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被保護編 339年
339年10月12
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馬車で連れてこられた皇叔邸の、案内された部屋で、座る気にはなれなかった。
歩き回りたい気がするけど、そんな力もない。
ただ立っていた。
たぶんレイサスたちがいなくなるのを待っている。
早く行ってほしい。そうすればもうどうしようもない。
ドアが開いてソウシュウが入ってきた。
「邸の外にそなたの護衛が立っている」
レンツォーリか。指示しないとずっといる。
呼んでもらって外扉と内扉の間に入れた。
「姫さんは信じられないくらいの大馬鹿だな」
うん。たぶんね。テストの点数がよかったのは頭がいいからじゃない。頭がいいと思ったことはないけど、それ以上にたぶん馬鹿だ。
「私の護衛は必要ない。これからはレイサス王子に仕えなさい」
「オレを拾ったのは姫さんだ」
「雇っているのはレイサス王子だ」
レンツォーリも強情だからね。もう、自分も含めてみんな強情だ。
「ここにいられても迷惑だから私の護衛は解雇する。消えなさい」
「あんたは後悔する。せめて俺を置いておけよ。役に立つだろ」
とてもね。頼りにしてた。
「いてほしくない。ひとりにしてほしい。レイサス王子の役に立って」
部屋の中に戻る。座る気になれない。
ソウシュウが寄ってきた。たぶん嫌悪感だ。近寄りたくない。
私の手を取ってイスに座らせた。自分は隣のイスに座る。
私が名前を書いていない方の契約書を渡された。
「休んだ方がいい。酒を持ってこさせる。着替えは用意してある。ゆっくり休みなさい」
そのまま立ち上がって出て行った。
たぶんいい人だ。だけど今は何も判断できない。ひとりになりたい。
これからずっとひとりでいたい。
歩き回りたい気がするけど、そんな力もない。
ただ立っていた。
たぶんレイサスたちがいなくなるのを待っている。
早く行ってほしい。そうすればもうどうしようもない。
ドアが開いてソウシュウが入ってきた。
「邸の外にそなたの護衛が立っている」
レンツォーリか。指示しないとずっといる。
呼んでもらって外扉と内扉の間に入れた。
「姫さんは信じられないくらいの大馬鹿だな」
うん。たぶんね。テストの点数がよかったのは頭がいいからじゃない。頭がいいと思ったことはないけど、それ以上にたぶん馬鹿だ。
「私の護衛は必要ない。これからはレイサス王子に仕えなさい」
「オレを拾ったのは姫さんだ」
「雇っているのはレイサス王子だ」
レンツォーリも強情だからね。もう、自分も含めてみんな強情だ。
「ここにいられても迷惑だから私の護衛は解雇する。消えなさい」
「あんたは後悔する。せめて俺を置いておけよ。役に立つだろ」
とてもね。頼りにしてた。
「いてほしくない。ひとりにしてほしい。レイサス王子の役に立って」
部屋の中に戻る。座る気になれない。
ソウシュウが寄ってきた。たぶん嫌悪感だ。近寄りたくない。
私の手を取ってイスに座らせた。自分は隣のイスに座る。
私が名前を書いていない方の契約書を渡された。
「休んだ方がいい。酒を持ってこさせる。着替えは用意してある。ゆっくり休みなさい」
そのまま立ち上がって出て行った。
たぶんいい人だ。だけど今は何も判断できない。ひとりになりたい。
これからずっとひとりでいたい。
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