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Wish1.青い瞳とキラキラの髪
1.
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「小夏、うちら同じクラスだよ!」
宝条小夏、今日から中学2年生。
髪を短くしたらくるんくるんの癖毛が目立っちゃって、やめておけばよかったとちょっとだけ凹んでる。
「ナナ!ほんとに!?」
「今年も一緒だって!」
「やった!ナナと一緒なら嬉しい!」
掲示板に張り出されたクラス分けの表を見る前に教えてくれたのは七瀬友華、ナナって呼んでる1年の時に同じクラスになって仲良くなった友達。あたしと違ってストレートな黒髪がツヤツヤしてて羨ましい。
「担任誰かなー?」
「今年もいっちゃんだといいよねー」
「小夏、いっちゃん推しだよね」
「いっちゃん可愛いから、なんかコグマみたいで」
「ちょっとポチャってるだけじゃない?」
新しく始まる2年生の生活にワクワクしながら教室に向かった。
新しい友達ができるかもしれないし、恋だって…
2年生になったらがんばりたいし。
あったらいいなぁ、そんな出会い。
「あ、あと“アイツ”も同じクラスだって」
「“アイツ”?」
「ほら、去年男子トイレの鏡割って問題になってた!」
「あぁ…、相沢…くんだっけ?」
「そう、相沢!」
えっと、確か名前は…相沢悠くん。
キラキラの金髪に青色のカラコンをしてて…ってことぐらいしか知らないけど、中学生デビューでそんな人がいるんだ!?ってザワついたのを覚えてる。
クラスも違ったし、あんまり関わりなかったから相沢くんがどんな人かはよく知らないんだよね。
「…教室の窓ガラス割ったりしないといいよね」
「え!?じゃあ窓際の席だったら怖いね!!」
「小夏…、そーゆう問題じゃないから。どこでも怖いから」
でも少しだけ、ドキドキしていた。
どんな人なのかなって。
まだ私が知らないから怖いって思うだけかもしれないし…って。
新しいクラスに新しい担任の先生…は1年の時と変わらずいっちゃんだった。
コグマみたいないっちゃんは穏やかで、優しくて、ちょっと背は低いけどそこもマスコットみたいで可愛い男の先生。
いっちゃんの笑顔を見ればみんな癒されるから、担任の先生はいっちゃんでよかったなぁ。
新しい係や、委員会を決めて、少しずつ授業が始まる。
1年生の時とは違って、後輩もできたし、学校生活にも慣れてる。
あっという間にいつもと変わらない日常―…
だと思ってたんだけど。
「…今日も相沢は遅刻か!」
現在2時間目の授業は社会、担当の先生はいっちゃんじゃなくて生徒指導の本郷先生。
この本郷先生…ハッキリ言ってあたしは苦手。
いっつも目力すごいし、怒ったみたいな言い方するし、忘れ物した日は放課後呼び出されて説教されるから。まだあたしは呼び出されたことないけど、呼び出された友達からその夜長文LINEが届くぐらい荒れてたもん。
…それはもちろん忘れ物する方が悪いんだけど。
「あいつはしょーもないなっ」
本郷先生の低い声が響いた。
ボソッと呟かれただけだったのに、それにみんなビクッてしちゃって今日の授業は当たらないといいなって思った。
そんなこともお構いなしに、ガラッと大きな音を立てて現れた。
相沢悠くん。
「遅いぞ相沢!今何時だと思ってるんだ!?」
「………。」
「もう2時間目も始まってるぞ!」
「……。」
え、無視?勇者なの?
「おい、聞いてるのか!!」
一言も発さずそのまま席に着いた。
窓際の、前から2番目の席が相沢くんの席。
私の席からは遠いけど、廊下側よりの後ろの方の席だから相沢くんがよく見える。
「いい加減髪色を直せと言ってるだろ!コンタクトだって、視力に問題がある以外は禁止だ!」
今日も相沢くんは青い瞳にキラキラした髪色をしている。
誰にも染まらない、自分だけを表している気がしてこんなこと言っちゃいけないけど…そこはちょっとカッコいいなって思ってた。
しーんとした教室に先生のチッという舌打ちが聞こえた。
だけどみんな聞いてないフリをした。
「…まぁいい、授業の続き始めるぞ。相沢は後で俺のところに来るように」
ドスンっと下に響く声、なのに相沢くんは涼しい顔して教科書を取り出した。
教科書は開くんだ!
何それ、授業受ける気あるの!?ないの!?
はぁーっと息を吐いて、耳からイヤホンを外した。
え、イヤホン?
ワイヤレスのイヤホン?
もしかしてイヤホンしてたから聞こえてなかった…?
てゆーかそれ最初から先生の話聞く気ないよね!?
いつになく機嫌が悪い本郷先生の授業はいつもより当てられる人が多くて、間違えると怒ったように指摘された。
今日は当たりませんように…!
心の中で手を合わせて必死に祈った。
「じゃあ、次」
お願い、神様!当たれませんように…!
「相沢」
セーーーーフ!
だけど、相沢くん指名する本郷先生も本郷先生すごいメンタル。
「………。」
やっぱり無視されてたけど。
今はイヤホン外したはずなのに全然聞いてる風に見えない。
「相沢!聞いてるのか!」
「あ、聞いてないっす」
えーーーーーっ
それ言っちゃうんだ!
嘘でも聞いてたって言いなよ!
だってこのあと…っ
「お前は学校をなんだと思ってる!!!」
ドーンッと教室が揺れるぐらい大きな声が、響くどころか突き抜けた。
「そうやってお前みたいな生徒がいるから…!」
ガタンッ、と本郷先生の話を遮るように相沢くんが立ち上がった。
やばい、何か始まる…!
と思っていると、教科書をリュックに戻した。
「じゃあ、帰ります」
え、帰…るのっ!?
今来たばっかなのに!?
本郷先生の荒げる声も一切聞かず、スタスタと教室から出て行った。
相沢くんの教室滞在時間、約15…12分。
何あれ、何なの…っ
……。
…。
前言撤回、やっぱり知らない方がいいことってあると思います。
知ったからってどうなるわけでもないし、関わらない方がいいことだってある。
相沢くんとは同じクラス、それだけの関係性。
きっとこれからも、この先も、あたしの学校生活は楽しくいきたいから。
宝条小夏、今日から中学2年生。
髪を短くしたらくるんくるんの癖毛が目立っちゃって、やめておけばよかったとちょっとだけ凹んでる。
「ナナ!ほんとに!?」
「今年も一緒だって!」
「やった!ナナと一緒なら嬉しい!」
掲示板に張り出されたクラス分けの表を見る前に教えてくれたのは七瀬友華、ナナって呼んでる1年の時に同じクラスになって仲良くなった友達。あたしと違ってストレートな黒髪がツヤツヤしてて羨ましい。
「担任誰かなー?」
「今年もいっちゃんだといいよねー」
「小夏、いっちゃん推しだよね」
「いっちゃん可愛いから、なんかコグマみたいで」
「ちょっとポチャってるだけじゃない?」
新しく始まる2年生の生活にワクワクしながら教室に向かった。
新しい友達ができるかもしれないし、恋だって…
2年生になったらがんばりたいし。
あったらいいなぁ、そんな出会い。
「あ、あと“アイツ”も同じクラスだって」
「“アイツ”?」
「ほら、去年男子トイレの鏡割って問題になってた!」
「あぁ…、相沢…くんだっけ?」
「そう、相沢!」
えっと、確か名前は…相沢悠くん。
キラキラの金髪に青色のカラコンをしてて…ってことぐらいしか知らないけど、中学生デビューでそんな人がいるんだ!?ってザワついたのを覚えてる。
クラスも違ったし、あんまり関わりなかったから相沢くんがどんな人かはよく知らないんだよね。
「…教室の窓ガラス割ったりしないといいよね」
「え!?じゃあ窓際の席だったら怖いね!!」
「小夏…、そーゆう問題じゃないから。どこでも怖いから」
でも少しだけ、ドキドキしていた。
どんな人なのかなって。
まだ私が知らないから怖いって思うだけかもしれないし…って。
新しいクラスに新しい担任の先生…は1年の時と変わらずいっちゃんだった。
コグマみたいないっちゃんは穏やかで、優しくて、ちょっと背は低いけどそこもマスコットみたいで可愛い男の先生。
いっちゃんの笑顔を見ればみんな癒されるから、担任の先生はいっちゃんでよかったなぁ。
新しい係や、委員会を決めて、少しずつ授業が始まる。
1年生の時とは違って、後輩もできたし、学校生活にも慣れてる。
あっという間にいつもと変わらない日常―…
だと思ってたんだけど。
「…今日も相沢は遅刻か!」
現在2時間目の授業は社会、担当の先生はいっちゃんじゃなくて生徒指導の本郷先生。
この本郷先生…ハッキリ言ってあたしは苦手。
いっつも目力すごいし、怒ったみたいな言い方するし、忘れ物した日は放課後呼び出されて説教されるから。まだあたしは呼び出されたことないけど、呼び出された友達からその夜長文LINEが届くぐらい荒れてたもん。
…それはもちろん忘れ物する方が悪いんだけど。
「あいつはしょーもないなっ」
本郷先生の低い声が響いた。
ボソッと呟かれただけだったのに、それにみんなビクッてしちゃって今日の授業は当たらないといいなって思った。
そんなこともお構いなしに、ガラッと大きな音を立てて現れた。
相沢悠くん。
「遅いぞ相沢!今何時だと思ってるんだ!?」
「………。」
「もう2時間目も始まってるぞ!」
「……。」
え、無視?勇者なの?
「おい、聞いてるのか!!」
一言も発さずそのまま席に着いた。
窓際の、前から2番目の席が相沢くんの席。
私の席からは遠いけど、廊下側よりの後ろの方の席だから相沢くんがよく見える。
「いい加減髪色を直せと言ってるだろ!コンタクトだって、視力に問題がある以外は禁止だ!」
今日も相沢くんは青い瞳にキラキラした髪色をしている。
誰にも染まらない、自分だけを表している気がしてこんなこと言っちゃいけないけど…そこはちょっとカッコいいなって思ってた。
しーんとした教室に先生のチッという舌打ちが聞こえた。
だけどみんな聞いてないフリをした。
「…まぁいい、授業の続き始めるぞ。相沢は後で俺のところに来るように」
ドスンっと下に響く声、なのに相沢くんは涼しい顔して教科書を取り出した。
教科書は開くんだ!
何それ、授業受ける気あるの!?ないの!?
はぁーっと息を吐いて、耳からイヤホンを外した。
え、イヤホン?
ワイヤレスのイヤホン?
もしかしてイヤホンしてたから聞こえてなかった…?
てゆーかそれ最初から先生の話聞く気ないよね!?
いつになく機嫌が悪い本郷先生の授業はいつもより当てられる人が多くて、間違えると怒ったように指摘された。
今日は当たりませんように…!
心の中で手を合わせて必死に祈った。
「じゃあ、次」
お願い、神様!当たれませんように…!
「相沢」
セーーーーフ!
だけど、相沢くん指名する本郷先生も本郷先生すごいメンタル。
「………。」
やっぱり無視されてたけど。
今はイヤホン外したはずなのに全然聞いてる風に見えない。
「相沢!聞いてるのか!」
「あ、聞いてないっす」
えーーーーーっ
それ言っちゃうんだ!
嘘でも聞いてたって言いなよ!
だってこのあと…っ
「お前は学校をなんだと思ってる!!!」
ドーンッと教室が揺れるぐらい大きな声が、響くどころか突き抜けた。
「そうやってお前みたいな生徒がいるから…!」
ガタンッ、と本郷先生の話を遮るように相沢くんが立ち上がった。
やばい、何か始まる…!
と思っていると、教科書をリュックに戻した。
「じゃあ、帰ります」
え、帰…るのっ!?
今来たばっかなのに!?
本郷先生の荒げる声も一切聞かず、スタスタと教室から出て行った。
相沢くんの教室滞在時間、約15…12分。
何あれ、何なの…っ
……。
…。
前言撤回、やっぱり知らない方がいいことってあると思います。
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