36 / 55
第五章 クラス対抗戦!
第34話 竜頭蛇尾
しおりを挟む
「勝った、俺達は勝ったんだよ。だからそんな落ち込むなって……」
青組に勝った僕らは一度赤組の集合場所に戻った。
だが、そこにはライトの手によって葬られ、落ち込みきってるクラスメイト達の姿が有ったのだ。
「そうは言ってもよぉ……ノーティスの策略がバッチリ決まって気分良かった所に、あの銀髪の転校生が来たと思ったら俺達やられてたんだぞ?
気分も落ち込むって……」
(さすが本来はこの世界の主人公……一騎当千の実力だったな……)
聞いた話によると、本当に一瞬で彼らは殲滅されたようだ。
もし俺がまともに相手するはめになってたらと思うと……恐ろしい。
「まあ皆が落ち込んでるのはまだ分かるけど……
マロン、君は落ち込む事無いだろ」
全身ボロボロのクラスメイト達から少し離れた場所で、
マロンは小さな子供のように体育座りの姿勢で塞ぎこんでいる。
「……私はアイツに負けた」
「いや、決着はまだ着いてないだろ?
君が奴を食い止めてくれる間に、俺がラグロを倒しちゃった訳だし」
「……その前だ。ノーティスとラグロが追いかけっこを始めた後、
あれからしばらくは互角に切りあっていたのに……私が勝負を決めに
攻めに転じた時。次の瞬間には私の愛剣が吹き飛ばされていた」
マロンは相当に強い。それを退ける主人公恐るべきと言った所だ……
とはいえ、マロンからすればよく分からない謎の転校生に完敗してるのだから
落ち込むのは当然だろう。
「それでも、君はもう一度ライトに挑んでくれた。あの時止めてくれなかったら俺はラグロを倒せてなかったかもしれないんだ。それに、決着なら……」
「決着なら、この後の大将戦で着けられることでしょうね」
「!?」
俺の言葉に重ねるように放たれたその言葉に反応して振り返る。
そこには奈緒……いや、セイラがいた。
「セイラ……?なんでここに?お前とは次の団体戦でやるはずだろ?」
「はぁ……言われないと分かりませんか?
先程の戦いでお互い本気になり過ぎなんですよ。
二チーム共に負傷者が多すぎてまともな試合にならないと判断され、
次の二戦は私達の不戦勝に決まりました」
「え……」
そう言われて改めて周りを見ると、
確かにメンバーのほとんどが目立つ怪我をしている。
反対側の青組も同じ様子だ。
「だからって不戦勝は……」
「これは教師の皆さんが決めた事です。それともそんなボロボロな人達を引きずって無理矢理戦いますか?結果は見えてますよ……」
「くっ……分かったよ」
俺が仕方なく頷くと、セイラは俺に歩み寄ってきた。
「とはいえ……先程の戦いぶりはお見事でした。敬意を表します」
そう言って彼女は俺に握手を求めてくる。
特に深く考え俺は応じた。
グイッ。
「……?」
握手に応じると、セイラは俺の腕を引いてきた。
結果として俺は彼女とかなり近い距離になる。
(私なりに結論は出したよ。決着は決勝でつけよう、待ってるから)
近づいた俺に彼女は一言だけ耳打ちして去っていく。
(……そうか、奈緒は俺の言葉を受け取って考えていてくれていたんだな……)
なら、彼女の期待を裏切る訳にはいかない。
次の大将戦も必ず青組に勝たなければ。
そして、決勝の舞台でアイツとの決着をつけよう。
俺はそう決意を固めながら、去っていく奈緒の背中を見送った。
青組に勝った僕らは一度赤組の集合場所に戻った。
だが、そこにはライトの手によって葬られ、落ち込みきってるクラスメイト達の姿が有ったのだ。
「そうは言ってもよぉ……ノーティスの策略がバッチリ決まって気分良かった所に、あの銀髪の転校生が来たと思ったら俺達やられてたんだぞ?
気分も落ち込むって……」
(さすが本来はこの世界の主人公……一騎当千の実力だったな……)
聞いた話によると、本当に一瞬で彼らは殲滅されたようだ。
もし俺がまともに相手するはめになってたらと思うと……恐ろしい。
「まあ皆が落ち込んでるのはまだ分かるけど……
マロン、君は落ち込む事無いだろ」
全身ボロボロのクラスメイト達から少し離れた場所で、
マロンは小さな子供のように体育座りの姿勢で塞ぎこんでいる。
「……私はアイツに負けた」
「いや、決着はまだ着いてないだろ?
君が奴を食い止めてくれる間に、俺がラグロを倒しちゃった訳だし」
「……その前だ。ノーティスとラグロが追いかけっこを始めた後、
あれからしばらくは互角に切りあっていたのに……私が勝負を決めに
攻めに転じた時。次の瞬間には私の愛剣が吹き飛ばされていた」
マロンは相当に強い。それを退ける主人公恐るべきと言った所だ……
とはいえ、マロンからすればよく分からない謎の転校生に完敗してるのだから
落ち込むのは当然だろう。
「それでも、君はもう一度ライトに挑んでくれた。あの時止めてくれなかったら俺はラグロを倒せてなかったかもしれないんだ。それに、決着なら……」
「決着なら、この後の大将戦で着けられることでしょうね」
「!?」
俺の言葉に重ねるように放たれたその言葉に反応して振り返る。
そこには奈緒……いや、セイラがいた。
「セイラ……?なんでここに?お前とは次の団体戦でやるはずだろ?」
「はぁ……言われないと分かりませんか?
先程の戦いでお互い本気になり過ぎなんですよ。
二チーム共に負傷者が多すぎてまともな試合にならないと判断され、
次の二戦は私達の不戦勝に決まりました」
「え……」
そう言われて改めて周りを見ると、
確かにメンバーのほとんどが目立つ怪我をしている。
反対側の青組も同じ様子だ。
「だからって不戦勝は……」
「これは教師の皆さんが決めた事です。それともそんなボロボロな人達を引きずって無理矢理戦いますか?結果は見えてますよ……」
「くっ……分かったよ」
俺が仕方なく頷くと、セイラは俺に歩み寄ってきた。
「とはいえ……先程の戦いぶりはお見事でした。敬意を表します」
そう言って彼女は俺に握手を求めてくる。
特に深く考え俺は応じた。
グイッ。
「……?」
握手に応じると、セイラは俺の腕を引いてきた。
結果として俺は彼女とかなり近い距離になる。
(私なりに結論は出したよ。決着は決勝でつけよう、待ってるから)
近づいた俺に彼女は一言だけ耳打ちして去っていく。
(……そうか、奈緒は俺の言葉を受け取って考えていてくれていたんだな……)
なら、彼女の期待を裏切る訳にはいかない。
次の大将戦も必ず青組に勝たなければ。
そして、決勝の舞台でアイツとの決着をつけよう。
俺はそう決意を固めながら、去っていく奈緒の背中を見送った。
0
あなたにおすすめの小説
転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた
ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。
遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。
「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。
「異世界転生に興味はありますか?」
こうして遊太は異世界転生を選択する。
異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。
「最弱なんだから努力は必要だよな!」
こうして雄太は修行を開始するのだが……
空手馬鹿の俺が転生したら規格外の治癒士になっていた 〜筋力Eのひ弱少年治癒士が高みを目指す!?〜
くまみ
ファンタジー
前世は空手部主将の「ゴリラ」男。転生先は……筋力Eのひ弱な少年治癒士!?
「資質がなんだ!俺の拳は魔法を超える!……と、思うけど……汗」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺は五里羅門(ごり・らもん) 35歳独身男だ。硬派すぎて女が寄り付かず。強すぎる空手愛と鍛え抜かれた肉体のせいで不本意ながら通称「ゴリラ」と呼ばれていた。
仕事帰りにダンプに跳ねられた俺が目覚めると、そこは異世界だった。だが転生した姿は前世とは真逆。
病弱で華奢。戦闘力最低と言われる職業の「治癒士」(ヒーラー)適正の10歳の少年・ノエル。
「俺は戦闘狂だぞ!このひ弱な体じゃ、戦えねぇ!
「華奢でひ弱な体では、空手技を繰り出すのは夢のまた夢……」
魔力と資質が全てのこの世界。努力では超えられない「資質の壁」が立ちふさがる。
だが、空手馬鹿の俺の魂は諦めることを知らなかった。
「魔法が使えなきゃ、技で制す!治癒士が最強になっちゃいけないなんて誰が決めた?」
これは魔法の常識を「空手の技」で叩き壊す、一人の少年の異世界武勇伝。
伝説の騎士、美少女魔術師、そして謎の切り株(?)を巻き込み、ノエルの規格外の挑戦が今始まる!
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる