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【私】 男の勝利
②貴方の夢見る結婚を選択 前編
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彼は本日のお茶会は何を話そうかと私に笑いかけた
それに対しての私の返答は‥‥‥‥
【貴女の選択】
②貴方の夢見る結婚
「では、本日は貴方の夢見る結婚について話しませんか?」
「!? 勿論だとも! いや~、貴女からその話題を出してくれるなんて! 嬉しいよ」
「……」
「あはは、そうだね~、私の理想……か」
そう言うと、男は理想の結婚を話し始めた
「まず、第一条件として相手は貴女しか認めない。次に結婚の時期は、貴女の成人と同時。そこからは毎日一緒に過ごしたいな。 朝から晩までずっと。そして、子供は……たぶん1年以内には絶対できると思うんだよね。理想としては、一人目に後継ぎの男の子。二人目に女の子。三人目に男の子。そして、後継ぎの子が成人したらすぐに爵位を引き継いで私達は自然豊かなところに隠居。正直貴女との子供なら何人いても私はいいけどね」
男は細かい理想はもっとあるんだけど……と言いながらこちらをちらちらと見ている
「何か?」
「え? いや~、私の一番の理想は貴女が私との婚約を望んでくれることなんだが……」
そういう彼に私ははっきりと笑顔で告げる
「ふふふ、そんな冗談を貴方が言えるなんて、驚きましたわ。それに、その願いが叶わないことは誰よりも貴方が知っているのではなくて?」
「…………」
そういうと彼は黙ってしまった。
「まあ、いいわ」
「……それで? 貴女がこの話題を私に振ってくれた理由はなんでかな?」
私に笑いかけるような表情をしているが、目は笑っていない
「いえ、私の夢見る結婚について話す前に、貴方の理想を聞いてみたかっただけですわ」
「そうなんだね! よかった~、貴女がまさかだが婚約破棄なんて言い出していたら……貴女を食べてしまうところでしたよ(ボソッ」
「? 最後の方が聞こえなかったのですが、言い出していたらなんですの?」
「ふふふ、秘密だよ。でもその話題はアウトだってことだけ覚えておいてね?」
最後、男は真顔になっていたが今はもうまた胡散臭い笑顔を張り付けていた
「それで? 貴女の理想の結婚は?」
「そうね。私の理想は、まず第一条件が貴方でないことでしょ? 後は、私を一生大切にしてくれれば良いわ」
「……第一条件の時点で私の理想は破綻するね」
「そうですね」
「しかし、その第一条件を取り除けば、私が一番ではないかな? 貴女を一生大切にすることにかけて私の右に出る者はいないよ?」
「そこが一番重要な条件じゃない」
話過ぎて、のどが渇いてきた
もう冷めてしまった紅茶を飲もうとカップに手を伸ばすと、彼に止められてしまった
「待って。 それはもう冷めてるでしょ。今新しいのを用意させるよ。 メル、新しい紅茶を……茶葉はアレでよろしく」
「畏まりました。少々お待ちください」
「アレとは?」
「ん? ああ、今回は君とのお茶会のために珍しい茶葉を取り寄せたんだよ。少し不思議な風味なんだが、貴女の感想を聞かせてくれないか?」
彼と話しているとメルというメイドが返ってきた。彼女の動きには無駄がない
「本当に、貴方の屋敷にいる者は皆、隙が無いわね……まるで暗殺者の様に」
「ふふふ、勘の良い貴女であれば、私の家の仕事にも気付いているのでは?」
「……」
彼の返答に無言を返す
「……こんな話はやめて、お茶会を楽しもう? 頼んでいた茶葉も届いたし。この茶葉は私が入れるよ」
「え?」
「今日のために練習したんだ。 味の感想聞かせてね」
そう言い、メイドから茶葉を受け取ると、彼は洗礼された所作でお茶を入れ始めた
「貴方って本当に何でもできるのね」
「あはは、器用貧乏なだけだよ」
そう言いながらも出来上がったものは、とても美味しかった。まあ、それをこの男にそのまま伝えることはないけれど……
「……確かに風味は独特ね。とてもさわやかな風味だわ」
そして、世間話をし時間もちょうど良いぐらいの頃合いになったので、帰ろうと思ったが、立ち上がることができなかった。そのまま、机の上に倒れこんでしまった。
「よっと、危ない危ない。 今ここで傷なんてついたら困るからね。それこそ一生ものの傷になってしまう」
彼によってカップは避けられたため、机の上に伏せるだけで済んだが……
「こ、れは、どうい、う事よ?」
舌が思うように動かず途切れ途切れになってしまう
「あの紅茶はね、筋弛緩剤って貴女ならわかるかな? あれを宗教上使うことができない地方がその代わりとして用いる物なんだ。まあ、なぜそれが普通使われないのかは、薬と違って効力が強すぎて副作用がある事。そして、飲み合わせによっては、強力な麻酔になってしまい、普通の生活を送ることができないからだ。これを手に入れるのは大変だったよ。 でも、貴女の願いも聞けたし、私としては大満足だよ」
私と同じものを飲んでいたはずなのに、貴方はなぜ……と目で訴えかければ、彼はその意図を正しく読み取った。
「私が平然としているのは、それらを中和する薬をお茶会直前に飲んだからだよ。
用意はしたが、本当は使う気はなかったんだけどね……君の理想を聞いて気が変わった」
どうやら、彼の触れてはいけない琴線に触れてしまったようだ
「さあ、とりあえず部屋に行こうか」
そういうと私を抱き上げ、メルの横を通り過ぎる時
「後の処理は任せた」
「御意」
彼の声は今までとは打って変わり、とても低く顔も無表情となっていた。私の視線に気づくと、また取り繕った笑みを顔に張り付けた。
きっと、先ほどの顔がこの男の本性なのだろう。知ってはいたが恐ろしい……そして、そんな男がこれから私に何を行うかなど……
それに対しての私の返答は‥‥‥‥
【貴女の選択】
②貴方の夢見る結婚
「では、本日は貴方の夢見る結婚について話しませんか?」
「!? 勿論だとも! いや~、貴女からその話題を出してくれるなんて! 嬉しいよ」
「……」
「あはは、そうだね~、私の理想……か」
そう言うと、男は理想の結婚を話し始めた
「まず、第一条件として相手は貴女しか認めない。次に結婚の時期は、貴女の成人と同時。そこからは毎日一緒に過ごしたいな。 朝から晩までずっと。そして、子供は……たぶん1年以内には絶対できると思うんだよね。理想としては、一人目に後継ぎの男の子。二人目に女の子。三人目に男の子。そして、後継ぎの子が成人したらすぐに爵位を引き継いで私達は自然豊かなところに隠居。正直貴女との子供なら何人いても私はいいけどね」
男は細かい理想はもっとあるんだけど……と言いながらこちらをちらちらと見ている
「何か?」
「え? いや~、私の一番の理想は貴女が私との婚約を望んでくれることなんだが……」
そういう彼に私ははっきりと笑顔で告げる
「ふふふ、そんな冗談を貴方が言えるなんて、驚きましたわ。それに、その願いが叶わないことは誰よりも貴方が知っているのではなくて?」
「…………」
そういうと彼は黙ってしまった。
「まあ、いいわ」
「……それで? 貴女がこの話題を私に振ってくれた理由はなんでかな?」
私に笑いかけるような表情をしているが、目は笑っていない
「いえ、私の夢見る結婚について話す前に、貴方の理想を聞いてみたかっただけですわ」
「そうなんだね! よかった~、貴女がまさかだが婚約破棄なんて言い出していたら……貴女を食べてしまうところでしたよ(ボソッ」
「? 最後の方が聞こえなかったのですが、言い出していたらなんですの?」
「ふふふ、秘密だよ。でもその話題はアウトだってことだけ覚えておいてね?」
最後、男は真顔になっていたが今はもうまた胡散臭い笑顔を張り付けていた
「それで? 貴女の理想の結婚は?」
「そうね。私の理想は、まず第一条件が貴方でないことでしょ? 後は、私を一生大切にしてくれれば良いわ」
「……第一条件の時点で私の理想は破綻するね」
「そうですね」
「しかし、その第一条件を取り除けば、私が一番ではないかな? 貴女を一生大切にすることにかけて私の右に出る者はいないよ?」
「そこが一番重要な条件じゃない」
話過ぎて、のどが渇いてきた
もう冷めてしまった紅茶を飲もうとカップに手を伸ばすと、彼に止められてしまった
「待って。 それはもう冷めてるでしょ。今新しいのを用意させるよ。 メル、新しい紅茶を……茶葉はアレでよろしく」
「畏まりました。少々お待ちください」
「アレとは?」
「ん? ああ、今回は君とのお茶会のために珍しい茶葉を取り寄せたんだよ。少し不思議な風味なんだが、貴女の感想を聞かせてくれないか?」
彼と話しているとメルというメイドが返ってきた。彼女の動きには無駄がない
「本当に、貴方の屋敷にいる者は皆、隙が無いわね……まるで暗殺者の様に」
「ふふふ、勘の良い貴女であれば、私の家の仕事にも気付いているのでは?」
「……」
彼の返答に無言を返す
「……こんな話はやめて、お茶会を楽しもう? 頼んでいた茶葉も届いたし。この茶葉は私が入れるよ」
「え?」
「今日のために練習したんだ。 味の感想聞かせてね」
そう言い、メイドから茶葉を受け取ると、彼は洗礼された所作でお茶を入れ始めた
「貴方って本当に何でもできるのね」
「あはは、器用貧乏なだけだよ」
そう言いながらも出来上がったものは、とても美味しかった。まあ、それをこの男にそのまま伝えることはないけれど……
「……確かに風味は独特ね。とてもさわやかな風味だわ」
そして、世間話をし時間もちょうど良いぐらいの頃合いになったので、帰ろうと思ったが、立ち上がることができなかった。そのまま、机の上に倒れこんでしまった。
「よっと、危ない危ない。 今ここで傷なんてついたら困るからね。それこそ一生ものの傷になってしまう」
彼によってカップは避けられたため、机の上に伏せるだけで済んだが……
「こ、れは、どうい、う事よ?」
舌が思うように動かず途切れ途切れになってしまう
「あの紅茶はね、筋弛緩剤って貴女ならわかるかな? あれを宗教上使うことができない地方がその代わりとして用いる物なんだ。まあ、なぜそれが普通使われないのかは、薬と違って効力が強すぎて副作用がある事。そして、飲み合わせによっては、強力な麻酔になってしまい、普通の生活を送ることができないからだ。これを手に入れるのは大変だったよ。 でも、貴女の願いも聞けたし、私としては大満足だよ」
私と同じものを飲んでいたはずなのに、貴方はなぜ……と目で訴えかければ、彼はその意図を正しく読み取った。
「私が平然としているのは、それらを中和する薬をお茶会直前に飲んだからだよ。
用意はしたが、本当は使う気はなかったんだけどね……君の理想を聞いて気が変わった」
どうやら、彼の触れてはいけない琴線に触れてしまったようだ
「さあ、とりあえず部屋に行こうか」
そういうと私を抱き上げ、メルの横を通り過ぎる時
「後の処理は任せた」
「御意」
彼の声は今までとは打って変わり、とても低く顔も無表情となっていた。私の視線に気づくと、また取り繕った笑みを顔に張り付けた。
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