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第五章 クラス対抗戦!
第34話 竜頭蛇尾
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「勝った、俺達は勝ったんだよ。だからそんな落ち込むなって……」
青組に勝った僕らは一度赤組の集合場所に戻った。
だが、そこにはライトの手によって葬られ、落ち込みきってるクラスメイト達の姿が有ったのだ。
「そうは言ってもよぉ……ノーティスの策略がバッチリ決まって気分良かった所に、あの銀髪の転校生が来たと思ったら俺達やられてたんだぞ?
気分も落ち込むって……」
(さすが本来はこの世界の主人公……一騎当千の実力だったな……)
聞いた話によると、本当に一瞬で彼らは殲滅されたようだ。
もし俺がまともに相手するはめになってたらと思うと……恐ろしい。
「まあ皆が落ち込んでるのはまだ分かるけど……
マロン、君は落ち込む事無いだろ」
全身ボロボロのクラスメイト達から少し離れた場所で、
マロンは小さな子供のように体育座りの姿勢で塞ぎこんでいる。
「……私はアイツに負けた」
「いや、決着はまだ着いてないだろ?
君が奴を食い止めてくれる間に、俺がラグロを倒しちゃった訳だし」
「……その前だ。ノーティスとラグロが追いかけっこを始めた後、
あれからしばらくは互角に切りあっていたのに……私が勝負を決めに
攻めに転じた時。次の瞬間には私の愛剣が吹き飛ばされていた」
マロンは相当に強い。それを退ける主人公恐るべきと言った所だ……
とはいえ、マロンからすればよく分からない謎の転校生に完敗してるのだから
落ち込むのは当然だろう。
「それでも、君はもう一度ライトに挑んでくれた。あの時止めてくれなかったら俺はラグロを倒せてなかったかもしれないんだ。それに、決着なら……」
「決着なら、この後の大将戦で着けられることでしょうね」
「!?」
俺の言葉に重ねるように放たれたその言葉に反応して振り返る。
そこには奈緒……いや、セイラがいた。
「セイラ……?なんでここに?お前とは次の団体戦でやるはずだろ?」
「はぁ……言われないと分かりませんか?
先程の戦いでお互い本気になり過ぎなんですよ。
二チーム共に負傷者が多すぎてまともな試合にならないと判断され、
次の二戦は私達の不戦勝に決まりました」
「え……」
そう言われて改めて周りを見ると、
確かにメンバーのほとんどが目立つ怪我をしている。
反対側の青組も同じ様子だ。
「だからって不戦勝は……」
「これは教師の皆さんが決めた事です。それともそんなボロボロな人達を引きずって無理矢理戦いますか?結果は見えてますよ……」
「くっ……分かったよ」
俺が仕方なく頷くと、セイラは俺に歩み寄ってきた。
「とはいえ……先程の戦いぶりはお見事でした。敬意を表します」
そう言って彼女は俺に握手を求めてくる。
特に深く考え俺は応じた。
グイッ。
「……?」
握手に応じると、セイラは俺の腕を引いてきた。
結果として俺は彼女とかなり近い距離になる。
(私なりに結論は出したよ。決着は決勝でつけよう、待ってるから)
近づいた俺に彼女は一言だけ耳打ちして去っていく。
(……そうか、奈緒は俺の言葉を受け取って考えていてくれていたんだな……)
なら、彼女の期待を裏切る訳にはいかない。
次の大将戦も必ず青組に勝たなければ。
そして、決勝の舞台でアイツとの決着をつけよう。
俺はそう決意を固めながら、去っていく奈緒の背中を見送った。
青組に勝った僕らは一度赤組の集合場所に戻った。
だが、そこにはライトの手によって葬られ、落ち込みきってるクラスメイト達の姿が有ったのだ。
「そうは言ってもよぉ……ノーティスの策略がバッチリ決まって気分良かった所に、あの銀髪の転校生が来たと思ったら俺達やられてたんだぞ?
気分も落ち込むって……」
(さすが本来はこの世界の主人公……一騎当千の実力だったな……)
聞いた話によると、本当に一瞬で彼らは殲滅されたようだ。
もし俺がまともに相手するはめになってたらと思うと……恐ろしい。
「まあ皆が落ち込んでるのはまだ分かるけど……
マロン、君は落ち込む事無いだろ」
全身ボロボロのクラスメイト達から少し離れた場所で、
マロンは小さな子供のように体育座りの姿勢で塞ぎこんでいる。
「……私はアイツに負けた」
「いや、決着はまだ着いてないだろ?
君が奴を食い止めてくれる間に、俺がラグロを倒しちゃった訳だし」
「……その前だ。ノーティスとラグロが追いかけっこを始めた後、
あれからしばらくは互角に切りあっていたのに……私が勝負を決めに
攻めに転じた時。次の瞬間には私の愛剣が吹き飛ばされていた」
マロンは相当に強い。それを退ける主人公恐るべきと言った所だ……
とはいえ、マロンからすればよく分からない謎の転校生に完敗してるのだから
落ち込むのは当然だろう。
「それでも、君はもう一度ライトに挑んでくれた。あの時止めてくれなかったら俺はラグロを倒せてなかったかもしれないんだ。それに、決着なら……」
「決着なら、この後の大将戦で着けられることでしょうね」
「!?」
俺の言葉に重ねるように放たれたその言葉に反応して振り返る。
そこには奈緒……いや、セイラがいた。
「セイラ……?なんでここに?お前とは次の団体戦でやるはずだろ?」
「はぁ……言われないと分かりませんか?
先程の戦いでお互い本気になり過ぎなんですよ。
二チーム共に負傷者が多すぎてまともな試合にならないと判断され、
次の二戦は私達の不戦勝に決まりました」
「え……」
そう言われて改めて周りを見ると、
確かにメンバーのほとんどが目立つ怪我をしている。
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「だからって不戦勝は……」
「これは教師の皆さんが決めた事です。それともそんなボロボロな人達を引きずって無理矢理戦いますか?結果は見えてますよ……」
「くっ……分かったよ」
俺が仕方なく頷くと、セイラは俺に歩み寄ってきた。
「とはいえ……先程の戦いぶりはお見事でした。敬意を表します」
そう言って彼女は俺に握手を求めてくる。
特に深く考え俺は応じた。
グイッ。
「……?」
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結果として俺は彼女とかなり近い距離になる。
(私なりに結論は出したよ。決着は決勝でつけよう、待ってるから)
近づいた俺に彼女は一言だけ耳打ちして去っていく。
(……そうか、奈緒は俺の言葉を受け取って考えていてくれていたんだな……)
なら、彼女の期待を裏切る訳にはいかない。
次の大将戦も必ず青組に勝たなければ。
そして、決勝の舞台でアイツとの決着をつけよう。
俺はそう決意を固めながら、去っていく奈緒の背中を見送った。
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