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4 キスの続きを
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それから数日間、俺はこの部屋から一歩も出ずに過ごしていた。ドアには外から鍵がかけられているから、正確には監禁されているんだけど。
一日三食贅沢な食事にふかふかのベット。そして膨大に余った時間はただぼうっと窓の外を眺めて過ごした。退屈ではあったけど
「平和だ」
窓の外にはきれいな青空と手入れの行き届いた庭、それから遠くの方に街が見えた。本当に人生ってやつは何があるかわからない。数ヶ月前まであの城壁の遥か向こうで汚い檻にいれられ売られていたんだ。
俺の人生は平穏とはかけ離れすぎていたせいでここ数日間なんとなく落ち着かない。
何もしないってこんなに贅沢で不安なのか。とりあえずどうにかしてこの城を抜け出せないかと考えていた。
あのイカレ王子には初日に殺されかけているし長居していたら本当に何されるかわからない。
ただ、扉にはあのクソ野郎がかけた結界が張ってあるせいで、鍵を壊しても出れそうにないから困っていた。
やはり王子をなんとか殺めて逃げ出すしかないのだろうか。でも国一番の魔法使いにそんな隙できるのだろうか。
そうこう考えているといつの間にか空は暗くなり、ノックの音が聞こえてきた。
やつが来た。
「クロ、ただいま。仕事終わったよ」
「…」
「はぁ、何度言えばわかるのかな」
王子は後ろ手でドアを閉めるとコツコツと靴を鳴らしこちらに歩み寄ってきた。
「クロ」
そして俺の顎を掴むとクイッと上に持ち上げる。視界に紅色の瞳が映り込んできた。
「僕が帰ってきたら、おかえりなさい御主人様♡寂しかったにゃん♡って抱きついてっていつもお願いしてるよね」
「ふんっ」
俺がそっぽ向くと王子は楽しそうに腰に手をまわした。
「お帰りのキス」
ムカつくほど整った顔が近付いてくる。そしていつもどおり唇を奪われた。くちゅくちゅと濃厚なキスが続く。俺が一切抵抗しないでいると彼は片眉をピクリと上げ尋ねた。
「最近キス嫌がらないね」
「もう慣れた」
「ふーん」
こう一日に何度も同じことをされていれば嫌でも慣れる。初めこそ背筋がぞっとするほど嫌なものだったが今ではもう挨拶みたいなものだ。こいつは俺が嫌がれば嫌がるほど喜ぶサイコパスだから、こうして冷静になっていればいつか飽きて捨ててくれるだろう。そう思っていた。
王子はしばらくこちらの様子を窺ったあと、今度は首に顔を埋めてきた。
行動の意図が読めなくて一瞬ビクッと肩が揺れる。
男は俺の首筋にキスをした。そして舌でぺろりと舐めると、ぢゅっと肌を吸った。
「ひっっ」
変な感覚だ。痛いような痒いような。
「綺麗についた」
そして首についたあざのようなものを愛おしそうに舌先で舐めた。
「ま、またなんかの魔法か?それとも呪いかっ!」
「ただのキスマークだよ」
「きすまーく…?」
体が動かなくなったり声が出せなくなるわけではなさそうだ。
「クロが僕のモノだっていう印さ」
「俺はモノじゃねぇ」
「はいはい。じゃあキスの続きするからベットに寝て」
「…」
一日三食贅沢な食事にふかふかのベット。そして膨大に余った時間はただぼうっと窓の外を眺めて過ごした。退屈ではあったけど
「平和だ」
窓の外にはきれいな青空と手入れの行き届いた庭、それから遠くの方に街が見えた。本当に人生ってやつは何があるかわからない。数ヶ月前まであの城壁の遥か向こうで汚い檻にいれられ売られていたんだ。
俺の人生は平穏とはかけ離れすぎていたせいでここ数日間なんとなく落ち着かない。
何もしないってこんなに贅沢で不安なのか。とりあえずどうにかしてこの城を抜け出せないかと考えていた。
あのイカレ王子には初日に殺されかけているし長居していたら本当に何されるかわからない。
ただ、扉にはあのクソ野郎がかけた結界が張ってあるせいで、鍵を壊しても出れそうにないから困っていた。
やはり王子をなんとか殺めて逃げ出すしかないのだろうか。でも国一番の魔法使いにそんな隙できるのだろうか。
そうこう考えているといつの間にか空は暗くなり、ノックの音が聞こえてきた。
やつが来た。
「クロ、ただいま。仕事終わったよ」
「…」
「はぁ、何度言えばわかるのかな」
王子は後ろ手でドアを閉めるとコツコツと靴を鳴らしこちらに歩み寄ってきた。
「クロ」
そして俺の顎を掴むとクイッと上に持ち上げる。視界に紅色の瞳が映り込んできた。
「僕が帰ってきたら、おかえりなさい御主人様♡寂しかったにゃん♡って抱きついてっていつもお願いしてるよね」
「ふんっ」
俺がそっぽ向くと王子は楽しそうに腰に手をまわした。
「お帰りのキス」
ムカつくほど整った顔が近付いてくる。そしていつもどおり唇を奪われた。くちゅくちゅと濃厚なキスが続く。俺が一切抵抗しないでいると彼は片眉をピクリと上げ尋ねた。
「最近キス嫌がらないね」
「もう慣れた」
「ふーん」
こう一日に何度も同じことをされていれば嫌でも慣れる。初めこそ背筋がぞっとするほど嫌なものだったが今ではもう挨拶みたいなものだ。こいつは俺が嫌がれば嫌がるほど喜ぶサイコパスだから、こうして冷静になっていればいつか飽きて捨ててくれるだろう。そう思っていた。
王子はしばらくこちらの様子を窺ったあと、今度は首に顔を埋めてきた。
行動の意図が読めなくて一瞬ビクッと肩が揺れる。
男は俺の首筋にキスをした。そして舌でぺろりと舐めると、ぢゅっと肌を吸った。
「ひっっ」
変な感覚だ。痛いような痒いような。
「綺麗についた」
そして首についたあざのようなものを愛おしそうに舌先で舐めた。
「ま、またなんかの魔法か?それとも呪いかっ!」
「ただのキスマークだよ」
「きすまーく…?」
体が動かなくなったり声が出せなくなるわけではなさそうだ。
「クロが僕のモノだっていう印さ」
「俺はモノじゃねぇ」
「はいはい。じゃあキスの続きするからベットに寝て」
「…」
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