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カチッ、っと機械音がなりお湯が沸いた
台所にやって来た見知らぬ人は、私に仕事をくれた不審者ではなかった
バスタオルを腰に巻き、頭を別のタオルで拭きながらこちらに歩いてくる
私はとっさに仕舞おうとしていたフライパンを彼の方に向けた
「っだ、誰!?」
「んあ?てめーこそ誰だよ」
まるで私を殺すかのような殺意をむき出しにしてこちらを睨みつける
彼は明らかに武器を持っていない
だけどなんとも言えないものが、危険だと警告していた
フライパンを持つ手は微かに震えていて、彼に悟られないように必死に話を切り出し隠した
「っう、動かないで…。…手を上げなさい!」
「後悔するぞ」
「私はそんな脅しには屈しないわ…」
本当はめちゃくちゃ怖い
私は女で彼は男だ
その気になればいとも簡単に殺られてしまうことは、流石に分かる
けど、下手に出たら自分が不利になるととっさに思った
平常心、平常心
そう心に言い聞かせた
「そうかよ」
そう言うと両手を軽く上げる
その拍子に、手で掴んでいた腰元のバスタオルが床に広がりながら落ちた
ぱさっと軽い音がなり、彼の下半身が露わになる
思いがけない出来事に、流石に冷静を装うことはできなくなり、きゃぁぁぁぁぁっと両目を思いっきり手で覆い後ろを向く
どうしたのっと私の甲高い悲鳴を聞きつけて息を切らしながらやってきたのは不審者だった
私は後ろを向きながら早くバスタオルを掴んでくださいと叫んだ
「手を上げろっつただろ」
「さっきの言葉はなしです!撤回します!!」
彼はバスタオルを拾い腰に巻きつける
不審者は私の方に駆け寄り、ごめんごめんと謝ってきた
どうやら彼がこの家の家主で、不審者を捜して音のする台所へと来たようだ
不審者は彼の仕事仲間で一緒に暮らしているらしい
絶妙な空気の中、不審者は彼に私を紹介し、私に彼を紹介した
彼の名前はジャン
23歳だそうだ
(ジャン?日本人じゃないの?)
確かに日本離れした顔立ち、少し明るい茶色にオリーブがかったような瞳
少し長い髪は白髪というよりかは銀髪で首や胸板にはタトゥーが見えた
できれば早く服を着てほしい
細身の体だが、しっかりと筋肉はついている
細マッチョとはこういうことを言うのだろ
彼の手は大きく私の顔を簡単に隠せそうで、私との体格の差を教えるかのような身長差と今もなお睨み続けられている彼の視線が痛い
住み込みの仕事は不審者が勝手に決めたみたいで、家主のジャンさんは何も知らされていなかった
視線が痛い理由はこれだった
そりゃ、お風呂から出て自分の家の台所に全く知らない女が居たら誰だってこんな反応をするだろう
私だってそうする
いや、すぐさま警察に通報して家から出て行って欲しい
ジャンさんは眉間にシワを寄せ、たれ気味の目で私を見下ろし明らかに不機嫌な態度で腕組みをていた
頭から足先まで、上から下に、まるで全身チェックする様に確認され視線を私から不審者へと向けた
「この家の家主は俺だぞ。こういうの勝手に決めるな」
「えー、だって、言ったら絶対ダメっていうじゃん。」
図星を突かれたみたいにジャンさんは黙った
不審者は続けて話した
この家は汚すぎる事、自分たちにはちゃんとした食事提供に洗濯や掃除等の家事をしている人が必要だということ
確かに、台所はもちろん、台所にたどり着くまでの道のりにも相当のゴミや私物が散乱していた
ここの住人は片付けが苦手らしい
どうやったらここまで汚くなるのか逆に教えて欲しいくらいだ
唯一の救いと言えば、この汚さが家を出れば全く見えない、感じられない事だと失礼ながら思った
「お互い忙しいじゃない?だから彼女にお願いしようとおもって。」
「どこで見つけたんだ?」
「コンビニ前。」
はぁ?っとキレ、声を荒げる
その声にびくつき、ジャンさんの顔に恐怖を覚え両手をぎゅっっと握り、彼からにじみ出る殺気に今まで感じたことのない何かに襲われる
台所にやって来た見知らぬ人は、私に仕事をくれた不審者ではなかった
バスタオルを腰に巻き、頭を別のタオルで拭きながらこちらに歩いてくる
私はとっさに仕舞おうとしていたフライパンを彼の方に向けた
「っだ、誰!?」
「んあ?てめーこそ誰だよ」
まるで私を殺すかのような殺意をむき出しにしてこちらを睨みつける
彼は明らかに武器を持っていない
だけどなんとも言えないものが、危険だと警告していた
フライパンを持つ手は微かに震えていて、彼に悟られないように必死に話を切り出し隠した
「っう、動かないで…。…手を上げなさい!」
「後悔するぞ」
「私はそんな脅しには屈しないわ…」
本当はめちゃくちゃ怖い
私は女で彼は男だ
その気になればいとも簡単に殺られてしまうことは、流石に分かる
けど、下手に出たら自分が不利になるととっさに思った
平常心、平常心
そう心に言い聞かせた
「そうかよ」
そう言うと両手を軽く上げる
その拍子に、手で掴んでいた腰元のバスタオルが床に広がりながら落ちた
ぱさっと軽い音がなり、彼の下半身が露わになる
思いがけない出来事に、流石に冷静を装うことはできなくなり、きゃぁぁぁぁぁっと両目を思いっきり手で覆い後ろを向く
どうしたのっと私の甲高い悲鳴を聞きつけて息を切らしながらやってきたのは不審者だった
私は後ろを向きながら早くバスタオルを掴んでくださいと叫んだ
「手を上げろっつただろ」
「さっきの言葉はなしです!撤回します!!」
彼はバスタオルを拾い腰に巻きつける
不審者は私の方に駆け寄り、ごめんごめんと謝ってきた
どうやら彼がこの家の家主で、不審者を捜して音のする台所へと来たようだ
不審者は彼の仕事仲間で一緒に暮らしているらしい
絶妙な空気の中、不審者は彼に私を紹介し、私に彼を紹介した
彼の名前はジャン
23歳だそうだ
(ジャン?日本人じゃないの?)
確かに日本離れした顔立ち、少し明るい茶色にオリーブがかったような瞳
少し長い髪は白髪というよりかは銀髪で首や胸板にはタトゥーが見えた
できれば早く服を着てほしい
細身の体だが、しっかりと筋肉はついている
細マッチョとはこういうことを言うのだろ
彼の手は大きく私の顔を簡単に隠せそうで、私との体格の差を教えるかのような身長差と今もなお睨み続けられている彼の視線が痛い
住み込みの仕事は不審者が勝手に決めたみたいで、家主のジャンさんは何も知らされていなかった
視線が痛い理由はこれだった
そりゃ、お風呂から出て自分の家の台所に全く知らない女が居たら誰だってこんな反応をするだろう
私だってそうする
いや、すぐさま警察に通報して家から出て行って欲しい
ジャンさんは眉間にシワを寄せ、たれ気味の目で私を見下ろし明らかに不機嫌な態度で腕組みをていた
頭から足先まで、上から下に、まるで全身チェックする様に確認され視線を私から不審者へと向けた
「この家の家主は俺だぞ。こういうの勝手に決めるな」
「えー、だって、言ったら絶対ダメっていうじゃん。」
図星を突かれたみたいにジャンさんは黙った
不審者は続けて話した
この家は汚すぎる事、自分たちにはちゃんとした食事提供に洗濯や掃除等の家事をしている人が必要だということ
確かに、台所はもちろん、台所にたどり着くまでの道のりにも相当のゴミや私物が散乱していた
ここの住人は片付けが苦手らしい
どうやったらここまで汚くなるのか逆に教えて欲しいくらいだ
唯一の救いと言えば、この汚さが家を出れば全く見えない、感じられない事だと失礼ながら思った
「お互い忙しいじゃない?だから彼女にお願いしようとおもって。」
「どこで見つけたんだ?」
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はぁ?っとキレ、声を荒げる
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