波のカナタ

石川 直生

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晶 陸 功

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 お昼、どうしようかなと思ってると前に座っていた眼鏡をかけた男子が一緒に食べない?と晶に声を掛けてくれた。晶は、うんと言いその子と食べようとする。
 そのとなりへ、北海陸と陸の友達がやってくる。
 陸が、晶に言う。
「俺らも一緒していい?」え。ヤだ。けど下のもんがスクールカースト一軍の中でも、キツイ性格の陸に断ることなんてできると思う? いや、できない。
「いいよー」ホントは、イヤ。陸は、もう慣れたし機嫌が良ければフツーに話すけど部活でも気ィ使ってんのに、それ以外でつるみたくはない。
 眼鏡くんは、陸たちをみて、僕あっち行くねと去っていってしまった。ええ? ……悲しい。この大変さ分かち合いたかったのに。俺が陸に呼んでこようかと言うと、アイツ、なんか俺らと違くね、とか言ってあっさり逃げられた。うう。俺も功くんのとなりにでも逃げたいよー。俺だって、陸みたいな圧迫感アリアリ野郎と全然違うっての! 一緒にされたくありません!

 けどコイツ、友達少なそーだもんなー。(人のこと言えないけど) あー、めんどくさ。

 とそんなある日のこと、中野さんて同じクラスの女子生徒が晶に聞いてくる。
「ねえねえ。北海くんてさ、彼女いるのかな?」あ。そーいやアイツ、そうゆうの言わないな。
「さあ? 知らない」
「えー。もう。使えないなー」なんだと!? 怒
「自分で聞きゃいいじゃん」
「えー。聞けないよ」
「どしてよ」
「え。だって北海くん、カッコイイもん!」……。つまり好きすぎて恥ずかしいってこと? 中二病かよ。ーーって俺も功くんにそうだし! 人のこと言えねーな。うん。

「じゃさ。昼呼ぶから、一緒に飯食わね?」
「え。いいの?」もー、いいかげんあのグループ抜けたいんだよね。女子を引き入れて、俺抜けるわ。
 おー。ナイス作戦アイデア! 俺、天才じゃね??
「いいいい! 中野さんたち可愛いからさ(テキトー) 陸くん愛想ないけど、本当は喜んでるから」しらんけど。陸くんて本当カワイ気がない。ま、あの容姿じゃ仕方ないけどな。今まで、さぞかしチヤホヤされてきたんだろうね。下っぱは気ィ使って疲れるよ。部活でも気使って疲れんのに、なんでクラスでまで
アイツのご機嫌伺わなきゃなんねーんだよ。金ももらってねえのにバカバカし!! 俺は功くんとしかBLはしたくナイ!! (ん?)

 お昼休みに晶が中野さんを呼ぶ。
「中野ー! こっちこっち」おずおずと女子たちが五人くる。陸と友達が見る。晶が説明する。
「あのさ。中野さんたちが一緒に弁当食いたいんだって。いいよね? 陸くん」
「いいよ」陸が女子にニコッとする。
 おお。女子には優しいのね。中野さん、感謝!! 陸を頼むわ。のし付けてあげる! 末永くよろしくなっ! (ちなみに俺は消えるよん♪)

「ありがとー」女子が五人、机を寄せて集まる。晶は、はしっこに行く。
 ハァー。よかった。女あてがっときゃ文句ねえだろ。もう、コイツらにはつきあってらんねー。弁当食ったら、颯斗んとこ行ってサッカーに入れてもらお。(サッカーはできないけど功くん、攻略すんのさ♪)

 功は、一年の時はお昼休みは大体クラスにいた。二年になってからは、大体運動場にいる。後に晶は知るのだが、サッカー部に苦手な子が一人いてその子を避けていた。レギュラーと補欠とかいろいろあって。その子は、他人の悪口をあからさまに言う。(一年時はサッカー初心者の悪口。レギュラーになったら補欠の悪口。あと中学で虐めをしていたとか言って、弱い者イジメ。そんなことを自慢する神経がワからない) 功は、補欠だが皆と仲良くする方が楽しい。その子以外は。

 ©️石川 直生 2020.

 
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