら、おかしな固い壁に閉じ込められてしまった、という。
……”黒いニンゲン”っていうのは、間違いなく、バルのことだな。
「もう少しで壁が壊れるところだったのに。また、固くなってる。破れた隙に入ってきたユーキ以外、ここに動物はいない。おまえも、もうここから出られないぞ」
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