逍遙の殺人鬼

こあら

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全く知らない人

見るからに怪しい人だけど、私には選り好みしている余裕はない

お金が貰えて、住み込み
そんなおいしい話、今の私に断る理由はなかった


逸れた子を探したい
だけど、探した後はどうする?
逃げるにもお金がいる


なら、お金をいっぱい稼いで、あの子を見つけて、海外にでも逃げてしまおう


今目の前にいる、明らかに不審者の匂いをプンプン匂わせてる人は、もしかしてら神からのチャンス、最後の手を差し伸べてくれているのかも知れない

なら、拒まず、受け入れたら良いじゃないか
もう、
失いものは何もないのだから










「よかった!さっきっから求人ばっか見てるから、もしかしてと思って声かけて良かったぁ。明日から来れる?」


「今日からでも全然大丈夫です!むしろ今日からの方がありがたいです!」


今日であれ、と願い不審者に近寄り圧をかける


不審者の眼鏡の先には驚いて目を見開く瞳とがあった

自分がグイグイ行っていることは承知している
でも今は、穏やかにはしている場合ではない


不審者は一瞬止まるもニコッと笑顔で、私の申し出に承諾してくれた

家に案内するよと不審者は体の向きを60度ほど変え、
ついておいでと歩き出す


歩きながら親や保護者はいない事を伝えると少し気まずそうにしながら頭をボリボリかいていた
聞いちゃいけなかったかな?きっとそう思っているに違いない
けど、それも今更だ
両親はいない
そうなったのは6歳の時だった、それから12年
慣れるには充分過ぎる月日だった


歩き進めて着いた先はさっきまでの都会の雰囲気とは180度真逆の、ッザ古風といった平屋の一軒家だった

日本ならではの造りで、まだ家に入っていないのに草や木の自然の香り、建物の香りはどこか懐かしさを帯びていた

木材の骨組みは暖かさを滲み出していて、住みやすさを匂わせてくる

この匂いは好きだ

今まで居た所は鉄の匂いが強く自然の全くない味気ない場所だった
唯一特徴があったのは、食事をする時に座る少し豪華なデザインの椅子ぐらいだった
あの椅子も私は好きじゃなかった




「ここが今日から働いてもらう家だよ。実はまだご飯食べてなくて、早速で悪いんだけど夕食をお願いできるかな?」

冷蔵庫にあるもので簡単なもので構わないっと台所に案内される
了承するとちょっと仕事するから30分くらいで戻ると言って何処かへ行ってしまった

逆に行ってくれて良かったかもしれない

見られてたら、なんだか上手くできない気がして


よし!っと気合を入れ台所を見渡すも洗われていないお皿が大量に流しに乱雑に置かれ、床には何かをこぼした跡
ガスコンロは全く使われておらずほこりが積み上がっていた

冷蔵庫のなかには少ないながらも野菜なんかが入っていた
流しの下には大量に缶詰が詰め込まれていて、何を作ろうかと悩んだ


「まずはお米を炊こう」


炊飯は見つからなかった

棚に土鍋を見つけて使用済みのスポンジを捨てスペアの袋から新しいスポンジを取り出し洗剤をつけて念入りに洗う


お米と水を入れ、ほこりを拭き取ったコンロの上に置きガス栓を開け火をつける

ご飯が炊けるまで、お皿を洗い床を拭き、冷蔵庫の消費期限切れのものと食べれなくなった野菜を捨てる

一通りの掃除が終わり、冷蔵庫の中から豆腐と玉ねぎ卵を出しツナ缶を開ける

油を切ったツナと豆腐、卵を入れる
玉ねぎはみじん切りして耐熱容器に入れて電子レンジで1分30半ほどかける

ギリギリ使えそうなパン粉と温まった玉ねぎを入れて手で混ぜる

「豆腐は木綿で良かった」

絹だと柔らかすぎてパン粉を余計に使う必要がある

混ざりきったら塩と胡椒をかけて再度混ぜる

フライパンに油を引いて形を整えたネタを焼いていく
フライ返しとさえ橋を使って両面に焼き色がつくよいに次々と焼いていく

それと同時進行で新たにツナ缶を開け油を切り、スライスしたきゅうりと和え、和風だし、醤油、麺つゆ、砂糖を、入れかき混ぜる

ポットに水を入れお湯を沸かす

インスタント味噌汁を見つけてお椀に火薬と味噌を入れお湯が沸くのを待ちながら、使い終えたフライパンを洗う


我ながら肉なしハンバーグの出来栄えに大変満足している
自画自賛していると、台所の入り口から1人の男性が入ってくる



「かめ、おまえどこ行ってた」

「っ!?」(誰!?)



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