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最終章 廻る因果の果てに
第49話 運命を断ち切る
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「うおおおおぉぉぉぉぉ!」
「死ねぇぇぇぇ!!! 」
キィン!
雄叫びを挙げて突撃しながら振った剣はエリトの真剣とぶつかり合い、
互いに身体ごと弾かれる。
「くっ……この野郎! 」
ビシュン!シュン!シュン!
剣が届かない間合いになった事を察知したエリトは
魔法で水の刃を飛ばしてくる。
「前と変わらないな!」
俺は水の刃を剣でガードしながら奴に向かって走る。
「オラァ!」
「グホオ!?」
一気に距離を詰めて、俺は体当たりで奴を吹き飛ばす。
吹っ飛んだ彼は生徒会室入口のドアに叩きつけられ、声をあげた。
「まだまだ!」
ドゴオ!
「グフッ! 」
バキャ!
壁に貼り付いたエリトに追撃として渾身の前蹴りを入れる。
蹴りは彼のみぞおちに当たり、ドアを突き破って廊下に転がる。
「うおお!」
「させるか!」
ゴッ……
廊下に転がった彼にとどめを刺そうと剣を振り下ろすが身を躱され、
剣は床に衝突して鈍い音が響く。
「この下民が! 」
隙を晒した俺にエリトは腰の辺りに組み付いてきた。
「離せって……!」
なんとか引き剥がそうとするが、
力は奴の方が強いようで全く離れる気配は無い。
「ほらよっ! 」
「うおっ!? 」
今まで腰の辺りを掴まれていたのが突然膝裏に手を回され、
そのまま前に引っ張られる。
俺は体勢を崩し、背中から地面に落ちた。
「さっさと死ね! 」
キィン!
「……! 」
倒れた俺の首元を狙った真剣が振り下ろされる。
俺はギリギリの所で体を捻って避け、地面と真剣が衝突した鋭い金属音が響いた。
「危ないなぁ! 」
ガッ!
「グッ……! 」
体を捻った勢いのままに奴に足払いを仕掛ける。
転びはしなかったが奴も体勢を崩し、二、三歩よろけて壁に手を置いた。
その隙に俺は立ち上がって剣を構え直す。
「本当にお前は面倒な奴だな……」
「それはこっちのセリフだ……」
……互いに仕掛けるタイミングを計って睨み合いと罵倒し合いが続く。
「……!」
(なんだ?何に気づいた?)
エリトがわずかにほくそ笑んだ。そして次の瞬間。
「プレゼントだ!」
「……!」
奴は倒れていた警備員の肉体をこっちに蹴り飛ばしてきた。
約60kgの肉弾を一歩下がって躱す。
「オラアアア!」
「ふざけんな! 」
そして彼がこちらに向かって飛びながら振りかざした真剣を、
俺は真っ向から弾き返す。
「お前には人の心が無いのか……」
「そんなもの教わって無いね! そらよ! 」
ガンッ!
「クッ……」
なおも奴は怯まずに真剣を振る。
俺は剣を受け止め、そのままつばぜり合いの形になった。
「おおお……! 」
「はあああ……! 覚えてるか?あの時の事を! 」
「さあ?覚えて無いね……!」
「前も俺とお前はつばぜり合いになって、お前は俺に力で負けたんだよ!
そうさ!あの時だって本当は俺が勝ってたんだ!それなのに……!」
「…………そういうのは負け犬の遠吠えって言うんだよ」
グググ……!
「何っ!?」
押し合いは僅かに俺の方が勝っている。
「オラァ! 」
ズザザ……!
そのまま俺は押し切る。
エリトは僅かに構えを崩しながら後ろにさげられた。
「なんで……! 」
「動揺したな! 」
俺は叫びながら奴に向かって横なぎの一撃を放つ。
キィン!
エリトは俺の攻撃に反応し、防御の構えを取ったが、
俺の一撃は奴の剣を折った。
「俺の真剣が……! 」
「ソイヤァ! 」
ズバッ!
「グハアア!?」
そして俺の三撃目はエリトの胸辺りをとらえ、
まともに食らった彼は膝から崩れた。
「嘘だ……だって俺はお前に腕力じゃ負けてなかった……」
「教えてやるよ……」
俺は跪く彼に剣を突きつけ、語りかける……
「死ねぇぇぇぇ!!! 」
キィン!
雄叫びを挙げて突撃しながら振った剣はエリトの真剣とぶつかり合い、
互いに身体ごと弾かれる。
「くっ……この野郎! 」
ビシュン!シュン!シュン!
剣が届かない間合いになった事を察知したエリトは
魔法で水の刃を飛ばしてくる。
「前と変わらないな!」
俺は水の刃を剣でガードしながら奴に向かって走る。
「オラァ!」
「グホオ!?」
一気に距離を詰めて、俺は体当たりで奴を吹き飛ばす。
吹っ飛んだ彼は生徒会室入口のドアに叩きつけられ、声をあげた。
「まだまだ!」
ドゴオ!
「グフッ! 」
バキャ!
壁に貼り付いたエリトに追撃として渾身の前蹴りを入れる。
蹴りは彼のみぞおちに当たり、ドアを突き破って廊下に転がる。
「うおお!」
「させるか!」
ゴッ……
廊下に転がった彼にとどめを刺そうと剣を振り下ろすが身を躱され、
剣は床に衝突して鈍い音が響く。
「この下民が! 」
隙を晒した俺にエリトは腰の辺りに組み付いてきた。
「離せって……!」
なんとか引き剥がそうとするが、
力は奴の方が強いようで全く離れる気配は無い。
「ほらよっ! 」
「うおっ!? 」
今まで腰の辺りを掴まれていたのが突然膝裏に手を回され、
そのまま前に引っ張られる。
俺は体勢を崩し、背中から地面に落ちた。
「さっさと死ね! 」
キィン!
「……! 」
倒れた俺の首元を狙った真剣が振り下ろされる。
俺はギリギリの所で体を捻って避け、地面と真剣が衝突した鋭い金属音が響いた。
「危ないなぁ! 」
ガッ!
「グッ……! 」
体を捻った勢いのままに奴に足払いを仕掛ける。
転びはしなかったが奴も体勢を崩し、二、三歩よろけて壁に手を置いた。
その隙に俺は立ち上がって剣を構え直す。
「本当にお前は面倒な奴だな……」
「それはこっちのセリフだ……」
……互いに仕掛けるタイミングを計って睨み合いと罵倒し合いが続く。
「……!」
(なんだ?何に気づいた?)
エリトがわずかにほくそ笑んだ。そして次の瞬間。
「プレゼントだ!」
「……!」
奴は倒れていた警備員の肉体をこっちに蹴り飛ばしてきた。
約60kgの肉弾を一歩下がって躱す。
「オラアアア!」
「ふざけんな! 」
そして彼がこちらに向かって飛びながら振りかざした真剣を、
俺は真っ向から弾き返す。
「お前には人の心が無いのか……」
「そんなもの教わって無いね! そらよ! 」
ガンッ!
「クッ……」
なおも奴は怯まずに真剣を振る。
俺は剣を受け止め、そのままつばぜり合いの形になった。
「おおお……! 」
「はあああ……! 覚えてるか?あの時の事を! 」
「さあ?覚えて無いね……!」
「前も俺とお前はつばぜり合いになって、お前は俺に力で負けたんだよ!
そうさ!あの時だって本当は俺が勝ってたんだ!それなのに……!」
「…………そういうのは負け犬の遠吠えって言うんだよ」
グググ……!
「何っ!?」
押し合いは僅かに俺の方が勝っている。
「オラァ! 」
ズザザ……!
そのまま俺は押し切る。
エリトは僅かに構えを崩しながら後ろにさげられた。
「なんで……! 」
「動揺したな! 」
俺は叫びながら奴に向かって横なぎの一撃を放つ。
キィン!
エリトは俺の攻撃に反応し、防御の構えを取ったが、
俺の一撃は奴の剣を折った。
「俺の真剣が……! 」
「ソイヤァ! 」
ズバッ!
「グハアア!?」
そして俺の三撃目はエリトの胸辺りをとらえ、
まともに食らった彼は膝から崩れた。
「嘘だ……だって俺はお前に腕力じゃ負けてなかった……」
「教えてやるよ……」
俺は跪く彼に剣を突きつけ、語りかける……
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