聴かせてよ、ラブソング。

めぇ

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LOVE6.TOMORI/聴かせてよ、Love Song

Song1.)

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私が奏くんにしてあげられることって何だろう?





「奏くん!おはよう!」

「あ、おはよう灯璃」

「早いね」

「うん、楽しみ過ぎて早く来ちゃった」

「今日ただの部活だよ?」

くすくすと笑いながら部室の中に入った。

冬休みが始まって今日で…えっと3日目だっけ?昨日がクリスマスだったからたぶんそう!

冬休みに部活は初めてのことで私もちょっとだけワクワクしてた。


だってこうして奏くんに会えるんだから。


「奏くん、クリスマス会楽しかった?折原さん家の!」

「うん、楽しかったよ。藍のおじさんが張り切ってサンタの格好してさ、俺も藍ももうそんな歳じゃないのに」

パイプ椅子に座ってギターのチューニングをしながら奏くんが笑ってた。クリスマス会のことを思い出して、そんなに楽しかったのかな。

「よかったね!」

そんな顔見たら私も伝染しちゃうな。

「うん、…ありがとう」

そんなにこやかに笑う奏くん見てたら。

「あ、そうだ!あのね!」

着て来たコートを脱いでスクールバッグの中から紙袋を取り出した。

緑と赤のキラキラした紙袋は明らかにあの日を思い出させる、もう昨日で終わっちゃったあの日の。

「これクリスマスプレゼント…!」

本当は買っていたけど過ぎてしまった。

「まだ渡してなかったから!」

奏くんがちょっとだけ目を開いて丸くした。

私からもらえる展開思ってなかったんだろうな、確かにそんな素振りは見せてなかったけど!

「私ね、奏くんのおかげで歌うことの楽しさ知ったの!」

「…。」

「奏くんのおかげで友達も出来た!部活にも入れたし、先輩とも仲良くなれたし、学校が楽しくなった!」

少し前の私には考えられない、こんなにいろんなことがあるんだって毎日朝起きるのが楽しみになった。



「それは全部そこに奏くんがいるから」



そして、好きな人ができた。


全部全部奏くんのおかげ、奏くんがいてくれるから。


「奏くんがくれたんだよ、ありがとう」


あの夜、出会えてよかった。

あの日、心が離さなかったのは奏くんの音だけじゃない。


「だから奏くん…っ」


ずっと離したくないよ。


離さないでいてよ。


「路上ライブしよう!冬休みだから!!」


さらに奏くんが目を丸くした。

あ、これも予想されてなかったことだった。

でもそのあと笑ったから。

ふふって、目を細めて嬉しそうに。

「ガリガリ君寒くない?」

「え!?私ガリガリ君買う前提!?」

「だって灯璃、夜はいつもガリガリ君じゃん。もうあれないとしっくり来ないよ」

「じゃ、じゃあ肉まんは!?私肉まんも好きなの!」

「何、それ」

声を出して奏くんが笑ってた。

ふーん、そっかそんな声で笑うのか…
へぇ、可愛いじゃんそんなの。

「灯璃、プレゼントありがとう」

ギターを置いて奏くんが立ち上がった。
立ち上がると一気に私より背が高くなるから、なんだかドキドキしてしまう。

「灯璃ともしたかったな、クリスマス会」

にこって奏くんが微笑んで、ドキッと聞こえる胸の音を抑えながら目を合わせる。

「私も!来年は一緒にやろうね!」

そしたら真っ直ぐ視線が重なって、さらにドキドキする音が大きくなった。

「ねぇ、灯璃」

「何?」

「灯璃って好きな人いるの?」

「えっ!?」

それは私の予想外で、そんな直球に聞かれるとは思ってなかったから変な声まで出ちゃった恥ずかしい。

えっと、なんて答えたら…

こう聞かれた時の返し方は…

「そ、奏くんは…」

弱弱しい声で変に上目遣い利かしちゃって全然上手く話せない私に奏くんは真っ直ぐ答えた。


「灯璃」


一瞬で顔が熱くなった。

バクバクと響く心臓の音が苦しい。



「灯璃が好きだよ」



心臓が飛び出そうだ。


「あ、わ、私もっ」


その瞬間、目の前が真っ暗になって一瞬何が起こったのかわからないぐらい…



奏くんしか見えなかったから。


見上げる私に奏くんが近付いたから。




そぉっと触れた唇に感じた奏くんの体温。




飛び出しそうになった心臓もびっくりして戻っていっちゃうよ。


ドキドキとする胸の音もわからない、それくらい夢中で。






奏くんが好き。

好きだよ、奏くん。
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