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【私】 男の勝利
後編*
しおりを挟む「じゃーん。ここが私たちの部屋だよ」
そう言って連れてこられた部屋は、いたるところに私の肖像画が置かれている部屋だった。
「ここは、貴女と結婚したら使う予定の部屋だったんだけどね。今は私の部屋として使ってたんだ。貴女に見られるなんて思ってなかったから、今日は全て見えてしまっているね」
恐らく、普段であれば私の肖像画は隠しているのだろうというのがその言葉から伝わってくる
「まあいいや、たぶんまだ貴女はしゃべりにくいよね」
まだ、舌が思うように動かないし、もちろん体も動かない。そんな私にこの男はこう問いかける
「君の理想はわかったんだけど、到底受け入れることができない。今ならまだ間に合うから、私を選んでくれないかな? 受け入れてくれるなら、私は今から行うことをやめるよ。どうか……どうか受け入れて」
切実に最後は祈るようにいう男に少し動揺したが……
「きゃあぁぁぁぁ!」
「リナ―っ!くそっ、やめろぉぉぉぉぉ!」
外から聞こえてきたリナの悲鳴で意識はそちらに向いてしまった。
「ちっ、あいつら、静かに処分することもできないのか……これは、仕置きが必要だな」
「な、にを、したの?」
「ああ、ごめんね。うるさくて。 君の選択次第によっては、君の護衛や侍女は邪魔になるからね。処分しただけだよ。貴女が私を選んでくれるなら私が貴方に相応しい者を私が手配するから安心して」
ニコニコと平然と私に言うこの男はやはりイカレている。
人を物としかとらえていないのが今の発言からもわかる。
だから、私の選択は……
「あ、なた、を、えらぶ、こ、とは、ない」
「……そうか。貴女は私を選んではくれないのか……」
男はニコニコとした笑顔から一転して、泣きそうに顔を歪めた
「……貴女の選択はわかった。 貴女が私のものにならないことは……では、この方法で貴女を永遠に私だけのモノにしてあげるよ」
そう言って男は私を抱き上げると部屋から出た。
私を抱き上げたとき、既に男の表情は無表情へと変わっていた。
私を抱えたまま、男は書斎に来た。私をいったんソファーに下ろした。そして、壁に掛けてあった天使の絵画を叩き落すと、その裏にあった手形?のようなものの上に手をかざし、何かをつぶやいた。
すると、手形が一瞬光った。そして、光が収まると手形の横の壁に先ほどまでなかったドアが現れた。
再度男が私を抱き上げた
「行こうか……」
ドアの向こうには地下へと続く階段が現れていた
コツコツと男は階段を下りていく。不思議なことに、男が進むのに呼応して蠟燭が灯る。
階段を下りる間、男は何も話さなかった。
そして、階段が終わると大きな扉が現れた。
その扉の前に男が立つと、ギギギギギと音を立てながら扉が開いた
その扉の先には……手術台があった。
「こ、こは……」
男はそれには答えず、私を手術台の上に下ろした。そして、カチャカチャと壁に置いてある棚から何かを取り出した。
そして、何かを手に持ちながらこちらに来た男はやっと声を出した
「……ここは、見てわかるように手術室だよ。そして、今から私がやろうとしていることは……貴女を永遠に私のモノにする」
何を言っているのか理解できない
しかし、命の危機が迫っていることだけは男の雰囲気から理解した
「な、にを……」
「……今から貴女を標本にする」
この男は、本当に、何を言っているのだろうか……
「…………」
「貴女が私から離れるなんて考えられないししたくない。貴女が私を選んでくれないのなら、そうなるようにしてあげる。大丈夫。永遠に貴女を大切にしてあげる」
そういうと、男は私のドレスをハサミで切り裂いた。そして、私を裸にするとメスを取り出した
「麻酔はもう効いているでしょ。だから痛みは感じないはずだよ。でも、ごめんね。眠ることはあの茶葉の副作用でできないんだ。自分の死ぬところなんて見たくないでしょ。
でも、貴女には最後の瞬間まで私を見ていて欲しいんだ。その目に、魂に焼き付けて。私がどれほど貴女を愛しているかを……どれほど貴女を思っているのかを…貴女の選択を……」
そういうと男は、ゆっくりと鎖骨当たりにメスを下ろすとそこからへそ上まで切り開いた。
「あは、貴女は内臓の色まで美しいのですね」
そして、私の中から私のモノが抜き取られていく
彼がどくどくと私の中でしているものに触れた。
そして、それをゆっくりと取る
この時にはすでに意識はかすれ、瞼を開けていることができなくなっていた。
微かに最後に聞き取れたのは……
「お休み。愛しい私の婚約者……」
数日後、彼の隠し部屋には1体の標本が飾られていた
「あぁ、貴女は美しい。
私は貴女を一生大切にするよ……」
男の目には女はとても美しく見えたようだ……
その後、男は結婚することもなく養子を取り、その子が成人するとある森の中にある小さな家に隠居したそうだ。
数十年後
遭難した男が夜、森の中に建っている小さな家を見つけた。
その小さな家に人気はなく、何か食べれるものはないかとその家の中をまわった。
そして、寝室だと思われる部屋に入ると男は戦慄した。その部屋は異様な鼻をつくような臭いが充満しており、ベッドには白骨化した死体と、その隣には到底生きているようには見えない何かがいた。
男は、それに驚いた拍子に持っていた蝋燭を落としてしまった。
すると、勢いよく炎は広がりごうごうと燃え広がった。
急いで家から出た男は急いでそこから離れ、何かから逃げるようにがむしゃらに走ったところ街に着いた。
その後、街では森には化物がいると噂になったが、真相は謎のままだ。
END2【一生貴女を大切にするよ】
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