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さっちゃんのことも、斗空のことも、ついでにあの智成くんのことも…気になって。
モヤモヤしながら考えた。
何を言っても変わらないのかもしれないって、もう何もしない方がいいのかもしれないって。
でもね、斗空に教えてもらって1つわかったことがあるの。
「さっちゃん、一緒に食べよう!」
だからもう1度聞いてほしい。
私の声を、届けたい。
「あゆむん…、もういいって言ったのに」
今日は食堂の入口じゃなくて先回りしてトイレの前で待っていた。おぼんの上には今日のお昼ご飯ミートソーススパゲティが乗っている。
「気なんか全然遣ってないよ!」
声を出すとおぼんが揺れてコップに入ったお茶がこぼれそうになった。
「だってあの寮めちゃくちゃだから気なんか遣ってたらやってけないもん」
ばーんっと胸を張った、さっちゃんは何言ってるの?って顔してた。
入寮した日から思ってたことを述べたまでなんだけど、初めて会ったのにハチャメチャだなって。
でも、だから…
私は私でいられる場所だなって思ったんだ。
無理しなくていい、私らしくいられる場所。
それって居心地がいいんだよ。
「だからこれは私のワガママだよ、私が今さっちゃんといたいの」
みんな自由に好きなこと言うから、私も言いたいだけだよ。
「でもあゆむん…ダメだよ」
「なんでっ、何がダメなの!?」
「だってボクと一緒にいたらあゆむんまで嫌な思いしちゃう…!」
苦しそうな顔で瞳を潤ませた。
「そんなの嫌だっ、せっかくあゆむんと仲良くなれたのにあゆむんまでボクのせいでっ」
え…
私のこと、考えててくれたの?
私のこと思って、わざとあんなこと言ったの…?
「あゆむんともっと仲良くしたいから…っ」
ポロッと大粒の涙が流れた。
顔をゆがめて、俯いて、ひっくひっくと声を殺すように泣いていた。
さっちゃんの思いが溢れて来るみたいで、どうやって私はその涙をすくいあげたら…
「咲月、咲月は“今”どうしたいんだよ」
「斗空!?」
気付いたら隣に斗空が立っていた。右側の腰におぼんの側面を当てて右手で支えるように持って、ミートソーススパゲティはまだひとくちも食べられていなさそう。
「咲月」
さっちゃんが顔を上げる、頬は涙の跡でいっぱいだった。
「……とあぴ」
「どうしたいんだよ、言ってみろよ」
「……。」
「斗空そんな言い方っ」
そんな上から言ったらさっちゃんまた泣いちゃうかしれないじゃん!もっと言い方あるでしょ!
「言っとくけど、どうせ歩夢も嫌われてるんだから気にすんなよ」
「おぉい!ひどいなっ!!」
フォローしようと思ったのにまさかのブーメランで自分に回って来るとは思ってなかった。
いや、事実なんだけど!鞠乃ちゃんたちからずっとそんな扱いなんだけど!
「てゆーかそれ私も気にしてっ」
「でも1人じゃない」
「…っ」
真っ直ぐさっちゃんの方を見て、今度は私の方を見た。
斗空の目は鋭くてちょっと怖そうに見えるけど、正直で透き通った瞳をしてる。
「誰に嫌われてようとも、隣にはいつもいるだろ」
俯くさっちゃんに問いかけるように、それは私にも問うてるみたいで。
「それともそんな嫌ってる奴の言うこと聞くのか?」
スルスルと体の中に入っていくように思えたんだ。
斗空は気を遣ってくれないから、なんでもハッキリ言うから、でも…
本当のことしか言わないの。
「もう1度聞くけど、咲月はどうしたいんだよ」
静かな廊下、食堂の入り口は少し遠くてきっと誰にも聞こえていない。
「ボクは…っ」
ここには私たちしかいない。
「あゆむんと一緒に食べたい…っ」
きゅぅってさっちゃんが目をつぶったからポロッて涙がこぼれた。
その涙を私がすくいあげることができなくても、私にできることはある。
「さっちゃん!一緒に食べよ!」
ほら、隣で。
一緒に食べよう、一緒に笑おう。
1人じゃないよね、私たち。
「とあぴも一緒に食べるの?」
トイレでは一緒に食べられないから、右奥の方にある階段で。ここなら食堂から誰か出て来ても見付からないかなって。
「あぁ、咲月が1人でどこで食べるのも勝手だけど俺が誰と食べようと俺の勝手だから」
律儀に手を合わせてミートソーススパゲティを食べ始める。
本当のことしか言わないけど、なんてゆーか…
「回りくどいよね」
「はぁ!?」
「素直にさっちゃんと食べたいって言えばいいのに」
「だから勝手だって言ってるだろ!」
それも全部優しさってことはわかってるけどね。
私も好きだもん、斗空のこともさっちゃんのことも。
あとついでに智成くんも?
なんてね。
さっちゃんも笑ってるもん。
いつものさっちゃんで笑ってる、私の隣で。
やっぱご飯は一緒に食べた方がおいしいよね。
「…あゆむん、とあぴもありがとう」
「ううん!私がさっちゃんと食べたかっただけだから、斗空は勝手にそこにいるだけらしいけど」
「勝手に乱用するなよっ」
これでよかったんだって思ってた。
これが私のできることなんだって、でもそんなこと思う時点でおこがましかったのかもしれないね。
「最初からこうすればよかったんだって思った」
「うん、そうだよこれからも一緒に食べようよ」
さっちゃんをもっと傷付けることになるなんて思ってなかった。
モヤモヤしながら考えた。
何を言っても変わらないのかもしれないって、もう何もしない方がいいのかもしれないって。
でもね、斗空に教えてもらって1つわかったことがあるの。
「さっちゃん、一緒に食べよう!」
だからもう1度聞いてほしい。
私の声を、届けたい。
「あゆむん…、もういいって言ったのに」
今日は食堂の入口じゃなくて先回りしてトイレの前で待っていた。おぼんの上には今日のお昼ご飯ミートソーススパゲティが乗っている。
「気なんか全然遣ってないよ!」
声を出すとおぼんが揺れてコップに入ったお茶がこぼれそうになった。
「だってあの寮めちゃくちゃだから気なんか遣ってたらやってけないもん」
ばーんっと胸を張った、さっちゃんは何言ってるの?って顔してた。
入寮した日から思ってたことを述べたまでなんだけど、初めて会ったのにハチャメチャだなって。
でも、だから…
私は私でいられる場所だなって思ったんだ。
無理しなくていい、私らしくいられる場所。
それって居心地がいいんだよ。
「だからこれは私のワガママだよ、私が今さっちゃんといたいの」
みんな自由に好きなこと言うから、私も言いたいだけだよ。
「でもあゆむん…ダメだよ」
「なんでっ、何がダメなの!?」
「だってボクと一緒にいたらあゆむんまで嫌な思いしちゃう…!」
苦しそうな顔で瞳を潤ませた。
「そんなの嫌だっ、せっかくあゆむんと仲良くなれたのにあゆむんまでボクのせいでっ」
え…
私のこと、考えててくれたの?
私のこと思って、わざとあんなこと言ったの…?
「あゆむんともっと仲良くしたいから…っ」
ポロッと大粒の涙が流れた。
顔をゆがめて、俯いて、ひっくひっくと声を殺すように泣いていた。
さっちゃんの思いが溢れて来るみたいで、どうやって私はその涙をすくいあげたら…
「咲月、咲月は“今”どうしたいんだよ」
「斗空!?」
気付いたら隣に斗空が立っていた。右側の腰におぼんの側面を当てて右手で支えるように持って、ミートソーススパゲティはまだひとくちも食べられていなさそう。
「咲月」
さっちゃんが顔を上げる、頬は涙の跡でいっぱいだった。
「……とあぴ」
「どうしたいんだよ、言ってみろよ」
「……。」
「斗空そんな言い方っ」
そんな上から言ったらさっちゃんまた泣いちゃうかしれないじゃん!もっと言い方あるでしょ!
「言っとくけど、どうせ歩夢も嫌われてるんだから気にすんなよ」
「おぉい!ひどいなっ!!」
フォローしようと思ったのにまさかのブーメランで自分に回って来るとは思ってなかった。
いや、事実なんだけど!鞠乃ちゃんたちからずっとそんな扱いなんだけど!
「てゆーかそれ私も気にしてっ」
「でも1人じゃない」
「…っ」
真っ直ぐさっちゃんの方を見て、今度は私の方を見た。
斗空の目は鋭くてちょっと怖そうに見えるけど、正直で透き通った瞳をしてる。
「誰に嫌われてようとも、隣にはいつもいるだろ」
俯くさっちゃんに問いかけるように、それは私にも問うてるみたいで。
「それともそんな嫌ってる奴の言うこと聞くのか?」
スルスルと体の中に入っていくように思えたんだ。
斗空は気を遣ってくれないから、なんでもハッキリ言うから、でも…
本当のことしか言わないの。
「もう1度聞くけど、咲月はどうしたいんだよ」
静かな廊下、食堂の入り口は少し遠くてきっと誰にも聞こえていない。
「ボクは…っ」
ここには私たちしかいない。
「あゆむんと一緒に食べたい…っ」
きゅぅってさっちゃんが目をつぶったからポロッて涙がこぼれた。
その涙を私がすくいあげることができなくても、私にできることはある。
「さっちゃん!一緒に食べよ!」
ほら、隣で。
一緒に食べよう、一緒に笑おう。
1人じゃないよね、私たち。
「とあぴも一緒に食べるの?」
トイレでは一緒に食べられないから、右奥の方にある階段で。ここなら食堂から誰か出て来ても見付からないかなって。
「あぁ、咲月が1人でどこで食べるのも勝手だけど俺が誰と食べようと俺の勝手だから」
律儀に手を合わせてミートソーススパゲティを食べ始める。
本当のことしか言わないけど、なんてゆーか…
「回りくどいよね」
「はぁ!?」
「素直にさっちゃんと食べたいって言えばいいのに」
「だから勝手だって言ってるだろ!」
それも全部優しさってことはわかってるけどね。
私も好きだもん、斗空のこともさっちゃんのことも。
あとついでに智成くんも?
なんてね。
さっちゃんも笑ってるもん。
いつものさっちゃんで笑ってる、私の隣で。
やっぱご飯は一緒に食べた方がおいしいよね。
「…あゆむん、とあぴもありがとう」
「ううん!私がさっちゃんと食べたかっただけだから、斗空は勝手にそこにいるだけらしいけど」
「勝手に乱用するなよっ」
これでよかったんだって思ってた。
これが私のできることなんだって、でもそんなこと思う時点でおこがましかったのかもしれないね。
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