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ご飯が先に届いたのは臼田の方だった
「お先に特別セットです。」
そう言って運ばれてきたのは仕分けされたお皿に違う料理が入ったものだった
それが3皿分よお皿に並ぶと「この場所でしか頼めないメニューだよ」と教えてくれる
とてつもないいい香りで私の食欲をくすぐってきて、正直食べてみたい気持ちがあった
しかし、それは不躾だと自重した
だか、その決意はすぐに崩れた
「ちょっと一口食べてくれる?食べたことないから、どんな味かわからないんだ」
「…、はい…。」
パクっと一口サイズに切られたハンバーグを食べる
すると口の中にハンバーグのサッパリとしたクセのない肉汁が溢れ出た
デミグラスソースもしつこくない味でハンバーグとの相性は抜群だ
「どお?」
「…美味しいです」
「じゃぁこれは?」
入っと渡されたオムライスをまたパクっと口に入れる
卵がふわふわで、少しぷるぷるとした食感
ケチャップで炒められたごはんは卵に絡み合う
「最高です…」
「本当?こっちはどう?」
あーんと渡された生姜焼きは、噛めば噛むほど肉にしみたタレの味か口の中で暴れていた
一緒に運ばれた玉ねぎのシャキシャキとした感じと、柔らかい豚肉の違うもの同士のくせにやけにマッチした感じがハマりそうだ
「すっごく、美味しいです!」
「そんなに?こっちも食べてみて」
あーんとまた口を開こうとして、ハっとする
先程から私しか食べていない……
まさかと思うが
「最初から私に食べさせるつもりで…………」
「大正解!」
子供扱いするみたいに拍手をしてくる
パクパクと鯉みたいに食べていたことが恥ずかしくって赤面する顔を見られないように隠す
「でも、この席じゃないと食べれないのは本当だよ」
そんなことより、そうと知らずに食べさせてもらってるみたいな…あーんが問題だ…
恋人でもないのに…………
_____恋人ならいいのか?と問われると困るけど
一緒に食べようよと言ってくる臼田さんの誘惑に今度こそ負けないようにお断りを入れる
私にはちゃんと、フルーツホイップパンケーキがある
……そう思っていたのに…
「デザートはメインが終わるまで運ばれないよ」
だから食べようっと今度はカレーライスをスプーンですくい、私の口の前に持ってくる
彼のその長い腕はテーブルで離された距離を簡単に埋めてしまう
仕方ないからパクっと食べる
だって食べ終わらないとわたしのフルーツホイップパンケーキが食べれないもん
「臼田さんも食べてくだいよ」
「はいはい」と言うくせにひと巻きされたカルボナーラを乗せたスプーンは私の方を向いていた
はむっとそれを食べる
怒っているはずなのに、この美味しい料理たちによって邪魔される
思っていたより量はなく3口ぐらいで終わるように盛られていたらしく、数こそ多かったもののそこそこといった食べ具合だった
そしてようやく私のフルーツホイップパンケーキが運ばれてくる
会いたかった、私のフルーツホイップパンケーキよ…
目を輝かせ、ふわっふわのパンケーキに切り込みを入れる
まるで雲の様に軽く口に入れるのは容易なことだった
パンケーキの甘さと少しついていたホイップが、甘さ×甘さで、甘さの2乗になり口の中が甘くなる
続けてフルーツを食べる
いちごは全く酸っぱくなく、みかんはみずみずしさを弾けさせていた
ぶどうは皮まで美味しく、パイナップルなんか噛むたびに甘い汁を出してくる
「幸せそうだね」
私の緩みきった顔を見守る彼は片方の頬に手を付きながら微笑んでいた
「臼田さんもどうぞ!」
この美味しさを共有したくて何も考えずに彼にパンケーキを差し出す
その行動に目を丸くし、一時停止したかと思えば、ニヤッと笑ってフォークに刺さったそれをぱくっと食べる
美味しいでしょう?とはしゃぐ私は、いちごを乗せるとまた味が変わるんですっと言って最後のひと切れを彼に差し出す
それに笑いながらも食べてくれる
「すっごく美味しいですよね!こんな美味しいものを食べれるなんて今日を一生忘れません!!」
「一生?」
「はい!」
私のその言葉に先程とは違う微笑を浮かべていたことに、私は気づいていなかった
「お先に特別セットです。」
そう言って運ばれてきたのは仕分けされたお皿に違う料理が入ったものだった
それが3皿分よお皿に並ぶと「この場所でしか頼めないメニューだよ」と教えてくれる
とてつもないいい香りで私の食欲をくすぐってきて、正直食べてみたい気持ちがあった
しかし、それは不躾だと自重した
だか、その決意はすぐに崩れた
「ちょっと一口食べてくれる?食べたことないから、どんな味かわからないんだ」
「…、はい…。」
パクっと一口サイズに切られたハンバーグを食べる
すると口の中にハンバーグのサッパリとしたクセのない肉汁が溢れ出た
デミグラスソースもしつこくない味でハンバーグとの相性は抜群だ
「どお?」
「…美味しいです」
「じゃぁこれは?」
入っと渡されたオムライスをまたパクっと口に入れる
卵がふわふわで、少しぷるぷるとした食感
ケチャップで炒められたごはんは卵に絡み合う
「最高です…」
「本当?こっちはどう?」
あーんと渡された生姜焼きは、噛めば噛むほど肉にしみたタレの味か口の中で暴れていた
一緒に運ばれた玉ねぎのシャキシャキとした感じと、柔らかい豚肉の違うもの同士のくせにやけにマッチした感じがハマりそうだ
「すっごく、美味しいです!」
「そんなに?こっちも食べてみて」
あーんとまた口を開こうとして、ハっとする
先程から私しか食べていない……
まさかと思うが
「最初から私に食べさせるつもりで…………」
「大正解!」
子供扱いするみたいに拍手をしてくる
パクパクと鯉みたいに食べていたことが恥ずかしくって赤面する顔を見られないように隠す
「でも、この席じゃないと食べれないのは本当だよ」
そんなことより、そうと知らずに食べさせてもらってるみたいな…あーんが問題だ…
恋人でもないのに…………
_____恋人ならいいのか?と問われると困るけど
一緒に食べようよと言ってくる臼田さんの誘惑に今度こそ負けないようにお断りを入れる
私にはちゃんと、フルーツホイップパンケーキがある
……そう思っていたのに…
「デザートはメインが終わるまで運ばれないよ」
だから食べようっと今度はカレーライスをスプーンですくい、私の口の前に持ってくる
彼のその長い腕はテーブルで離された距離を簡単に埋めてしまう
仕方ないからパクっと食べる
だって食べ終わらないとわたしのフルーツホイップパンケーキが食べれないもん
「臼田さんも食べてくだいよ」
「はいはい」と言うくせにひと巻きされたカルボナーラを乗せたスプーンは私の方を向いていた
はむっとそれを食べる
怒っているはずなのに、この美味しい料理たちによって邪魔される
思っていたより量はなく3口ぐらいで終わるように盛られていたらしく、数こそ多かったもののそこそこといった食べ具合だった
そしてようやく私のフルーツホイップパンケーキが運ばれてくる
会いたかった、私のフルーツホイップパンケーキよ…
目を輝かせ、ふわっふわのパンケーキに切り込みを入れる
まるで雲の様に軽く口に入れるのは容易なことだった
パンケーキの甘さと少しついていたホイップが、甘さ×甘さで、甘さの2乗になり口の中が甘くなる
続けてフルーツを食べる
いちごは全く酸っぱくなく、みかんはみずみずしさを弾けさせていた
ぶどうは皮まで美味しく、パイナップルなんか噛むたびに甘い汁を出してくる
「幸せそうだね」
私の緩みきった顔を見守る彼は片方の頬に手を付きながら微笑んでいた
「臼田さんもどうぞ!」
この美味しさを共有したくて何も考えずに彼にパンケーキを差し出す
その行動に目を丸くし、一時停止したかと思えば、ニヤッと笑ってフォークに刺さったそれをぱくっと食べる
美味しいでしょう?とはしゃぐ私は、いちごを乗せるとまた味が変わるんですっと言って最後のひと切れを彼に差し出す
それに笑いながらも食べてくれる
「すっごく美味しいですよね!こんな美味しいものを食べれるなんて今日を一生忘れません!!」
「一生?」
「はい!」
私のその言葉に先程とは違う微笑を浮かべていたことに、私は気づいていなかった
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