私達は・・・

radio (寝寝寝)

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【私】 男の勝利

③愛している男ができたを選択 前編

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彼は本日のお茶会は何を話そうかと私に笑いかけた

それに対しての私の返答は‥‥‥‥

【貴女の選択】
③愛している男ができた

 私はこの男に愛想を尽かさせる為にある嘘をつく事にした。

「実は貴方に……」

「ん? 何かな」

「実は貴方に隠し事があったの」

「……何のことかな?」

「私…………愛している男ができたの!!」

パリンッ

 表情はいつものあの笑顔のままだが、彼は私の言葉に動揺したのか持っていたティーカップを落としてしまった。
 そして完全にフリーズした。

「…………」

「…………」

「……………………………………………………」

「……………………………………………………」

「は、え? 今なんて…………」

 男は動揺のあまり聞き返してきた。恐らく脳が理解することを拒絶したのだろう。そんな彼に再度告げる。

「私、愛している男ができたの」

「…………」

 男は再度フリーズした。

 やや長い間をおいて男は、やっと私の言葉を理解した。

「……貴女は、それを言う意味を理解しているのですか? 婚約者である私に対してそんなこと言うなんて…… 政略結婚であると愛人を囲う貴族も珍しくはないが……私は愛人は認めない。絶対に認めない! 貴女が私を愛さず他人を愛するなんて許さない。それで? 貴女は私にそれを宣言してどうしたいの?」

 少し予想外の反応が返ってきた。この男の事だから、怒り狂って相手を誰か問い詰めて殺すものと思っていたため、意外にも冷静に返す男に背筋がぞわそわする。それに、今男はいつもの表情を脱ぎ捨て、こちらの真意を探るように私を観察している。

 予想外だ。男が私の愛人(仮)を殺したことを利用して婚約破棄をするつもりだった……邪魔者をまとめて消すチャンスだったのにこれでは、計画通りにいきそうもない。しょうがないので異常事態の時のプランBに移行することにした。 

「私、今言ったとおり好きな男性ができたの。貴方との結婚は政略結婚でしょ? 貴方が認めなかろうと、私は彼を愛しているの。貴方に言ったのは、これを機に婚約を破棄した方がお互いのためだと判断したのよ。私と貴方はまだ婚約であって、結婚はしていないでしょう? 貴方もまだ婚約者を見つけることが可能な年なのだし、私から離れてみてはどうかしら? しかも、この婚約は私の家を経済的に支援してくれることを条件にした政略婚約でしょ? 貴方からしたら厄介なものが無くなっていいのではなくて?」

 まあ、こう言ったところで彼が婚約破棄しないことは予想がつく。そしてこの後の展開も……

「貴女はわかっているでしょう? 私が貴方の家にしか利益がないと言ってもいいこの婚約をした理由を……私は。だから、婚約した。手段は強引だったかもしれないが……あの貴方の父親ではどちらにしろ。私は予定を早め貴女に最善の選択をさせただけだ」

 この男は、本当に今日は予想外の事ばかりする。私にバレないように行っていたであろうことを暴露する。確かに私は知っていたし、の情報を収集していた。しかし、こんな形で暴露されるとは思っていなかったため、動揺した。

「貴女が情報を収集していたことに気付いたのは最近だったから、てっきりそれが貴女の言う隠し事だと思った。それだったらどうとでもなったんだけど……まさか男とは……はぁ」

 男は溜息を吐きながら目元を覆ってしまった。そこから再度長い沈黙が続く。

 長い沈黙を破ったのは、男だった。

「貴女は……疲れているのだ。うん、きっとそうだ。気の迷いでこんな大切なことを決めるのはやめておいた方が良い。昨日疲れに効くという茶葉を手に入れたんだ、飲んでいってくれ」

「えっと、疲れてな「疲れてるんだ」……」

 男が顔を上げ私に言う。というより、自分に言い聞かせているようだった。その目は血走っており、飲む以外の選択をさせる気はないと雄弁に語っている。

「……わかったわよ。頂くわ。ただし、貴方も相当疲れているようだし貴方も飲んで」

「……誰のせいだと……はぁ、まあいい。私も飲むよ」

 そして、そのお茶を飲みこの日のお茶会はお開きとなった。

 しかし、このお茶が原因で私は……
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