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ヴァルラム
獣の性
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熟睡している智紀を抱き上げ。
神の反応を見るため、神像の前にある祭壇に運び。
衣服を脱がせた。
まるで13歳から15歳ほどの少年の如く、華奢な身体であった。
性器も子供のまま、幼く愛らしくあった。
これで43歳とは。
本人の口から聞かねば、到底信じられぬことだが。
智紀はそういった嘘は吐かぬであろう性格と把握している。
向こうの人間でも、こちらの世界へ来たら老いないのかと考え、記録を確かめてみたが。
先代は、早く老いたという。
先々代は千年生きたというが。
個体差というものか?
こちらに来て肉体を再構成するにあたり、老化した細胞を修正したのかも知れぬ。
目や髪の色も、今までの聖神の記録とは異なる。
恐らく、黒は初めてであろう。
人間にも、我等のように多種多様な種族があるのだろうと思われる。
*****
「……念のため、眠りの術を掛けておくよ」
パーヴェルは智紀の頭と頬を撫でている。
ツガイとしての縁が勝つか、それとも神の怒りに阻まれるか。
探求心の強い男だ。興味があるのだろう。
イリヤは、脈をとるように左手を持っている。
体調に異状が出れば、即座に中止してください、とのことだが。
言われなくとも、無理強いをするつもりなどない。
ユリアーンは右手を。
レナートは両足首を持った。
そのように押さえつけずとも、嫌がる様子があれば中止するのだが。
愛らしい唇に口付けようと思ったが。
パーヴェルがそれはまだ早い、駄目だという。
皆の意見も同じであった。
そういうものか。
「ん……、」
手足を押さえられていても変わらず、すやすやと眠っている智紀の喉元に舌を這わせる。
舌触りもやわらかく、滑らかな肌である。
容易く噛み千切れそうな脆い身体。
乱暴に扱えば壊れてしまいそうなほどに細く華奢な四肢。
優しく、慣らしてゆこう。
今は、その身に快楽だけを感じるように。
*****
「ん、」
ぴくり、と反応したが。
パーヴェルは首を横に振った。
眠りの魔法は効いていると。……寝言か。
鎖骨や胸にも舌を這わせたが。
くすぐったそうにはしているものの、嫌がってはいないようである。
淡い色の乳首に吸い付くと。
それはご飯じゃない、食べないで、というような事を言った。
本当に、何も知らぬ身体なのだと感じる。
これが愛撫だと、夢にも思わないのである。
可愛らしいことだ。
くすぐったいのだろう。身を捩り、むずがる様子も愛らしい。
今のところ神の怒りは感じません、とユリアーンが言うのを横目に、下腹部も愛撫してやる。
愛らしい性器を口に含み、可愛がっても。
まだ、問題はないようであった。
「ふぁ、」
内股が快楽で、ふるふると震えている。
射精感を覚えているのだ。
智紀を吐精まで導いて。
今日のところは止めておく。
その精は、私にとっては”神の飲み物”よりも美味であった。
*****
翌日は、快晴。
そして、小さかった果実が通年よりも大きく実っている、との報告を受けた。
天変地異どころか。
まるで祝福されているかのようである。
智紀の様子がどうであるか気になっていることもあり、朝食を共にしたかったのだが。
先日までの天変地異の影響により、朝から仕事を山積みにされ。
政務室で朝食を摂ることとなった。
仕方なく、智紀の体調管理は主治医に任せ、仕事に取り掛かる。
王としての責務はきちんと果たさねば。
聖神を娶るに相応しくないと神に見離され、神殿から退けられては本末転倒と言うもの。
天候をも左右する神の化身である聖神を娶るには、それに見合う立場も必要である。
相手が優秀な獣王であるならば、国民も異は唱えまい。
神罰への不安を払拭するためにも、少しずつ慣らすことにしたのだ。
式までには契り、問題ないことを示したいものである。
智紀は体調に問題はなく、むしろ異世界に居た頃よりも調子が良いとのこと。
それは何よりだ。
そして鏡で己の姿を確認し、自分の外見年齢が変わっていることをイリヤに告げたそうである。
今まで違和感に気付かなかったとは。
……ああ、そのような余裕も無かったか。
智紀はまだ、常識などが今までと異なる世界に来たばかりである。
細かい事に目を向けられるような余裕ができたことを喜ぼう。
イリヤが言うには、繭の揺り籠の中で肉体を再構築される際、魂の情報を読み取り、人生のうち一番肉体の状態が良かった年齢になるとのことだ。
やはりあれは子供の姿であったか、と納得しかけたのだが。
なんと、あれで18歳の時の姿であるという。
そうか。
あれで。18か。
……肉体的に大人であれば、次の発情期に契っても問題はなかろう。
*****
懸念していた、酒精が智紀の身体に与える影響は如何なるものか問うたところ。
ただ、血の巡りが良くなると眠くなる体質であるという。
体質も幼子のようだな。
「特に悪影響無く、眠るだけであれば、天候の様子を見つつ、寝ているうちに身体を慣らしていくことにしよう」
「はっ、承知しました。……私はこれから智紀様と昼食ですので。では」
通信が切れた。
声が弾んでいるのは気のせいではなかろう。
イリヤめ。
ユリアーンとレナートも居たな。
聖神の守護を命じた騎士のレナートはともかく。
ユリアーンは司教の仕事をしろ。
繭に入り浸るな。
私は政務室で一人、書類を片付けながらの軽食を摘まんだ。
昨夜の晩餐を思うと、味気ないものだ。
その晩の酒宴で。
智紀は私が与える飲み物を、全く警戒せずに飲んだ。
珍しい果実の絞り汁を飲ませた後、クワスを飲ませたのだが。
幼子を騙しているような罪悪感を覚えなくもない。
だが。
一度愛しいツガイの肌に触れてしまえば、再び触れたくなるものである。
触れている時は、獣の本性が出る。
まだ我等を獣人と知らぬ智紀を怯えさせたくはない、との考えもある。
神の反応を見るため、神像の前にある祭壇に運び。
衣服を脱がせた。
まるで13歳から15歳ほどの少年の如く、華奢な身体であった。
性器も子供のまま、幼く愛らしくあった。
これで43歳とは。
本人の口から聞かねば、到底信じられぬことだが。
智紀はそういった嘘は吐かぬであろう性格と把握している。
向こうの人間でも、こちらの世界へ来たら老いないのかと考え、記録を確かめてみたが。
先代は、早く老いたという。
先々代は千年生きたというが。
個体差というものか?
こちらに来て肉体を再構成するにあたり、老化した細胞を修正したのかも知れぬ。
目や髪の色も、今までの聖神の記録とは異なる。
恐らく、黒は初めてであろう。
人間にも、我等のように多種多様な種族があるのだろうと思われる。
*****
「……念のため、眠りの術を掛けておくよ」
パーヴェルは智紀の頭と頬を撫でている。
ツガイとしての縁が勝つか、それとも神の怒りに阻まれるか。
探求心の強い男だ。興味があるのだろう。
イリヤは、脈をとるように左手を持っている。
体調に異状が出れば、即座に中止してください、とのことだが。
言われなくとも、無理強いをするつもりなどない。
ユリアーンは右手を。
レナートは両足首を持った。
そのように押さえつけずとも、嫌がる様子があれば中止するのだが。
愛らしい唇に口付けようと思ったが。
パーヴェルがそれはまだ早い、駄目だという。
皆の意見も同じであった。
そういうものか。
「ん……、」
手足を押さえられていても変わらず、すやすやと眠っている智紀の喉元に舌を這わせる。
舌触りもやわらかく、滑らかな肌である。
容易く噛み千切れそうな脆い身体。
乱暴に扱えば壊れてしまいそうなほどに細く華奢な四肢。
優しく、慣らしてゆこう。
今は、その身に快楽だけを感じるように。
*****
「ん、」
ぴくり、と反応したが。
パーヴェルは首を横に振った。
眠りの魔法は効いていると。……寝言か。
鎖骨や胸にも舌を這わせたが。
くすぐったそうにはしているものの、嫌がってはいないようである。
淡い色の乳首に吸い付くと。
それはご飯じゃない、食べないで、というような事を言った。
本当に、何も知らぬ身体なのだと感じる。
これが愛撫だと、夢にも思わないのである。
可愛らしいことだ。
くすぐったいのだろう。身を捩り、むずがる様子も愛らしい。
今のところ神の怒りは感じません、とユリアーンが言うのを横目に、下腹部も愛撫してやる。
愛らしい性器を口に含み、可愛がっても。
まだ、問題はないようであった。
「ふぁ、」
内股が快楽で、ふるふると震えている。
射精感を覚えているのだ。
智紀を吐精まで導いて。
今日のところは止めておく。
その精は、私にとっては”神の飲み物”よりも美味であった。
*****
翌日は、快晴。
そして、小さかった果実が通年よりも大きく実っている、との報告を受けた。
天変地異どころか。
まるで祝福されているかのようである。
智紀の様子がどうであるか気になっていることもあり、朝食を共にしたかったのだが。
先日までの天変地異の影響により、朝から仕事を山積みにされ。
政務室で朝食を摂ることとなった。
仕方なく、智紀の体調管理は主治医に任せ、仕事に取り掛かる。
王としての責務はきちんと果たさねば。
聖神を娶るに相応しくないと神に見離され、神殿から退けられては本末転倒と言うもの。
天候をも左右する神の化身である聖神を娶るには、それに見合う立場も必要である。
相手が優秀な獣王であるならば、国民も異は唱えまい。
神罰への不安を払拭するためにも、少しずつ慣らすことにしたのだ。
式までには契り、問題ないことを示したいものである。
智紀は体調に問題はなく、むしろ異世界に居た頃よりも調子が良いとのこと。
それは何よりだ。
そして鏡で己の姿を確認し、自分の外見年齢が変わっていることをイリヤに告げたそうである。
今まで違和感に気付かなかったとは。
……ああ、そのような余裕も無かったか。
智紀はまだ、常識などが今までと異なる世界に来たばかりである。
細かい事に目を向けられるような余裕ができたことを喜ぼう。
イリヤが言うには、繭の揺り籠の中で肉体を再構築される際、魂の情報を読み取り、人生のうち一番肉体の状態が良かった年齢になるとのことだ。
やはりあれは子供の姿であったか、と納得しかけたのだが。
なんと、あれで18歳の時の姿であるという。
そうか。
あれで。18か。
……肉体的に大人であれば、次の発情期に契っても問題はなかろう。
*****
懸念していた、酒精が智紀の身体に与える影響は如何なるものか問うたところ。
ただ、血の巡りが良くなると眠くなる体質であるという。
体質も幼子のようだな。
「特に悪影響無く、眠るだけであれば、天候の様子を見つつ、寝ているうちに身体を慣らしていくことにしよう」
「はっ、承知しました。……私はこれから智紀様と昼食ですので。では」
通信が切れた。
声が弾んでいるのは気のせいではなかろう。
イリヤめ。
ユリアーンとレナートも居たな。
聖神の守護を命じた騎士のレナートはともかく。
ユリアーンは司教の仕事をしろ。
繭に入り浸るな。
私は政務室で一人、書類を片付けながらの軽食を摘まんだ。
昨夜の晩餐を思うと、味気ないものだ。
その晩の酒宴で。
智紀は私が与える飲み物を、全く警戒せずに飲んだ。
珍しい果実の絞り汁を飲ませた後、クワスを飲ませたのだが。
幼子を騙しているような罪悪感を覚えなくもない。
だが。
一度愛しいツガイの肌に触れてしまえば、再び触れたくなるものである。
触れている時は、獣の本性が出る。
まだ我等を獣人と知らぬ智紀を怯えさせたくはない、との考えもある。
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