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最終章 廻る因果の果てに
第50話 最終局面
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お前はずっと自分一人のためだけに戦ってた。
自分の立場の為に、プライドの為に……ずっとそうだったろ?」
「そんなの、当然だろ……」
「まぁ……俺もそれ自体は否定しない。
でもな、いざ戦いになったら俺の方が強い。
だって俺はアイツの……セイラの事も背負ってここにいるからだ。
一人より二人の方が強いのは当たり前だろ?」
「ふざ、けんな……そんな理屈が通るかよ……」
「理由はもう一つある。それはな……」
「?」
「エリト……お前は俺の妹に手を出した、
だから今の俺はお前にこれ以上無いくらい怒ってるんだよ! 」
バギィ!
「ゲプァ!! 」
振り上げた剣はエリトの顎にクリーンヒットし、彼の身体は宙を舞った。
ドサッ……
「ごふっ……」
そしてそのまま彼は動かない。
(終わったか……)
こいつの事は後回しだ。今は奈緒を助けなくては……
そう思い、俺は彼女が拘束されている生徒会室に戻ろうと身を翻した。
(なんだろう、嫌な予感が……)
ボウッ!
「なっ!?」
空気を裂く音が響き、振り返ると目の前には
一際大きい炎が襲いかかってきていた。
「くっ! 」
咄嗟に後退して避けようとするが炎の勢いが強く、
気づくと剣が炎に包まれていた。
「まだ……終わって……無いんだよ……」
やがて炎が消えると、そこにはエリトが立ち上がっていた。
「しつこいなぁ! ほらよ! 」
俺は炎に包まれて、炭になりかけている剣を彼に目掛けて投げつける。
だが……
「邪魔だ……」
バサッ……カラカラ……
剣はエリトの腕に弾かれ廊下の端に転がる。
「はぁ……その根性を他に活かせば実家に戻れたんじゃないか?」
「ははは……平民が偉そうに俺の事を語るんじゃねぇ! 」
彼は叫びながらこちらに飛びかかってくる!
(……速い! )
ガシッ!ギリギリ……!
「俺と……お前らの価値が釣り合ってる訳無いんだよ……俺はお前ら千人分の価値が有る選ばれた人間なんだ……! 」
(首が……苦しい……! )
不意を打った素早い動きに対応出来ずに、まんまと首を掴まれてしまった。
彼の腕は憎しみを込めて俺の首を締め上げてきて息ができない。
「……!!! 」
「お前……! 」
力尽きる前に、力を必死に振り絞り彼の腕を引き剥がす。
「いい加減にしろ! 」
バシイ!
「ぐふっ!?」
そしてそのまま力任せにエリトを壁に叩きつけた。
俺は息を整える事もせずに再び彼を倒そうと追い討ちを仕掛ける。
「オラァ! 」
「当たるか! 」
蹴りを放つ、だがギリギリの所でエリトは横に動いて躱した。
俺の右足は壁に打ちつけられる。
「馬鹿がっ! 」
右足に反撃の蹴りを食らい、俺は大きく体勢を崩してよろめく。
「オラァァァ! 」
エリトがチャンスと見て飛びかかって来るが、
今度は避ける事が出来た。
彼は俺のすぐ隣に着地し、こちらを睨んでいる。
「避けてんじゃねぇ! 」
「……ぐっ! 」
バゴォン!
怒りで冷静さを失っているのか、
俺のガードを無視した強引な右ストレートが飛んでくる。
当然ガードできたが勢いを殺しきれずに俺はぶっ飛ばされ、
そのままドアを突き破って校舎外に飛び出した。
「……ハァハァ……殺す……殺してやる……! 」
「ここまでくると大したもんだな……」
この復讐鬼は何としても止めなくては……
狂気の刻み込まれた顔でこちらに歩みよってくる彼を見て俺はそう思った。
自分の立場の為に、プライドの為に……ずっとそうだったろ?」
「そんなの、当然だろ……」
「まぁ……俺もそれ自体は否定しない。
でもな、いざ戦いになったら俺の方が強い。
だって俺はアイツの……セイラの事も背負ってここにいるからだ。
一人より二人の方が強いのは当たり前だろ?」
「ふざ、けんな……そんな理屈が通るかよ……」
「理由はもう一つある。それはな……」
「?」
「エリト……お前は俺の妹に手を出した、
だから今の俺はお前にこれ以上無いくらい怒ってるんだよ! 」
バギィ!
「ゲプァ!! 」
振り上げた剣はエリトの顎にクリーンヒットし、彼の身体は宙を舞った。
ドサッ……
「ごふっ……」
そしてそのまま彼は動かない。
(終わったか……)
こいつの事は後回しだ。今は奈緒を助けなくては……
そう思い、俺は彼女が拘束されている生徒会室に戻ろうと身を翻した。
(なんだろう、嫌な予感が……)
ボウッ!
「なっ!?」
空気を裂く音が響き、振り返ると目の前には
一際大きい炎が襲いかかってきていた。
「くっ! 」
咄嗟に後退して避けようとするが炎の勢いが強く、
気づくと剣が炎に包まれていた。
「まだ……終わって……無いんだよ……」
やがて炎が消えると、そこにはエリトが立ち上がっていた。
「しつこいなぁ! ほらよ! 」
俺は炎に包まれて、炭になりかけている剣を彼に目掛けて投げつける。
だが……
「邪魔だ……」
バサッ……カラカラ……
剣はエリトの腕に弾かれ廊下の端に転がる。
「はぁ……その根性を他に活かせば実家に戻れたんじゃないか?」
「ははは……平民が偉そうに俺の事を語るんじゃねぇ! 」
彼は叫びながらこちらに飛びかかってくる!
(……速い! )
ガシッ!ギリギリ……!
「俺と……お前らの価値が釣り合ってる訳無いんだよ……俺はお前ら千人分の価値が有る選ばれた人間なんだ……! 」
(首が……苦しい……! )
不意を打った素早い動きに対応出来ずに、まんまと首を掴まれてしまった。
彼の腕は憎しみを込めて俺の首を締め上げてきて息ができない。
「……!!! 」
「お前……! 」
力尽きる前に、力を必死に振り絞り彼の腕を引き剥がす。
「いい加減にしろ! 」
バシイ!
「ぐふっ!?」
そしてそのまま力任せにエリトを壁に叩きつけた。
俺は息を整える事もせずに再び彼を倒そうと追い討ちを仕掛ける。
「オラァ! 」
「当たるか! 」
蹴りを放つ、だがギリギリの所でエリトは横に動いて躱した。
俺の右足は壁に打ちつけられる。
「馬鹿がっ! 」
右足に反撃の蹴りを食らい、俺は大きく体勢を崩してよろめく。
「オラァァァ! 」
エリトがチャンスと見て飛びかかって来るが、
今度は避ける事が出来た。
彼は俺のすぐ隣に着地し、こちらを睨んでいる。
「避けてんじゃねぇ! 」
「……ぐっ! 」
バゴォン!
怒りで冷静さを失っているのか、
俺のガードを無視した強引な右ストレートが飛んでくる。
当然ガードできたが勢いを殺しきれずに俺はぶっ飛ばされ、
そのままドアを突き破って校舎外に飛び出した。
「……ハァハァ……殺す……殺してやる……! 」
「ここまでくると大したもんだな……」
この復讐鬼は何としても止めなくては……
狂気の刻み込まれた顔でこちらに歩みよってくる彼を見て俺はそう思った。
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